概要
「証」は漢方医学独自の概念で、その人の体質・体力・抵抗力・症状の現れ方を示すもの。漢方医学では、同じ病名・症状であっても証が異なれば処方される漢方薬も変わってくる。
日本の漢方医学では虚実、寒熱、それと気血水などのバランスの崩れで体の不調が起こると考え、それらのパラメーターで証を決定している。
虚実…その人の体力や抵抗力。体力が充実していれば実証、虚弱体質であれば虚証という。
寒熱…その人が暑さ・のぼせを感じているか(熱証)、寒さ・冷えを感じているか(寒証)。寒熱の偏りがないことが理想的な状態とされ、メイン画像のいわゆる「冷えのぼせ」のように、寒熱の偏りで寒証と熱証が同時に現れていることもある。
気血水…「気」とは生命を維持するためのエネルギーのようなもの、「血」は血の巡りのこと、「水」は体を巡る血液以外の水分のこと。気血水が滞りなく体を巡っているのが理想的な状態とされる。