私の部屋の影響下に於いてなお抑えきれない破格の悪霊
隣5軒くらいまで霊現象を引き起こす可能性がある
家に置いておけないほどの束縛を必要とする霊 ゆえに———
『卒業生』———と呼んでいる
概要
ダークギャザリングの作中に置いて登場する、寶月夜宵の支配下にある霊の中でも格別に強力な力を持つ霊たちの総称。
本人の悪意の有無に関わらず隣家数軒にわたって凶悪な霊現象を引き起こす恐れがあるため、夜宵の部屋どころか寶月家では管理できず、それぞれ人気の無い場所に封印され、有事の際に戦力として回収している。
卒業生ハウスを手に入れてからは、そこで管理されることとなった。
通常の悪霊と同様それぞれ人形に封じられているが、個体によってはそれに加えてビニール袋に清めの塩とともに入れられたうえ、さらにSトンネルの霊の実体化した髪の毛で作った注連縄でぐるぐる巻きにされた状態で封印されており、その厳戒態勢ぶりから、強力さと危険性がうかがえる。
霊には言葉に宿る霊力『言霊』が強く作用する傾向にあることから、卒業生にはそれぞれ自分自身の在り方を規定する真の名前として『諱(いみな)』が与えられている。
彼らを解放、使役する際には「命令+名前」を口にすることで、ある程度その通りに行動させられる。
また、卒業生の解放については日本語で上記の言霊を発することが出来れば良いので、夜宵でなくても解放は可能。ただし全員を完全に制御できているわけではなく、卒業生によっては夜宵に対して敵意を抱いている者もいるため、使い所次第では夜宵自身やその周囲にも牙を剥く、諸刃の剣である。
卒業生一覧
作中で卒業生と称される霊は大きく分けて育成組と捕獲組の2種類存在する。
育成組は、夜宵の自室の人形に封じられている悪霊達が何らかのきっかけで共食いを行った結果生まれた霊。
現時点では、下記の2ケースによる誕生が確認されている。
・普段は相互に監視・抑止し合う悪霊達が、外的要因で均衡が崩れたことで互いを食い合う、いわば悪霊の蠱毒とも言うべき状況が発生し、その結果超越的な力を得た個体が誕生。
・一体の悪霊が他の悪霊の力を徐々に吸収することで誕生。
対する捕獲組は、各地の心霊スポットで遭遇した、最初から強力な力を持っていた霊。戦いの末に協力関係を締結した者もいれば、力尽くで支配下に置いた者もいる。
どちらも作中では「卒業生"相当"」の戦力として区別せず扱われていることが多い。
ここでは固有の諱が与えられている卒業生相当の霊のみを挙げ、諱が与えられていない、もしくは判明していない捕獲組の霊についてはダークギャザリングの記事の「霊」の項を参照のこと。
育成組
- 0期生 名称不明
夜宵が両親を喪った事故後に、入院していた病院内で作り出した卒業生のプロトタイプ。
その危険性から戦力としてカウントされていないため、仲間である螢多朗たちには存在すら明かしておらず、読者に対しても現時点(単行本13巻まで)では名前も姿も開示されていない謎の多い存在。
- 1期生 名称不明
退院後、詠子の家の養子になってから、0期生のノウハウを活かして自室で誕生させた最初の卒業生。現時点では鎧武者のようなシルエットのみが明かされており、諱や能力については不明。
- 2期生 魄啜繚乱弟切花魁(はくていりょうらんおとぎりおいらん)
CV:日笠陽子
封印を解く際の言霊は「煌めいて」。封印されている人形はキツネ。
能力は後述の鬼軍曹と同じく、自身の過酷な経験を相手に味わわせるかのような呪いを振り撒くというもので、三段階に変化する。
- 一段階目『魄啜』…触れた者が生者・死者を問わず命を啜られ老化させる炎の蝶を周囲に舞わせる。そして蝶が啜った命を糧に花魁は自身の美しさ・呪い・呪いの種類を強化・拡張していく。後述の軍曹と同時展開することにより、自動回復する軍曹をエネルギータンクにして無限に自己強化するコンボ技となる。
- 二段階目『疫病』…『魄啜』で一定量の命を啜ることで発動可能となり、花魁の血を飲むなどして体内に取り込んだ者に花魁が生前罹患していた病の病状が現れる。(病状は全身の瘤、頭痛、発熱、嘔吐、意識の混濁であり、これらは遊郭で流行していた梅毒の主要な病状である)
- 三段階目『炎上楼閣』…相手と自身を炎の廓に閉じ込め、命を糧に燃え続ける蝶で相手の命が尽きるまで燃やし尽くす。本来は花魁自身ですら自在には発動できず、追い詰められて醜くなった自身の姿を後述の「手鏡」で見ることで過去がフラッシュバックし発動する。
- 四段階目『苦界』…『魄啜』で短時間の内に急激にエネルギーを吸収したことにより、間の段階を経ずに発動した新たな呪い。足元から重油の様な液体状の霊的エネルギーを広げ、水面に映し出された者の意識のみを水中に堕とす。意識の方は花魁の味わった過去を追体験させられ、肉体の方は命を吸われてそれがまた液体状に呪いを広げていく。
生前の弟切花魁は天性の美貌を持ち、貧困の家族を救うため自分を遊郭に身売りし花魁にまで上り詰めた女性であったが、世話をしていた新造(新入りの女郎の意味)の「紅」に嵌められたことで身請け話を反故にされ、さらに病が発症し天性の美貌も失い、夜鷹にまで落ちぶれた。
その後、すっかり上の階級に登り詰めた紅と再会。彼女本人からすべての真相を聞かされ、嘲笑される。さらに醜くなった自身の姿を「手鏡」で見せつけられ深く絶望。自身を陥れた紅に復讐を誓う。最期は遊郭を放火し、憎き紅を道連れに焼身自殺した。
その後は手鏡に宿る悪霊となり、持ち主が老化する曰く付きの手鏡としてフリーマーケットで売られていたところを夜宵に買われる。
購入当初は特筆するような能力は持っていなかったが、夜宵の部屋にいた他の霊の力を吸収することで力を蓄え、1ヶ月後「卒業生」へと変貌した。
命令すれば一応言うことは聞くものの、隙あらば夜宵たちに牙をむき襲いかかってくる、危険な卒業生のうちの一体。
なお、某ゲーム風にステータスを表現するとレベル62、♀、ゴースト・ほのおの複合タイプで、れいせいな性格をしていておしゃれが大好きらしい。
- 3期生 名称不明
詳細不明。0期生と同様に存在そのものが伏せられている卒業生。
- 飛び級 殉國禁獄鬼軍曹(じゅんこくきんごくおにぐんそう)
CV:三木眞一郎
封印を解く際の言霊は「散華して」。封印されている人形は柴犬。
3期生の育成と同時期にスカウトされた善霊であり、出会った時点で卒業生に並ぶ格を備えていたため、夜宵の蟲毒部屋は通過していない。故に飛び級として数えられる。後述の捕獲組に近いポジションの存在だが、11巻のおまけページでは育成組に含めて紹介されていたため、本記事でもこれに準ずる。
鬼軍曹自身が軍刀を用いた高い戦闘技術を持つが、それを攻撃に使うことは稀で能力によって共倒れとなる様な戦い方を好む。これは後述の彼の願望に由来する。
能力は『衰弱の祈り』。これは鬼軍曹の戦時中の極限状態を一定の範囲内に再現するというもので、三段階あり軍曹が新たな武器を抜く度に効果と範囲が拡大する。ただしこの能力によって死に至ることはなく、能力を食らった者は決して死ねないまま、かつての軍曹と同じ飢餓や疲労を体験することとなる。
- 一段階目…軍曹が短刀を抜くことで発動し、開放時に地面に展開した目のような形の紋様の内側に能力を付与する。同時に筋肉質だった軍曹の肉体が痩せて服装も変化し、普通の霊なら立つことも厳しいほどの飢餓を味わわせる。
- 二段階目…軍曹がライフル銃を持つことで発動し、能力範囲は目の形から三角形に拡大、軍曹もさらに痩せて髪の毛が伸び、普通の霊はもはや動くことさえままならない。
- 三段階目…軍曹が手榴弾のピンを抜くことで発動し、能力範囲は三角形から円形へと拡大、この段階では軍曹すら立つこともままならぬほどに衰弱し、他の者は呼吸する筋肉すら動かすことが困難になる。そして軍曹に取り憑いた水を求める悪霊に血を吸われ、何もできなくなるほどに衰弱するが死が訪れることは決して無い。
- 零式…軍曹が軍刀を振るう直接戦闘形態。従来の様に軍曹が衰弱することはなく高い白兵戦能力を有する。その刃は『衰弱の祈り』を集約したものであり、一太刀入れるだけで相手には即死レベルの衰弱が訪れる。軍曹が追い込まれることで軍刀は巨大な単眼を有する大刀へと変化するが、それについては夜宵も詳細を把握していない。
上述のような能力となった理由は、軍曹が生前も霊となった後も人間離れした不死身の肉体を持つ故であり、敵兵の霊に取り憑かれ、周囲の無害な霊達にまで被害が及んでも「霊としての死=成仏」ができず苦しんでいたことが、自身を死に至らしめる究極の衰弱状態を作り出し『衰弱の祈り』の目覚めに繋がった。
アニメでは生前の様子が描かれており、敵味方も乾き飢え戦いがいつ終わるのかと悲観しながらも戦う様子が描かれた。
また旧I水門の霊、月蝕尽絶黒阿修羅戦では遅効性の呪いの大僧正と違い、戦闘での相性は良かったものの、夜宵から「女子供に甘い」と言われており、当てにならないとされていた。
なお、某ゲーム風にステータスを表現するとレベル60、♂、ゴースト・どくの複合タイプで、わんぱくな性格をしていて打たれ強いらしい。
- 4期生 邪経文大僧正(じゃきょうもんだいそうじょう)
CV:宮田浩徳
封印を解く際の言霊は「弔って」。封印されている人形はクマ(頭部のみ)。
螢多朗が夜宵と関わり霊を集め始めてから初めて誕生した卒業生。
聞いたものを強制的に地獄へと堕とす経文を読み、霊も生者も関係なく成仏させる。
聞こえさえしなければいいため序盤は耳を塞いだり大音量で音楽を聴くなどで対処可能だが、段階が進むと大僧正だけでなく周囲の生物や霊、さらには死体にまで強制的に経文を唱えさせる様になる。そして唱えさせられた者はたとえ耳を塞ごうとも自身の唱える経文を骨伝導で強制的に聞かされることとなり、大僧正の封印以外での対処が不可能となる。
なお、某ゲーム風にステータスを表現するとレベル60、♂、ゴースト・フェアリーの複合タイプで、なまいきな性格をしていて好奇心が強いらしい。
- 特殊学級 超越地蔵
封印されている人形は7体の地蔵が並んだ地蔵の置物。
夜宵が悪霊集めの最中に取り憑かれた7体の地蔵の霊を、専用の蟲毒部屋で共食いさせることで生まれた1体の地蔵。ちなみに取り憑かれた経緯については、強い悪霊を封じていた地蔵たちを破壊したことによるもの。
作中では未だ解放されていないが、強さについては「卒業生よりもやや強い」とされており、「悪霊の捕獲」という夜宵の主目的を達成できなくなるため、夜宵は彼の解放もとい出獄には特に消極的。
- 宇宙人人形の霊改め過渡期の御霊
序盤から夜宵に使役されていた落ち武者のような容姿の霊。封印を解く際の言霊は「崩して」。
記憶を失くしているためその素性の詳細は不明だが、かつては強大な霊であったことを匂わせる台詞を夜宵が語っている。
戦いの場を求め続けているということもあり、それを用意し続けることを条件に夜宵の指揮下に入るという協力関係にある。
悪霊を食べ続けたことで徐々にかつての力と記憶を取り戻しつつあり、未完成でありながら卒業生に匹敵する圧迫感を持つ強力な霊であることから「過渡期の御霊」(かときのみたま)と名付けられた。
能力を使用せずとも直接攻撃だけで大抵の悪霊は一撃で倒せる、拳を放った際の衝撃波だけで地割れと見紛うほどの破壊を引き起こすなど、破格の攻撃力を誇る。
能力発動時は頭部から一本の矢が飛び出し、その矢を中心に発生する空間が歪む程の重力で対象を捉え、同時に矢が飛び出した傷口から流れる血が地面に平安京に酷似した陣を描く。
重力の正体は幾重にも折り重なった人の情念であり、地震のような振動と共に重力は増しやがて対象を押し潰す。
捕獲組
CV:早見沙織
H城址に住まう地縛霊。封印を解く際の言霊は「絶って」。封印されている人形はゾウ。お神酒が好き。
本来はかつてH城で起きた悲劇を後世に伝えることが目的の善霊であったが、夜宵達と戦った際には何者かによって設置された呪物の影響で悪霊化しており、夜宵に救われたことで協力を誓う。この際に自身の着物の帯を渡しており、こちらの帯を介して召喚することも可能。
無数の手で触れることにより対象を切り裂き、不治の傷を与える能力を持つ。
- 旧Fトンネルの霊改め斎弄晒レ頭(さいろうされこうべ)
CV:松岡禎丞
封印されている人形はサル。
肝試しに旧Fトンネルに来た人間などを捕まえて拷問し、最後は顔の皮を剥いで自分で被ってから相手を殺害する異常かつ危険な悪霊。武器である斧と優れた身体能力による非常に高い攻撃力に加えて、異常なまでの耐久性を有しており、鬼軍曹の祈りにも二段階目まで耐えることができた。
戦いの末に倒されたあと、過渡期の御霊に喰われるか夜宵の支配下となり助かるかの選択を迫られるが、倒されてなおこれからも人を殺し続けることを望み、己の欲望のために封印され助かる道を選んだ。
反省や後悔といった面も一切見せなかったため、他の悪霊達とは異なり、四肢と頭部に釘を刺した状態の人形に封じられ、苦痛を味わい続けることとなる(物に憑く霊は物の状態に同調するため)。
また、夜宵に封印された後も通常の悪霊と同じ扱いは許されず、他の卒業生にも匹敵するフィジカルの強さながら、自我を奪われ、その頑強さを活かした身代わり人形としてのみ使役される存在となった。
- 旧I水門の霊改め月蝕尽絶黒阿修羅(げっしょくじんぜつくろあしゅら)
CV:織田碧葉
旧I水門に地縛されていた少年霊。封印を解く際の言霊は「盈(み)たして」。封印されている人形はライオン。
所持しているスケッチブックに描かれた人間や霊を透明な腕によって水門に吊るし、さらにスケッチブックの絵を塗り潰すことで塗りつぶされた部位が肉団子に変換され、少年霊はその肉団子を食べて自身を強化・回復する。
その正体は継母による虐待の末に旧I水門で殺された少年の霊であり、その前に実父と継母の間男も殺害されている。継母は死体処理の方法として、遺体を肉団子にして少年に捨ててくるよう渡しており、少年は空腹のためにそれを実父と知らず食べてしまったが、死後霊となった際に自身と間男の死体を肉団子にする継母の姿を見てかつて食べた肉団子の正体に気づいてしまい、実父への罪悪感と継母への憎悪から悪霊化した。悪霊化してからは全ての顔が継母に見えてしまうようになり、継母への憎悪から無差別に霊や人間を食べるようになった。
夜宵達に敗れた後は悪霊のみを食べるという約束で封印され夜宵の所有霊となった。
夜宵の所有霊となってからはスケッチブックを介しての意思疎通が可能となり、夜宵から敵味方の区別を特定の香水の匂いを「味方」と覚えさせることで可能としつつ、その他にも様々な戦略の指導を受けたことで、卒業生の中でも最強クラスの力を持つようになった。また、上述の全ての人間が継母に見える問題はあるが、人格的には醜悪という訳ではなく、一時的に自分を使役した詠子に敵の悪霊の能力を防ぐ為の耳栓をしてもらった際には僅かに笑みを浮かべるなど、根底から弟切花魁や斎弄晒レ頭のような凶悪さを持つ訳ではない。
能力はスケッチブックを用いて漆黒の腕を操り敵を攻撃することであり、腕を様々な形状に変化させることで多種多様な能力を編み出している。
- 第一形態『常(じょう)』…通常状態の姿であり、この状態だと普通の子供の姿をしている。しかし、この姿の本質は光の屈折を利用して物理的に自分そっくりな虚像を作り出し、霊能者ですら一般人にしか見えない精巧な擬態によって他者を欺く点である。日中であっても気配を隠し、この姿で周囲の人間を欺くことが出来る。
- 第二形態『血(けつ)』…この段階に進むと悪霊としての姿を現し、白目と黒目が反転した目となり、目や口から血液が滴り落ちる悍ましい姿となる。この段階になると上述のスケッチブックを用いた能力を行使するようになる。スケッチブックに描かれた対象の体を黒く塗りつぶすことで対応する部位が削り取られてその質量が肉団子に変換し、少年霊の手元のタッパーに肉団子が出現しその肉団子を捕食することで自己強化を発生させる。『身代わり』という防御手段が使えない悪霊達にとっては特攻とも言える性能を持ち、呪いの起点であるスケッチブックを少年の手から落とすなどして対処しないかぎり解呪はされず、『卒業生』ですらで一方的に倒されかねない凶悪さを持つ。作中ではテレビ出演していた有名霊能力者(に成り代わった悪霊)でも手も足も出させず瞬殺した。唯一の欠点はスケッチブックが少年の手元になければ呪いが発動出来ず、スケッチブックを捨てさせられれば即死の呪いからは一時的に逃れられる。
- 第三形態『纏(てん)』…漆黒の腕を全身に布のように纏い、背部からは4つの巨大な腕を構成するようになり、合計で6つの腕を持つことが名前の由来でもある。この形態は攻防力と耐久力を向上しつつある程度の機動力を維持している。反面、不可視の攻撃ではなくなったのと、腕が届くまでの距離にしか攻撃出来ないという欠点も生じている。
- 第四形態『業(ごう)』…全身の布の厚さが減る代わりに背部の4つの腕が肥大化し、防御力を落とす代わりに攻撃力と機動力を底上げした形態。
- 第五形態『哭(こく)』…これまでの布を纏ったような形態とは異なり、鎧を纏ったような姿となり、背部の4つの巨腕はより鋭角的に変化する。
- 第六形態『蝕(しょく)』…これまでの人型形態とは異なり、巨大な漆黒の球体の中に血(けつ)の状態の黒阿修羅を格納することで外部からの攻撃を完全に遮断しつつスケッチブックを用いて敵を葬ることが出来る攻防一体の形態。そして、黒阿修羅最大の弱点であるスケッチブックを気にせずに戦闘を継続出来るという最大の利点がある。
- 第七形態『殲(せん)』…蝕(しょく)の状態の黒阿修羅を格納する形で4つの巨腕を持つ巨大なロボットのような装甲を形成する最終形態にして最強形態。この形態はこれまでの硬化一辺倒の形態と完全に異なり、液体金属のような剛と柔を併せ持ち、装甲の一部を液体化させ、上空から無数の雨のように降り注がせ、雨に触れた相手を消滅させる広範囲且つ回避不可避の攻撃が可能となる上、純粋な肉弾戦にも優れており、高い攻防力と機動力を発揮する。しかし、この形態の真価は黒阿修羅の攻防力の強化ではなく、遠隔操作であり、上述の装甲内部に格納されているのは黒阿修羅の分霊(分身)であり、本体は離れた位置から装甲を遠隔操作することで本体は無傷且つ安全を確保したまま敵を欺き、仮に装甲が破壊され中の分霊が倒されても、それによって安心した敵の隙を突いて確実に仕留められるというものであり、夜宵が黒阿修羅を卒業生の中でも最強と称する所以でもある。