…もう……ひと…いく…さ…せん……
※この項目は単行本未収録のネタバレ情報を含む場合があります。 |
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概要
CV:大塚芳忠
主人公、寶月夜宵が捕獲した霊の一体。普段はグレイ型宇宙人の人形に封印されている。
記憶と力を失っており、素性は不明。
夜宵とは戦場を用意し続ける代わりに夜宵の目的に協力するという契約を結んでいる。そのためか、夜宵の手持ちの霊の中では比較的従順である。
作中にて、夜宵たちと敵対する霊を倒しては捕食を繰り返し力を取り戻しつつある。その過程で落ち武者のような姿から、平安装束のような着物を纏った巨体の姿へと回帰したが、それでも未完成であることから、『過渡期の御霊』という諱を与えられた。
能力
京都編以前は霊に似つかわしくない肉弾戦主体であったが、京都の心霊スポットのAダムにてその秘めたる呪いを解き放った。
「征け、御霊」
その呪いとは重力操作。大地を揺るがすほどの超質量を相手に背負わせ圧殺する。
初めて呪いを披露したときは、頭部の傷口から飛び出た矢が敵を引き寄せ刺さると発動した。御霊からあふれた血が敵を中心に平安京のような模様を描き、重なり合った人の情念が敵へ超質量を背負わせる。
2度目の降霊では、片手で重力を操れるようになっていた。
また、京都編以降は肉弾戦の面でも強化されており、拳を前方に突き出すだけで前方をえぐるほどの衝撃波を放つことができるようになった。(よく勘違いされるが、口からビームを出しているわけではない)
作中の動向
初登場は脳幹霊戦。
戦闘はなし。脳幹霊に操られている霊の牽制をしたり、夜宵と螢多朗が協力して捕獲した脳幹霊を捕食した。
H城址、鬼軍曹回収では身代わりとして活躍し、『旧旧Fトンネル』では夜宵を間一髪のところで救った。
『受胎告知の家』では3体いた天使様を食い尽くした。『旧I水門』では少年霊の分霊を捕食し、詠子を救出した。
『学校の怪談』では、夢の中に現れる先生の霊をひたすら食い尽くし、最終的に本体も捕食したことで回帰した。
京都編第一の心霊スポット『Aダム』では、卒業生相当の霊として「崩して」の言霊と「過渡期の御霊」の諱で降霊された。
Aダムの霊の霊現象によって首だけになるほど苦戦を強いられるも、上述の呪いを発動。Aダムの霊を圧倒した。
『弑逆桔梗作戦』ではAダムにて神様の式神『騰蛇』と相対。
何故か霊的エネルギーが乱れており、苦しんでいたところを攻撃され全身を火だるまにされる。しかし、騰蛇を重力操作で拘束。拳圧だけで騰蛇を粉砕し、何事もなかったように回復した。
その後、神様との総力戦に投入。遠隔からの重力での拘束などで活躍するも、自身が最後に残った1体となったところで神様の最大技の前に倒れる。
余波に巻き込まれた夜宵を見て、自身の記憶と重ねたのか立ち上がろうとするが……。
正体についての考察
上述の通り、記憶を失っていると明言されているためどのような生前から未練を持っているのかが不明となっている。
一方で読者からは、日本三大怨霊で有名な平将門ではないかと考察されている。
- 『平将門の首塚』での反応
夜宵曰く。「将門の霊はとても弱っている」とのことだが、首塚で将門の霊の描写はなし。
それに対して、首塚に反応する宇宙人人形が描かれた
- 記事冒頭の「…もう……ひと…いく…さ…せん……」というセリフ
首を晒された将門が発したという伝説からの由来ではないかと考察されている。
- 呪いを初披露時の演出
将門は頭部を矢で射られて打ち取られている。
一方、過渡期の御霊は額に傷があり、呪いの起点となる矢が傷口から飛び出している。
また、呪い行使時、体を回復できるのに首だけで戦闘続行していた。
将門は首だけで東京を目指したという伝説がある点から類似点として見られている。
本誌最新話のネタバレ注意!
「統べて――――…」
今を以て名乗ろうではないか――――…
「新皇」
- 新皇
神様から奪ったエネルギーを過渡期の御霊に注ぎ、ついにその力を取り戻した。
神様曰く「彼が死んだことで生まれるてくるはずだった失われてしまった無数の運命が束ねれている」とのこと。
神様からも「大物」と称賛された。
登場した際の姿は馬に乗る武将といった風格。その手に持つ刀には、無数の人々の祈りが込められ、その情念が生み出す重力は神様の最大威力の技を正面突破するほど。
やはり夜宵は『平将門の首塚』で首だけの彼と出会っており、協力を取り付けていた。
明かされた過去でも、下総の国司の息子であったり、自領に逃げ込んできた藤原玄明を匿って朝敵とされたり、
「新皇」を自称したりと直接的には明言されていないが、大方の予想通り平将門の霊と思われる。
余談だが、作者の近藤憲一氏はこの話を描くにあたって、担当者の方と首塚と神田明神に参拝に行ったようである。