概要
『飛龍伝』とは、つかこうへいによる戯曲シリーズ。
全共闘の女性委員長と、機動隊隊長との恋愛を描く。
1973年に発表された後、翌1974年に青山・VAN99ホールで(平田満、故・三浦洋一、等)の出演者3人のみで上演され、80年には紀伊國屋ホールで、つかこうへい3部作の中の1本として上演され、隠れた名作として愛された。
そして1990年、当時、銀座セゾン劇場のプロデューサーであった岡村俊一との出会いによって、大劇場用にショーアップされた群衆劇へと変貌し上演され、その年、読売文学賞を受賞し、つか氏の代表作となった。
それ以降、『熱海殺人事件』『幕末純情伝』と並ぶ、つか氏の代表的な作品として愛され、これまで幾度となく上演され続けている。
ヒロインの神林美智子といえば、名立たる女優たちが憧れ続けてきた大役であり、これまでに石田ひかり、内田有紀、広末涼子、黒木メイサ、桐谷美玲、菅井友香が演じてきた。
また、最近では石田明(NONSTYLE)、味方良介、須藤公一などつかこうへい作品の常連俳優がよく出演している。
余談
- つかこうへいの作品の例に漏れず、キスシーンや胸を揉むシーンなどセンシティブな演出もあり、ヒロインの神林を演じた女優のファンにとってはかなりの抵抗感を抱くこともあるという。
- 特にそれが顕著になったのは、8代目神林美智子を演じた菅井であり、当時欅坂46のキャプテンとして在籍していたこともあって「清楚」を売りとしていた坂道シリーズのメンバーの出演に菅井のファンは当初から消極的な意見が多かった。
- そんな最中、グループの絶対的エースであった平手友梨奈らが脱退・卒業。菅井の心労を心配するファンが相次いだ中、記者会見にて「"卒業"と"脱退"の違いは何だと思いますか?」と明らかにそこで聞くことでは無いだろとツッコみたくなる質問を投げかけた記者の輩がいたものの、共演者の石田明(NONSTYLE)による「辞書で調べればわかるんじゃないですか?」という返しで何とか切り抜けられた。
- さらに、出演者の1人である須藤がTwitterに菅井へのセクハラとも取られかねない内容の投稿をしてしまい、炎上。上記のセンシティブなシーンが演出とはいえ、その事についてファンに対して挑発するような態度の投稿をしてしまった須藤は即座に投稿を削除し、謝罪コメントを出す事態になってしまった。菅井や欅坂の運営側とも和解しており、2022年に開催された菅井の卒業コンサートにもこの舞台で共演した縁からか関係者席で観覧した模様。