pixivにおいては、おもに『悪魔くん』のキャラクターに付けられているタグだが、オリジナルキャラクターも投稿される。
『悪魔くん』のキャラクターについては →鳥乙女ナスカ
伝承に伝わる鳥乙女
ペルーのカナリバムバ地方のカナリ族に伝わる伝承に登場する精霊。
大昔に大洪水が起き多くの人々が命を失った時、2人の兄弟だけがフアカクアンという名の高い山の山頂に避難して助かった。
洪水が収まると二人は川の畔に小さな家を建てて草の葉や根を取って日々を凌いでいたが、そんなある日、2人が家に帰ると不思議な事に食べ物や飲み物などの食事が用意されており、二人は大いに驚いた。
そのような事が10日ほど続いた為、兄は家にこっそり隠れて様子を窺っていると、2羽の鳥が衣服を纏って何処からともなくやって来た。近付いてよく見てみると、それは鳥ではなく美しい2人の乙女であった。驚いて思わず兄が声を上げると2人はたちまち鳥の姿になって飛び去って行った。
それからは2人がいくら待っても彼女たちは姿を見せなかったが、それから10日ほどたったある日、弟が隠れていると再び2羽の鳥が飛んできて乙女の姿になると食事の用意を始めた。
弟は物音を立てないようにそっと戸に近付くとパタリと閉めてしまった。驚いた少女たちはその瞬間に1人は鳥の姿となって外へと飛び出していったが、もう1人は閉じ込められてしまった。
弟はそっと家の中へと戻ると、彼女に今までのお礼を述べたが、美しい乙女は只々、早く外へ出してくださいと頼むばかりであった。
「そんなことをいわないで、私たちの花嫁になっておくれ」といって尚も説得を試みていたが、ちょうど家に帰って来た兄に誡められ、彼女を逃した。それから10日立ったある日、再び乙女たちが兄弟の元へとやって来くると、自分たちは天の神の言いつけでやって来た事を告げると兄弟達と結婚したのだった。
その後、2人の間には6人の男の子と6人の女の子を授かるが、この子供たちがカナリ族の始祖となったといわれている。
また、2人の乙女の鳥としての姿は「アクァ」と「トリト」、あるいは「クァカマヨ」という名の鳥で、彼女たちの衣装や髪の結い方は、カリナ族の伝わっているそれと同じであったといわれており、カナリ族たちはクァカマヨを神聖な存在として尊んでいたとされている。