私の夢は、自分の歌をみんなに届けて、みんなを私の世界に惹き込むことです
演:穂紫朋子
概要
2023年公開の清水崇監督のホラー映画「ミンナのウタ」に登場する悪霊。
本編開始の30年以上前に亡くなっている女子中学生。
生前、「自分の歌を、みんなに届けて、みんなを私の世界に惹き込む」という、一見すると純粋な夢を抱いていたが、その本性は善悪の常識から逸脱したサイコパスな性格の持ち主でもあり、生き物の“最期の音”を集めるという狂気じみた悪趣味がある。その集めた音をベースに口ずさむ彼女の鼻歌を一度聴いた者は呪われ、自分自身も気が付かないうちにメロディーを伝染させていく。
同じホラー作品に登場する貞子や伽椰子といったホラーヒロインは、この世に恨みや後悔を遺して現れる怨霊であったのに対し、さなは現代社会ならではの心の闇が反映され、生前からサイコパスな性格を持ち合わせた中学生という、一線を画すキャラクターなのである。
また、貞子と伽椰子は呪った相手は例外なく殺すのに対し、さなはあくまで「自分の世界に惹き込む」ことを目的としている為、呪われた者は一度はこの世から消えてしまっているが、最終的には現実の世界に戻っていると言う違いがある(ただし、続編の「あのコはだぁれ?」では、自分が書いていた歌の詩を馬鹿にした女子高生の小日向まりと、主人公の君島ほのか(生き別れた弟の恋人であり、弟をとられたくないと言う嫉妬から)を呪い殺している)。
死因
彼女は最後に自分の音を録音するために、両親を利用して首吊りを行った。
二階の部屋の扉から、首に巻いたコードを垂らし、『部屋が開かなくなったから(コードを)引っ張ってほしい』と頼み、両親に思いっきり強く引っ張らせた。さなの体はどんどん引き上げられ、重みに耐えられなくなった扉が外れ、さなは階段から転落死。両親は『娘殺し』の濡れ衣を着せられた。なお、父親は娘を殺めた事を後悔していたが母親はさなの異常性に気付いており、さなが将来息子を手にかけるのではと危惧し、コードを引っ張っていたの際も明確に殺意を持って行っていたと思われる。
あのコはだぁれ?
同じく清水祟監督のホラー映画「あのコはだぁれ?」にも登場。
生前の学校生活や家族関係について掘り下げられている。
前作にも登場した権田継俊(マキタスポーツ)の台詞から時系列的に『ミンナのウタ』の後日談だと思われる。
こちらでは、生前自身のクラスメート(糸井茂美)と、祖母(高谷トヨ)の音を録音していたことが判明。
また、弟の俊夫が生きていたことが判明する(七尾悠馬に改名し、児童養護施設に預けていた。現在は成長し、住み込みで職員として勤めている)。
娘殺しの濡れ衣を着せられた両親は生存していたが、息子を手放すことになった母親は精神を病んでいた。
また、予めカセットテープに呪う対象の音とその日の時刻を録音し、その時刻通りに相手を呪う能力を見せている。この能力は別の人物が本来呪う対象に上書きする形でカセットテープに呪われる日を宣告すると、呪いが上書きした相手に移ってしまう。
さなの歌
余談
彼女の登場する映画は、どちらも予告が『怖すぎる』とクレームが殺到したため、一部劇場で上映中止となった。
問題の予告閲覧注意