PCUとは、Protective Combat Uniform(プロテクティブ・コンバット・ユニフォーム)の略。
2002年エンデューリングフリーダム作戦にてアフガニスタン、ヒンドゥークシュ山脈に展開していたSOF(Special Operations Forces)隊員の「極寒環境でも対応できる被服が欲しい」という要望を受けて、ナティックにある米陸軍ソルジャー・システム・センターにおいて特別チームを編成して開発した特殊部隊に供給された被服である。
PCUは16のパーツで構成され、レベル1~7までのレイヤリング構造(要するに重ね着)を持つ被服であり、-46°から 4°Cまでの低温環境に対応する為に作られている。
その後、一般部隊に採用されたGENⅢ系の被服はこれらの開発が大きく参考にされているが、ローコストで製作されているのでその性能はPCUに及ばない。
PCUの開発において、開発チームのリチャード・エルダーは、出発点として既存の軍のシステムの代わりとして、民生品のアウトドア・ギアに目をつけた。その過程においてアルピニストのマーク・ウェイトに助言を受け、ブロック0と呼ばれる試作品を完成させた。製造においては米国内製造製品であることを国防総省に要求されている。生地にはNextec's社の Epic、Malden Mills'社のポーラテックフリースなどが使用されている。生産はORC Industriesがレベル4・5・6、SEKRI社がレベル1・2・3と7を製造した。素材提供にYKK、トラヴィス、3Mなどの各社が協力している。
75thレンジャー連隊、陸軍特殊作戦群、SEALS、CCT、PJなどの隊員に実際に着用を見られる。
参考画像は一番手前の饅頭を頬張っている娘がL5ソフトシェルジャケットを着用している。2014年頃から現在、デッドストックの放出品が出回るようになり、著しく値崩れを起こしている。買うなら今がチャンス。