概要
「飾ってやるんだよ」とは、板垣恵介が1994年に週刊少年チャンピオンに載せた読切漫画『化粧師(メイカー)』に登場するキャラクター「際本」のセリフ。
『化粧師(メイカー)』とは別雑誌で連載していた板垣恵介のデビュー作『メイキャッパー』のセルフリメイクと思わしき作品で『グラップラー刃牙』の単行本13巻に収録されている。
セリフが使われた状況
バザーの開催を目前にした富沢学園では、学園最高の美女を決めるミスコンが開かれようとしていた。
各クラスごとに2名の代表者を投票で選出しなければならない。
1-Aのまとめ役である際本は、あえてクラスで最も冴えない女子である土田アザミに投票した。
生徒会室にて他生徒に理由を尋ねられた際本は…
「君たちに訊きたいンだけどさ 雑きんを虐待するとき最も効果的な方法って知ってる?」
よくわからない質問に困惑しながらも簡単だと言いながら雑巾を踏みつける他生徒。
際本は小馬鹿にした態度で雑巾を取り上げた。
「醜いモノ汚れたモノをとことんおとしめたい フフ……そんなときは……」
飾ってやるんだよ………ッ
ボロボロに薄汚れた雑巾を画鋲で壁に貼り付け、リボン等で綺麗に着飾って見せる際本。
分不相応に着飾られた雑巾は、その醜さを余計に引き立たせているように見えた。
その説得力に圧倒された他生徒は、際本の悪知恵を「オマエ悪魔じゃねぇーの?」と絶賛。
クラス全員にその意向を伝えた結果、土田アザミは代表者として選出されてしまった。
余談
掲載作品そのものはマイナーではあるものの、刃牙シリーズではない板垣恵介作品の名シーンとしては有名で、デビュー作であるメイキャッパーのセリフと勘違いする人も多い。
雑巾を飾り付けるというシュールな光景もさることながら、醜いものを効果的に貶める方法の比喩として完成度が高く、後の時代でもたびたび引き合いに出される。
2020年以降はルッキズムに対する過剰なポリティカル・コレクトネスへの反証として、この場面が用いられることが多くなった。