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紅い花

あかいはな

『紅い花』はつげ義春の漫画である。『ねじ式』と対極をなすもう一つの代表作。
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概要

紅い花』はつげ義春が『月刊漫画ガロ』1967年10月号に発表した短編漫画である。雄大な自然の風景とおかっぱ頭の少女を通して、独特の叙情世界を築き上げたノスタルジックな傑作である。

タイトルの『紅い花』とは、少女が初潮を迎えて大人になることの隠喩である。半分大人になりかかったキクチサヨコと、彼女にいたずらするかたわら、仄かな恋心を寄せるまだ子供のシンデンのマサジのやり取りが渓流や森といった自然を背景に繰り広げられ、微妙な恋物語を際立たせる。

ちなみにアニメ映画河童のクゥと夏休み』に登場する少女「菊池紗代子」の名前は本作のキクチサヨコから拝借したと監督の原恵一が発言している。

解説

作中に、どこの地方とも特定できないような方言が散りばめられており、またキクチサヨコは韻を踏んだような台詞をとうとうと喋るが、この台詞回しも作者の想像力の中から生まれたものであり、福島弁を駆使した『もっきり屋の少女』とはまた趣が異なっている。こうした心地の好い台詞回しも作品の大きな魅力になっている。

台詞で特徴的なのはヒロインの生理を表現する言葉の数々だが、そのうちの「腹がつっぱる」は、作者が生理中の少女に想像力を張り巡らせて作ったものではなく、寿恵比楼旅館滞在時に「靴下がつっぱる」と嘆く女性の会話を作者が聞き間違えたエピソードが元になっている。

この作品のおおらかさは、つげが白土三平に招待された前述の寿恵比楼旅館の滞在経験がもとになっているといわれ、作者の人生の中でも、最も解放感に満ちた時期に描かれた作品の一つである。

映画

網走番外地』などで知られる石井輝男監督が、1993年に『ゲンセンカン主人』のタイトルで映画化したオムニバス作品の第2話を飾っている。佐野史郎がつげをモデルにした主人公を演じ、表題である『ゲンセンカン主人』のほか『李さん一家』や『池袋百点会』の4話が収められている。

キクチサヨコは久積絵夢、シンデンのマサジ は荻野純一が演じた。特に、荻野純一のシンデンのマサジは原作のイメージに近いものであった。また、ストーリーも原作にかなり忠実に再現された。最後のシンデンのマサジがキクチサヨコを背負って山を下りるシーンで斜面いっぱいに咲き乱れる紅い花は、ティッシュペーパーの造花で再現されたという。

関連イラスト

紅い花
ジャケ絵模写とかいろいろ詰め合わせ



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つげ義春 ガロ ねじ式 生理 初潮 ノスタルジー

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