概要
「風の獅子」・「雷の獅子」とは、『半妖の夜叉姫』で四凶の一体・渾沌が操る式神である。
いずれも狛犬のような姿をしており、深緑色をした獅子が「風の獅子」、深紅色をした獅子が「雷の獅子」であり、その名のとおり、それぞれ「風」と「雷」を操る。
渾沌は、大妖怪・冥王獣の動きを封じる不動陣を敷くために「風の獅子」・「雷の獅子」を陽動に利用して斃し、冥王獣から鎧甲を奪い取ることに成功した。
それから約50年後、砦にある銘木が気にいった渾沌は、「風の獅子」・「雷の獅子」をけしかけて砦を奪取、祠のような館を建て住みついた。
砦を奪われた武将は屍屋獣兵衛に銭一貫文(米一石が買えるほどの金額)を報酬として妖怪退治を依頼、3人の夜叉姫が派遣されることとなった。
が、当然、渾沌は自分が妖怪退治の対象となっていることではなく、報酬がわずか銭一貫文程度の妖怪であると思われたことに激怒、「風の獅子」・「雷の獅子」を3人と冥王獣の子・冥福にけしかけた。
激闘の末、「風の獅子」はせつなに両断され、冥王獣の残留思念が助太刀したことにより、鎧甲も継ぎ目が外れて渾沌は撤退した。
このようにして戦いは終わったが、「風の獅子」・「雷の獅子」はいずれも式神であることから生命まで喪っておらず、渾沌の手によって再び姿を現したとしても不思議ではない。