西河雪哉
にしかわゆきや
「ま…僕はコウのこと弟だと思ってるけどね。」
東山グループのライバル企業で現在傘下の西河グループの御曹司。
セミロングの美男子で、東山浩太が会長の屋敷を訪ねていた頃に妹の西河摩耶と一緒に遊んでおり、本人は浩太を弟のように思っており、人間不信の浩太にとって、二人は姉に並ぶ例外中の例外。
母、西河美也子は西河善吉の後妻で、摩耶とは異父兄妹にあたる。
再会した時には摩耶を含めた五人のミストレスを連れている。
傲慢にも見える常に余裕を失わない態度が目立つ。弱点も多く、感情を抑えるのが下手で善吉の秘書の倉橋涙に苦言を呈されている。更に、桜田門志津曰く「勝てないと分かると尻尾を巻いて逃げるくせに、プライドだけが高い」という決定的な弱点を抱えている。
一方で、全てを手に入れて成り上がろうとする必死になる熱意を持ち合わせ、その熱意がミストレス達の心を惹きつけている。実際に非常に優秀で、既にグループ子会社の経営を任されている。
女性に対しては奥手で、昔は摩耶以外の女性とまともに接することができず、特に志津には実家を巡る負い目から女性としての好意を寄せながらも彼女に夜の相手をさせていなかった。他のミストレス達とも信頼面ではやや問題があるが、摩耶以外の四人は本気で雪哉を愛している。
妹の摩耶とは昔は仲が良かったが、ある一件で拗れながらも後述のあるように妹として大切に思っている。
丈一郎は渚の母斑鳩叶と結婚したのだが、彼女は東山慶三のミストレスで結婚した時点で既に慶三の子、後に斑鳩の忌み子と呼ばれる斑鳩星架を身籠っていた。それに憤慨し、当てつけのように外で料亭の女将と関係を持って生まれたのが雪哉であった。
母の結婚時の約束もあって西河の跡取り息子と銘打ってはいるがそれは表面だけで、実際には善吉はカルト教団「南方睡蓮寺」に入信させて洗脳、支配している摩耶に実権を握らせるつもりいた。
雪哉自身、そして雪哉を愛して助力する志津達の努力も決して報われないこの下劣な思惑に加担させられている摩耶はずっと苦しみ続け、雪哉もまた摩耶を救おうと苦心していた。
東西砦崩し
浩太が白嶺亜莉亜を生徒会長にした後、浩太の元を訪れて異母妹の渚を自分のミストレスにするべく東西砦崩しを挑む。
一回戦で渚を引き抜いた後、二回戦で浩太が摩耶を引き抜いてからは互いに摩耶の引き抜きと連れ戻しを繰り返す。
最終戦では夜伽を競う対戦の中、上述の弱点が出て志津に煽られ、逆に詰め寄ると共に実家の銀行を買収されて売られるように来た志津への負い目を告白し、志津もまた利用するつもりでいた雪哉に惹かれたことを告白、互いに押し殺していたものを明かして志津を抱く。
最終的には自分には浩太のように互いに利用しあうことで築く信頼を作れる境地に達していないと自ら負けを認めて西河を離れ、再出発を決意する。
ミストレス達とも別れる気でいたが、志津を筆頭に四人とも迷わず雪哉に付いていくことを選ぶ。自分がミストレス達に本気で愛されていたことを今更ながらに自覚し、ルールで引き抜かれた摩耶を浩太に託して西河へ戻った。
摩耶を含めて浩太のミストレス達とさほど年齢差はないが、学生ばかりの浩太のミストレス達と違い、既に社会に出ているメンバーもいる。摩耶以外の四人の内、志津と千歳は善吉の命令で配属された模様。
桜田門志津――雪哉のミストレスのリーダー格で信頼も随一。古風な口調に、雪哉のミストレスでは最大の身長と巨乳の美女。摩耶と千歳に並ぶ最古参の一人で、大手銀行の令嬢。
早川千歳――雪哉のミストレスでは志津より早く配属された最古参の一人で製薬会社の研究員を務める。清楚な幾島実憂と対照的に妖艶さを漂わせる美女。付き合いの長さゆえか雪哉を「ゆっきー」と気安く呼んでいる。
堂丸沙菜――雪哉が直接スカウトしたミストレスで語尾に「~っス。」とつけるアキと違う雰囲気のギャル。いくつもの店で働いていた風俗嬢で、男と女のどちらの相手もこなせる夜の相手のスペシャリスト。
真谷飛鳥――IQ130を超える天才的頭脳の女子高生。既に大学の研究グループを率いており、雪哉が任された子会社の取引も請け負っている。