概要
1927年東京にふとん綿工場経営者の息子に生まれ、中学生頃から家庭教師として家に来ていた大学生の影響で文学に傾倒るようになる。
学習院大学入学後には文芸部で執筆に熱中しすぎて授業をさぼりがちだったことや、学費滞納が重なり退学となる。
退学直後、学生時代に知り合った妻・津村節子と結婚。
その後は働きながら夫婦とも作家活動を続け文芸同人誌への寄稿を続けておりしばらく貧しい生活を送る。この辺りの生活は津村がのちに自作「遍路みち」などでネタにしている。
1958年に週刊新潮で商業誌デビュー。
当初は妻の津村の方が芥川賞を先に受賞して彼の方はやや出遅れていたが、1966年に太宰治賞を受賞して「戦艦武蔵」でブレイクを果す。
以来数々の文学賞を受賞し知名度を高める。
緻密な調査や取材に裏打ちされた歴史小説やドキュメンタリータッチの作品を多く手がけており、戦記物だけでなくトンネルやダムの建設現場を題材にした作品も手がけている。
「証言者が高齢化して証言が採れなくなった」という理由で晩年は近代をテーマにするようになったほどである。その割には筆が早く作品点数も多く、死後に刊行された作品も少なくない。
2005年にガンにより死去。享年79歳であった。