作品解説
売れっ子歌手の南條晃司と薄暗い過去を持つサッカー少年・泉拓人の恋と、その周囲を取り巻く人々の愛憎と苦悩を描いた作品。当時『ボーイズラブ』というジャンルが確定していなかった時代に少女漫画誌で連載された事で大ヒットを飛ばした特異作。
二人の出逢いから別れまでを描いた『絶愛-1989-』と、続編で晃司の実家である南條家を中心に描いた『BRONZE zetsuai since1989』に分かれており、後者は略してBRONZEと呼ばれている。
あらすじ
南條晃司は今をときめく売れっ子歌手だが、未成年でありながら飲酒に車とバイクの無免許運転、さらに女癖も悪いという所属事務所も頭を抱えるほどスキャンダルが絶えない問題児。
そんな無気力で怠惰な彼にも、ただ一つ強く惹き付けられた存在があった。それは小学生時代に出逢った鋭い眼差しを持つ『イズミ』という少女。彼は数年経ってもなお、彼女の事が忘れられずにいた───⋅⋅⋅⋅⋅⋅
そんなある日、いつもの様に仕事に嫌気がさして事務所を抜け出し雨の中酔っ払って寝ていた所を一人の少年に助けられた。彼の名前は泉拓人。想い人と同じ名前と瞳を持つその少年に違和感を感じた晃司は、素性を知っていくうちに彼こそがあの『イズミ』その人だと確信する。
拓人に強烈に惹かれる晃司だったが、彼は幼少期のある出来事がきっかけで、人を愛する事を極端に恐れていた。また、芸能人である晃司が一般人(それも同性)との恋愛を周囲が許すはずもなかった。
炎の様に激しく熱く、それでいて互いと周囲を傷付け合う刃物の様な晃司と拓人の関係。
この恋に、果たして終止符はあるのだろうか───⋅⋅⋅
登場人物
南條晃司(なんじょう こうじ)Cv.速水奨
本作の主人公。今をときめく売れっ子歌手。
華やかな外見とは裏腹に性格は無気力で怠惰的。
酒癖と女癖が特に悪く、デビューからスキャンダルが絶えない。
実家は名門で、兄が二人いる。
泉拓人(いずみ たくと)Cv.子安武人
本作のもう一人の主人公。高校生でサッカー部に所属。
学生でありながら一人暮らしで、学校と部活の傍らバイトを掛け持ちしているなどハードスケジュールをこなしている。
性格は典型的な熱血漢。
裕福な家に養子に貰われた妹と弟がいる。