本記事自体が重大なネタバレにつき注意。
概要
メインヒロイン斑鳩渚の実の姉。幼少時から常人離れした思考を有し、並外れた頭脳の持ち主であった。上述踊り、作中では既に故人。
主人公東山浩太とも縁があり、ヒロインの一人南十字花芽理は親友だった。
人物
生前の容姿は長い黒髪を縛った美少女。白嶺学園の在校生でもあった。
斑鳩の忌み子と呼ばれ、上流社会内では彼女の存在に触れること自体がタブーに等しく、マスコミさえその存在が公にされるのを恐れている。しかし、これだけ騒がれているのにもかかわらず、何故『忌み子』と呼ばれているのかは連載開始から三年以上が経過する2024年時点でも未だに明かされていない。
彼女の存在は渚の幼馴染みの幾島実憂は存在すら知らず、大手銀行の令嬢の桜田門志津でさえ名前しか聞いたことがない。
何故か、渚のスマホに保存された生前の彼女の写真には浩太が一緒に映っていた。
本来の出生
ネタバレのまたネタバレにつき注意
私はね、コウ君のお姉ちゃん…だよ?
斑鳩星架は、渚の母斑鳩叶と東山慶三の娘だ。
星架は斑鳩丈一郎の娘ではなく、東山グループ創設者の慶三の娘……つまり、浩太の異母姉で渚にとって異父姉にあたる。
叶は慶三のミストレスで丈一郎と結婚した後に慶三の子を身籠っていたことが発覚する。その子供が星架であり、憤慨した丈一郎は外で他の女性と関係を持った。その結果生まれたのが西河グループの次期会長西河雪哉である。
つまり、浩太と渚は血縁のない姉弟になる。
余りに歪ながら、渚にとっては幸せな家庭であった。もっとも、長くは続かなかった。
過去
作中の六年前、白嶺学園は腐敗の極致に達していた。立派なのは家柄だけで、実際には生徒達の学力は低い上に品性も最低という絵に描いたような腐敗貴族の巣窟だった。
そんな学園を濁った温室と称した星架はこの学園を盤面に見立て、作り変える同志ひいてはコマを探していた。そんな中、出会ったのが当時同学年の南十字花芽理だった。彼女は腐敗した生徒達が跋扈する中において、唯一グループ研究にも真剣に取り組む生徒だったがそれ故に異端だった。
彼女の孤独に目を付けた星架は花芽理を生徒会役員に加えて会長に立候補、巧みな話術とカリスマ性で生徒達の人心を掌握、修学旅行先を強引に沖縄にする、体育祭の再開などをこぎつけることに成功した。
花芽理はそんな星架に心酔し、肉体関係を持つほど深い仲になる。しかし、次第に星架が内に秘めていた冷徹さや傲慢さに恐れを抱き、遂に自分達の関係を自ら主従ゴッコと称したことで花芽理と喧嘩別れしてしまう。
それから間もなく、星架は病死してしまい花芽理と星架にとっては今生の別れになり、浩太と渚の人生にも深い影を落とす。
本質
だから私が矯正するの。正しい姿にね。
本質は慶三の娘らしく、一切の容赦も挟まない冷徹な謀略家。良識やモラルを人並み以上に持ち合わせている節もあり、対照的に良識もモラルもまともに持ち合わせず、精神年齢が我儘な幼児の上に性根の腐り切った学園の生徒達を幼いまま国の中枢になると本心では侮蔑していた。
そんな学園は星架にとって自分が思い通りに作り変える格好のゲームボードで、花芽理はそれを進めるコマであった。
死期が近づいた時には浩太が自分の葬儀に来てくれることは喜んでいた一方、渚が来てくれないことはどことなく察していた模様。
花芽理を通じ、忘れていた彼女の記憶を思い出した浩太は自分が渚に惹かれていたのは死んだ姉の面影を求めていたためで本当の恋慕ではないと悟った。ミストレス解任で自分を見なくなって、情緒が不安定になった母に寄り添わないといけないとマザコンをこじらせた浩太に寄り添ってくれたのが唯一星架だった。
彼女の側に居心地の良さを感じていたのは、浩太自身も星架と同様に冷徹で傲慢であるからと自らの本質を自覚した。
つまり、当時の浩太にとっては星架こそが母親であり、渚に惹かれたのもマザコンとシスコンの二重作用に等しいものであった。
渚が浩太に興味を抱いていたのも、姉が将来戦う敵であるという事以外によく聞かされていた星架の唯一の弟=自分にとって血縁のない弟である関心もあった模様。
関連タグ
東山浩太――異母弟。唯一の弟で、浩太にとって本質的な母親でもあった。
斑鳩渚――異父妹。浩太のことを渚に教えており、二人の歪な関係の発端にもなっている。
南十字花芽理――親友。喧嘩別れしてしまったが、忌み子と呼ばれる自分と腐敗した学園の異端である彼女にシンパシーもあった節がある。
西河雪哉――戸籍上の父斑鳩丈一郎の息子で、血縁のない弟。出生ゆえに星架の存在を知っていた。