覇道丸
はどうまる
「拙者は血を見るために戦うのではない。強さを欲するのみ」
「強さとは戦の腕前のみではない。腕前を含めてあらゆる方面から勝ちに近づける力なり」
「卑怯?物言いはその卑怯な拙者をかいくぐってから言え」
戦いにおいては型や流儀、礼儀よりも何より「勝利」を優先する主義であり、
皇国の常識からすれば"卑怯"と称される手段や道具(例えばいわゆる忍具など)も躊躇せず使う。
但し拘るのはあくまで「戦いにおける勝利」のみであり。無力化やあるいは戦闘を続けられなくなった相手にはそれ以上の手出しを一切しない、
あるいは無闇矢鱈に他者を攻撃しないなどの彼なりの"美学"的なものも幾つも見られる。
また戦闘行為をあくまで「強くなるためのもの」としており、無闇な戦闘そのものも避ける傾向がある他、
筋の通らない内容の依頼や戦いは一切受けないなどの彼なりの正義感も持ち合わせている。
(それ故に邪な連中の逆鱗に触れてしまい、結果として戦わざるを得なくなる、というのもよくあることだが)
得物としては皇刀※1「蝮毒【マムシドク】」と「海月ノ手【クラゲノテ】」、
そして長槍「帝蜂ノ針※2【ミカドバチノハリ】」を用いる。
状況に応じて刀一本、二刀流、槍術と使い分ける様からも、型ではなく勝利という結果を重視する彼の方向性をうかがえるだろう。
※1 薫桜ノ皇国の伝統的な刀剣、日本刀に酷似する
※2 「帝蜂【ミカドバチ】」はコウテイスズメバチを表す古語である
蝮毒
『マムシドク』
覇道丸が武者修行に出るに際し、生家より持ち出した太刀。
一般的な太刀に比べて身幅があり重ねも厚いという作りをしている。
他には鎬造り、浅い中反りに庵棟、ふくら枯れで刃文は鋸刃かつ匂口がよく締まっているのが特徴。
目貫や鍔には蝮の意匠が施され、鞘には蝮の革を着せて漆で研ぎ出した物が用いられている。
また鞘の鐺部分は鋭く尖らせた形状になっており、納刀した状態であっても手槍の如く扱う事が可能となっているようだ。
海月ノ手
『クラゲノテ』
覇道丸が武者修行に出るに際し、生家より持ち出した太刀。
元は彼の母が嫁入りの際に持ち込んだ長巻を太刀へと直したモノである。
浅めの先反り、重ねが先細りしていく刀身、丸みのある鋒が特徴。
また鞘の小柄と小柄櫃に毒を仕込めるような細工が施されている。
この部分に猛毒を仕込む事も可能であるが、覇道丸は敢えて軽い麻痺毒を仕込む程度に抑えているようだ。
元は皇国のとある有力な武家の末っ子として生を受けたものである。
生家は祖国の皇王を以てして「皇国の切り札を十挙げるべしというならば、必ず入れるべき」と言わしめた武人の家系である。
実際、彼の兄達も尽く名将や猛将として内外に名を馳せている者ばかりである。
かと言って幼少の覇道丸に辛く当たっていたということはなく、むしろ(多少過保護気味な面すら見られたようだ)手厚い世話をしていた。
しかし覇道丸にとっては優秀な兄たちそのものがコンプレックスともなっており、いつしか「強さ」、それも武術以外の総合的な強さを求めるようになっていった。
無論、兄たちはそんな彼を「自分たちとは違う強さを求める姿」や、あるいは「家系に新しい風を吹き込むことを期待する」などで好意的に受け取っていたが、
それでも秩序と礼儀を重んじる皇国の基本的な思想とは相容れないような部分も多く見られ、ときに実家とすら衝突することもあったようだ。
しかしそんな、一族の中でも「浮いた」存在であることは覇道丸自身も薄々感づいており、ついに「実家を見限った」という建前で家を飛び出し冒険者となる。
但し実家と折り合いがつかなかったというのは家を飛び出すための建前上のことであり、家族に対しては現在でも敬意を払っており、特に兄たちとの交流に関しては今も続いているようだ。
あくまで覇道丸なりに「実家や周囲に迷惑をかけないため」の処置、と言える。
とあるスレ民にしてその設定と在り方から司る概念は「求道」と称された。