概要
鶴木義浪とはわたしの幸せな結婚の登場人物である。
小説版2巻で初登場。
人物
鶴木新の祖父。
鶴木家の本邸に暮らしている。
アニメ版では、和装の高齢男性である。
素性(小説版2巻以降のネタバレを含みます)
鶴木義浪は表の世界での偽名で本名は薄刃義浪。
薄刃家の先代当主。現当主は表向きの鶴木家のこともあり新の父親(美世の母方のおじ)が務めているが、実際に取り仕切っているのは義浪である。
美世の母・澄美の父親で美世から見て母方の祖父にあたる。
薄刃家の異能を渡したくない余り(澄美の封印もあり)美世には異能が無いと思い込み手を引いた。
(美世が斎森家で酷い仕打ちを受けている間、薄刃家からの助けが無かったのもその為)
美世を斎森家からの仕打ちから守れなかったことを後悔し、美世に対し謝罪した。
美世は、清霞達から家族のように頼れと言われてもどうしたらよいかわからず、清霞に対しどっちつかずの態度を取ってしまった。その結果、清霞と引き離され(美世の夢見の異能の暴走を抑えるという理由もあるが)薄刃家に美世は留め置かれた。
薄刃家に来てから数日経った頃、義浪は「家族だから、遠慮せず頼って欲しい」旨を美世に伝える。だが美世からは「いきなり家族と言われても、困ります」と困惑され、更に、幼少の頃から斎森家の人々から疎外されて育ったため、家族とは何か理解できずにいた美世に「家族とは、何なのですか?」と問われた義浪は「君の本音を聞けて良かった」と前置きし、以下の考えを伝えた。
「今のように、自分では抱えきれなくなったものを分け合えるのが、家族ではないか?」
「君はもう、ひとりでは自分の気持ちを呑み込めなくなった。だから吐き出した」
「頼るというのは、他人に丸投げするという意味ではない。ひとりで持つには重すぎる荷物を、いくらか持ってもらうことだと儂は思う。そうして荷物を持つ苦しみを労いあい、運び終わったときの喜びをともに味わう。それを何の気兼ねもなくできるのが、家族だろう」
「呆れさせても、怒らせてもいい。よほどでなければ、家族の絆は壊れたりせん」
澄美のことは(強引に斎森家に嫁いでしまったことから)親不孝者と怒り狂ったが、許さないと思う以上に澄美のことが大事だったからと嫌いにならないと言った。澄美が斎森家に嫁いだから薄刃家は生きながらえたことや、澄美の娘である美世に会えたことを「こうして出会えて本当に幸せだ」と喜んでいた。
義浪は、美世のことを最初から己の家族として受け入れ、心の底から会いたいと願ってくれていた。そのことを知った美世は、義浪と話せたことに感謝した。
義浪との会話は、美世の本当の気持ちを改めて思い知る機会となった。