承前
胎動
セガサターンでも屈指のハード性能の限界まで挑戦した華麗なグラフィックとゲーム性、更に近未来(2015年~)を舞台にしたリアルな世界設定などで、根強いファンを獲得した第一作に始まるガングリフォンシリーズであったが、製作元のゲームアーツの諸事情、そして、求められる世界観の変化、様々な要因が同作の続編発表を困難にし続編は絶望的と思われた。ガングリフォンユーザーたちはカプコンから発売されたPS2版ガングリフォン・ブレイズを最後に同作の続編を心待ちにすることとなったのである。
絶家
PS2版としてリリースされたガングリフォンブレイズは、一種のアクションゲームとしてそれなりの高い評価を得た、加えて、世界観もこれまでの作品の延長線上の上で成り立った“歴史”として成立しうる精緻さはやはり健在であり、ヘリコプターによる補給が戦場に転がっているアイテムボックスによる補給に変わってしまった(ある意味ガングリフォンユーザーにとってそれはガングリフォンの重大な要素の否定につながるようなものではあったが)程度であったが、“製品としての問題”は特に問題はなく、新規ユーザーの開拓に期待が寄せられた。
そして、テクモからXbox版ガングリフォン・アライドストライクが発売されたとき、ファンはついに新たなガングリフォンシリーズの“旗”が掲げられたことに歓喜し、難民であったファンたちは新たな戦場で戦う翼を得た・・・はずだった・・・。
同作には致命的な欠陥があった。敵部隊の異常なダメージパラメーター(受ける方、与える方双方に)、 デザイナーの意向を無視した3Dデザイン、ミッション説明と実際のステージの異常な乖離、そして何よりもこれまでのガングリフォンの歴史が一度なかった事になってしまったという矛盾。
AWGSのデザインの変更(8メートルサイズが更に小さくなってしまうなど)、旧ガングリフォンの作品からはかけ離れた、一部のファンは嘆き、悲しみ、そしてウィキペディアにはガングリフォン1、ガングリフォン2、ガングリフォンブレイズ、と記事が掲載されているのにもかかわらず最新作は一切触れられないという結果が何を表すかは非常に明快であった。
ガングリフォンは消滅した。
だが、まだ希望はあった。
原作者という希望が・・・ファンは待ち続けた、新たなるガングリフォンを、正嫡たるガングリフォンを求めて。
しかし、現実は非情であった。原作者である宮路 武氏が平成23年に逝去、これによりガングリフォンの純正な原作は一切制作される見込みもなく、また、これの事業売却を受けたテクモに対する不信感はこの絶望に拍車をかける。ガングリフォンという戦線はここに一旦は崩壊したのである。
新たなる希望・・・HIGH-MACS_simulator
しかし、いや、だからこそ、ガングリフォンを諦めないユーザーたちは数多く残っていた。彼らはもはや続編のリリースを期待せず、まったく一から自分たちの力で“次のガングリフォン”の創造を開始した。第一作からの世界観を継ぎ、そしてゲーム性、何よりもガングリフォンであることを目指し苦節数年。ニコニコ動画にある動画がアップされる。
これこそが反撃の狼煙だったのである。
ゲーム設定
原作の世界観を継ぎ、このゲームはガングリフォンシリーズの主役機であり、開発されたばかりの12式装甲歩行戦闘車(以下12式)訓練用のシミュレータ、として設定された。あらゆるシチュエーションで、12式を手足のように動かすことを目標として全11種類の想定シミュレーションが用意され、さながら本物のシミュレータのような“トレーニングを体験できる”仕上がりとなっていたのである。ガングリフォンの世界観を継いだ以上、ヘリコプターによる補給の復活(これこそがガングリフォンのガングリフォンたる要素の復活を意味する)、そして、豊富なスペシャルモード、プレイログをアップロードしてのオンライン公開システム。さまざまな新システムを引っ提げて、新たなガングリフォンが誕生した。
ゲームシステム
ガングリフォンの特徴の一つであった単機もしくは僚機との協同、だが、当時セガサターンでは僚機に対する細かいオーダーを出すことはできず、そもそも第3作であるブレイズではそんなシステムは存在していなかった。が・・・なんと本作では最新の軍事状況に照らしあわされた“C4Is”概念による戦場のデータリンクマップを利用して・・・つまるところ複数の僚機と情報共有し、敵の情報を円滑に把握、状況によっては多数の味方機を指揮してさながらシミュレーションゲームのようなプレイも可能になっている。また、メインモニター画面のズーム機能、第2作で廃止されたIRセンサー(赤外線)による視察機能も復活し文字通り、純正のガングリフォンの集大成ともいえるようなシステム構成を以て、旧作に慣れ親しんだファンたちにも、或いはこれから始める新規ユーザーにも、ガングリフォンとは何か?という問いかけにプレイするだけで答えを得ることができる完成度を持つに至った。
登場兵器
基本的には、戦車対空車両、或いはその他の装甲戦闘車量など、これまでのガングリフォンに出てきた兵器も多数が登場している。またプレイアブル機体としては以下が設定されている。
HIGH MACS-VW1
ヤークトパンター
82式指揮通信車
AH64Dロングボウアパッチ
M19A1ブルータルクラブ
余談
ユーザーはプレイ内容をアップローダにアップすることである“特典を得ること”ができる。そしてこのゲームなんと無料である。もう一度記述する。無料である。
ここまで書いた完成度を疑うならばぜひ一度でもでもプレイすることをお勧めする。
ダウンロードサイト→興味がある方はGO
なお、ニコニコ動画にてこちらのコミュニティで不定期生放送を配信中↓
越
何故か放送中に越というユーザー名が多数湧いて出ることが定例らしく、越(量産型)という愛称がついているとかいないとか、今のところ、作成者が確認しているのは越、越’(ダッシュ)、越ターボ、越S、本家越、元祖越、偽越、など量産型の“越”が大量発生しているためどれがオリジナルなのか
は定かではない。とりあえずクアッド越とか、ダブル越とか言われているようだ。
越の由来って何・・・?
関連タグ
12式装甲歩行戦闘車 ミリタリー ガングリフォン ニコニコ動画
記事作成H27.01.12
記事改正H29.08.24