概要
鬼頭花子は、横溝正史の長編推理小説「獄門島」の登場人物である。
金田一の戦友・千万太の腹違いの妹。獄門島の網元・本鬼頭の三女で、与三松とお小夜の娘。姉に月代と雪枝がいる。
年齢は16歳。姉たちと同じく精神は未熟で育ちきっておらず、無知で世間知らず。本鬼頭の令嬢なのだが、来客(金田一)をまじえた会話に同席中も、姉たちと互いにこづきあったり、くすくす笑ったりと、落ち着いて話を聞くことができない。
分鬼頭の鬼頭志保に付け込まれて、志保が差し向けた鵜飼章三に誘惑され、いいように騙されて、家の金品を持ち出して貢いでいる。
演者一覧
映画版
テレビドラマ版
演劇版
- 進藤初香(2012年、劇団『ヘロヘロQカムパニー』第27回公演)
余談
1990年版のテレビドラマ(片岡鶴太郎主演)では月代がヒロインとしてクローズアップされているため、月夜、雪絵、花子たち三姉妹は原作とは違いまともな性格(世間知らずで内向的なお嬢様)になっていて、原作にはない金田一との交流も描かれている。
早苗曰く「彼女たちは夢の世界に生きている」の言葉通り、島や家のことには一切関わろうとせず早苗に任せっきりにして、姉たちと気ままに暮らしている。姉たち以外には心を閉ざしていたが、金田一には心を開き、短い間だが心を通わせた。それに気づいた犯人は、金田一の名前をかたって月代たちを呼び出して殺したことが犯人の口から語られていた。
金田一は事件解決後、島を去る前に、月代たち三姉妹が発見された場所にそれぞれ花を手向けて弔うように彼女たちの名前を語りかけていた。