概要
1915年(大正4年)12月に北海道の北海道苫前郡苫前村(現:苫前町古丹別)で発生した、ヒグマによる民家襲撃事件「三毛別羆事件」を基にした小説。
新潮文庫より1982年刊行。
後にテレビドラマ(1980年放送、三國連太郎主演)、ラジオドラマ(1980年放送、高倉健主演)、舞台劇(1986年上演)が制作されている。
開拓の村を襲い、7人もの人間を食い殺した巨大なヒグマと、それに立ち向かう老練な猟師の対決を描く。
あらすじ
北海道苫前郡苫前村、六線沢地区。
冬を迎えようかというころ、一頭の巨大な羆が次々に人を襲い、食い殺していた。
村人も手を尽くして羆を駆除しようとするが、老練な羆には歯が立たず、逆に被害者は増えていく。
そんな中、羆討伐を頼まれたのは、希代の名マタギ、山岡銀四郎だった・・・・
資料として
人物名などが一部変更されている以外は、事件の流れなど、すべて実際の事件ほぼそのままである。
著者は、最初にこの事件の顛末を詳細にまとめた木村盛武や、当時事件にかかわった人々に取材してこの作品を書き上げたという。
ただし、今作はあくまで小説として作り上げられたものであり、事件のドキュメンタリーとしては、木村が後に書き上げた『慟哭の谷』という本の方が忠実である。
苫前の道の駅で何があったか簡単に紹介されている。