ベリタスホープフォースフォーチュンフィデリティーオナージョイ
概要
デルトラ王国に生息するとされる伝説上の生物であり、7種類存在する。
生態
王国が建国される前のデルトラが「竜の地」と呼ばれていたとされることからも、デルトラの地とは非常に密接な関係であり、各竜の縄張りはデルトラに住む七部族の領土とほぼ一致するほか、鱗の色はそれぞれの地から掘り出された宝石の色と一致している。
寿命は500年に及ぶとされ、それぞれが治める縄張りにおける食物連鎖の頂点に君臨する。繁殖期には巣に敷き詰める材料として若い女性の毛髪を好んでいることから人間を攫うこともあったようで、その対策として事前に毛髪を用意しておくと人攫いをしないとも言われている。劇中でも、デルトラの民話の1つに「美しい金髪の持ち主の女性を攫う」内容のもの、デルトラ東部に位置するブルーム村には女性が髪を剃り上げる風習が存在するほか、トパーズの竜はジャスミンの髪に対して興味を示す描写がある。
相手の名前を知ることでその相手の全てを支配できるらしく、それゆえに最後の各個体は、自らの真名を深い付き合いがあったドラン以外に教えていない。
来歴と劇中の活躍
古よりそれぞれの縄張りで平和と自由を謳歌していたが、ある時から影の王国より7羽のアクババが襲ってくるようになり、それまで碌な天敵がいなかったこともあり絶滅寸前にまで追い込まれてしまう。しかし、伝説の探検家である『竜好きのドラン』の熱心な説得に心を打たれた各竜の最後の個体が、魔法によって来るべき時(デルトラを救う真の国王が現れる時)まで永い眠りについていた。
しつこくデルトラを狙う影の大王による『四人の歌姫』計画を阻止しようと動くデルトラ国王・リーフたちによる旅の過程で眠りから目覚め、時に協力するようになる。そして、『四人の歌姫』が倒された後に控えていた影の大王による最大の計画を阻止しようとするリーフの呼びかけに馳せ参じ、アクババを撃退したうえで計画を潰し、デルトラに真の平和をもたらした。なお、この最終決戦は『竜の日』としてデルトラの祝日になった模様。
登場する個体
- トパーズの竜
リーフたちが最初に出会った竜。黄金色の体色を持ち、デル族の住む領土を縄張りとする。第二作にも少しだけ登場したが、眠りからは目覚めなかった。
第三作で本格的に目覚め、リーフに協力して『南の歌姫』と戦い、アクババとの最終決戦ではリーフやジャスミンと協力してアクババを1羽仕留めた。
ドランとリーフには心を許しており、ジャスミンの黒髪に興味を示している。
真名はトパーズが司る「誠実」の意味を持つフィデリティー。
- ルビーの竜
真紅の体色を持ち、ララド族の住む領土を縄張りとしている。『東の歌姫』の番人であったカプリコンのロルフが変化したニセモノの竜を一瞬で葬り、リーフたちとともに『東の歌姫』を倒した。アクババとの最終決戦にも参戦し、1羽の首を噛み砕いて仕留めた。
リーフだけでなくバルダとジャスミンにも優しく、自身の縄張りの範囲内に限るものの最大限の協力をしてくれる。伝承ではカプリコンの住む街・カプラを嫉妬の末に滅ぼしたとされていることから、ブルーム村のリンダルからは警戒されていたが、真実(実際はカプリコンが街を美しく見せるためだけに竜の卵を強奪しており、三度の忠告を経ても彼らが強奪を止めなかったため、やむなく滅ぼしたこと)を話し、誤解していたリンダルの謝罪を受け入れて和解した。
真名はルビーが司る「幸福」の意味を持つジョイ。
- オパールの竜
虹色の体色を持ち、平原族の住む領土を縄張りとしている。比較的大柄なエメラルドの竜を凌ぐ巨体の持ち主で、竜の中では一番目が良いとされている。『四人の歌姫』の後に控えていた影の大王による最後の計画前にようやく目覚め、当初はそれと縄張りを侵したトパーズの竜(+リーフたち)に激しい怒りを見せていたが、リーフの説得によって共闘し、1羽を仕留めた。
真名はオパールが司る「希望」の意味を持つホープ。
- ラピスラズリの竜
群青に星を散りばめたような体色をしており、メア族の住む領土を縄張りとしている。竜の中では比較的小柄だが飛ぶスピードに優れ、殆ど羽ばたかずに流れ星の如く飛ぶ。眠りから目覚めた直後にもかかわらず、第一作でリーフたちを戦慄させた『うごめく砂』の怪物を腹ごしらえのための食料と見做していた。アクババとの最終決戦では劣勢だったリーフたちおよびトパーズの竜、オパールの竜に加勢し、反撃のきっかけを作った。
陽気かつリーフたちにも友好的だが、エメラルドの竜とは相性が悪い。また、ドランから地図の読み方や歌を教わった模様。
真名はラピスラズリが司る「神力(幸運)」の意味を持つフォーチュン。
- エメラルドの竜
緑の体色をしており、小人族の住む領土を縄張りとしている。竜の中でも比較的大柄で、ラピスラズリの竜がリーフたちに協力する過程で縄張りを侵したことで目覚め、激昂して襲いかかる。後に『北の歌姫』を倒すために協力したが、リーフからエメラルドを取り返すためにアメジストの竜の縄張りまで追いかけてきた。アクババとの最終決戦では1羽を火の玉で焼き尽くした。
竜の中では最も誇り高い性格で、名前に対しても人一倍強い意識を持ち、リーフがお互いの真名を呼んだ際には「互いに支配できる」とせせら笑ったが、ラピスラズリの竜に諌められていた。
真名はエメラルドが司る「名誉」の意味を持つオナー。
- アメジストの竜
紫の体色をしており、トーラ族の住む領土を縄張りとしている。リーフたちが縄張り内に入ったことで目覚めるも、眠っていた間に積もった砂丘に埋まってしまっていたことから命の危機に陥る。しかし、間一髪でリーフたちが間に合いトーラ族によって砂丘から脱出できた。リーフたちに協力して死の島で怪物コブの相手をした後、『西の歌姫』の番人にさせられていたドランと再会。生きながらの死を強いられているドランを呪縛から解放すべく自ら手を下し、『西の歌姫』を倒した。アクババとの最終決戦ではダイアモンドの赤ちゃん竜と援軍として参戦し、アクババたちを敗走させた。
リーフの頼みならば他の竜の縄張りを侵してでも駆けつけ、ダイアモンドの赤ちゃん竜の育て親にもなるなど優しい性格。また、竜の中で唯一真名を自分から明かした。
真名はアメジストが司る「真実(真理)」の意味を持つベリタス。
- ダイアモンドの竜
ジャリス族の住む領土を縄張りとしている。ドランの説得によって死の島の近くに位置する血の百合島で眠りにつくも、永い年月の間に血の百合が自身の寝床にまで進出してしまい、リーフたちがたどり着いた時には血の百合と肉食い虫によって白骨化していた。
真名はダイアモンドが司る「純潔・力」の意味を持つフォース。
- ダイアモンドの赤ちゃん竜
死んでしまったダイアモンドの竜の子供。純白の体色の持ち主。当初は卵の中におり、ダイアモンドの力に反応して孵化した。アメジストの竜によって育てられ、アクババとの最終決戦の時点では飛行および炎を吐くことができるようになっており、アメジストの竜とともに援軍として駆けつけた。
真名はなかったが、母の名であった「フォース」の名をアメジストの竜から教えられ、その名を継承した。
余談
各竜とも当初は人間に対して良い感情を抱いてなかったが、最終的にはリーフやその仲間たちについては認めるようになった。また、ジョーカーの研究によると必要に迫られれば番無しでも繁殖することができる可能性もあるようで、竜が再びデルトラの大空を自由に羽ばたける未来が示唆されている。