概要
LRAD(エルラド)は、アメリカ合衆国で開発された長距離指向性スピーカーである。
「音」を一方方向にだけ届かせる特殊なスピーカーで、スピーカーを指向させた方向であれば数km先であってもクリアな音が届けられる。
しかし他方向には音がほとんど聞こえないようになっており、災害現場などで無線を用いることなく的確な指示や警報、メッセージを届ける事ができる。
逆に指向性を持たず、360°に渡って大音響を響かせる防災行政用のタイプもある。
また、人間が生理的に嫌がる音を指向性を持たせて発することで、相手に攻撃の意欲を失くさせる音響兵器としても利用される。
これは暴動やデモの鎮圧に際して、従来使用してきた催涙ガスや放水銃などは相手に傷害を与える可能性があるが、LRADは傷害を与えることなく暴徒を撃退できるとして期待されている。
日本では自衛隊にも導入されており、海上自衛隊ソマリア派遣部隊が海賊対策として護衛艦「たかなみ」に搭載した。
変わりどころだと水産庁が調査捕鯨船に搭載しており、調査捕鯨を妨害するシーシェパード船にLRADを照射し、撃退している。ちなみに違法性は無いとのこと。