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UVB-76

ゆーぶいびーななじゅうろく

「UVB-76」は、ロシア連邦(放送開始当時はソビエト連邦)から送信されている短波放送である。
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概要編集

ソ連ロシア連邦内の送信所から送信されている短波放送。

周波数は平常時4,625kHz。ただし、設備メンテナンスなどの目的か一時的に6,998kHzが使われることがある。

変調方式はAM(振幅変調)の亜種であるSSB。


保守点検のために毎日午前11時(モスクワ時間)から50分間停止する以外、ほぼ一日中、数秒おきに独特のブザー音が鳴り続ける放送を続けている。


なぜこんな放送がされているのかはで、世界中の短波受信家たちの間で議論が行われていたが……


歴史編集

初めての放送は1982年。

当初は短い電子音を流すだけだったが、1990年頃から現在のブザー音を流すようになった。


放送の一時停止やブザー音の変化などの異変は何度か起こっているが、毎回しばらくすると何事もなかったかのように元の放送に戻っている。


近年では2010年6月10日に突如音が停止したが、その後は何事もなかったかのように再開し現在も放送を続けている。


放送について編集

放送方法編集

時折雑音や職員の会話等が聞こえるため、「ブザーを鳴らす機械の前にマイクを置いてブザー音を拾う」というアナログな方法で放送されている、と推測される。


有名になってからは同じ周波数で無関係な音楽を流されるなどの電波ジャックを度々受けていたりする。


アナウンス編集

ブザー音の合間に「UVB-76」とロシア語でアナウンスされる事もあるそうだが、これがコールサインなのかどうかは不明なんだとか。


また、稀にブザー音を停止してからロシア語によるアナウンスが入ることもあるという。


送信所編集

2010年6月5日まではロシア連邦ゼレノグラードとソーネチノゴルスクの中間地点にあたる、ポヴァロヴォ近郊のヴォイェニ・ゴロドックから送信されていた。


この送信所は以前放送内でアナウンスされた為判明したそう。

ちなみに移転後は廃墟になっていたが、後にベンツの工場用地の一部になった。



何があったんだ



放送が中断された後の2010年9月からは送信所が移転した。

現在はモスクワ州ナロ=フォミンスクの第69通信基地から送信されている。


コールサイン編集

基本的に国際連合加盟国は国際電気通信連合International Telecommunication Union, ITU)という組織に同時に加盟している。ここは、国際的な電気通信の規格などの調停を行う。

この中に、主に無線通信に関する取り決めを行うITU-Rという部門があり、そこからの勧告として、ITU加盟国に存在する無線局(無線による放送局も含む)は、24時間に1回、自局のコールサインを送出する必要がある。


UVB-76から音声メッセージが発される時、必ずこれを読み上げることから、コールサインだと考えられている。


ところが、コールサインを各国が勝手に決めてしまうと大混乱になってしまうため、ITU-R勧告ではコールサインの先頭2文字をプリフィックスとして各国に割り当て、この後に各国が既定の文字列を充てている。日本はJAJS7J7Nが割り当てられている。例えば、日本テレビ放送網は“JOAX-TV”となっている。


で、ソ連時代は強権と国土の広さを持って先頭Uを独占していたのだが、ソ連解体後、幾つかの国連に加盟する主権国家となったことから、Uxは再割当てが行われ、UVウクライナに割り当てられている。


UVB-76はソ連時代に開設された局であるため、過渡措置の一環として使用することを主張するのか、それとも、ロシアとしては公に存在しないことになっている局であるため、ITU-R勧告に従う必要はないと考えているのだろうか。だったら全世界に届く短波でやるな


目的についての説編集

さまざまな説が議論されている中で、主な説を紹介する。


乱数放送説編集

国外にいるスパイへ向けて放送するのが目的、という説。

多くの音声メッセージに通話表(フォネティックコード)と数字の組み合わせがみられることからこの説が浮上した。


国内のロシア軍への通信説編集

放送用アンテナが簡易的なものであることから浮上した説。

2014年のクリミア併合直後に音声メッセージが発せられたことも根拠のひとつとされている。


また、「UVB-76」がコールサインであるとする場合、国際電気通信連合のプリフィックス先頭「U」はソ連に割り当てられていたが、ソ連崩壊後に独立した旧構成国に再割当てが行われており、先頭「UV」の割当はウクライナである。


場所取り説編集

緊急放送や軍事放送での使用を予定している周波数で、他者に周波数を占有されてしまうことを防ぐため平常時はブザー音で利用を妨害しているという説。


だが、E層で反射される短波帯で秘匿された状態でこれをやると全世界に迷惑がかかってしまう(日本の第4級アマチュア無線技士が開設する無線局の認可最大出力10Wでも世界を軽く半周する)。

実際、ソ連時代はこの放送局の存在を明かしていなかったが、早い時期から存在とおおよその送信場所は西側の民間人にも知られており、近年は愉快犯電波ジャック(より高出力の送信機で強引に割り込んでしまう行為)が度々行われている。


また、アマ無屋だと大抵ピーンと来たはずだが、現在の軍用無線として4.625MHzは帯域が確保できない。すでに1980年代後半、FM(周波数変調)では帯域(実際には音声に合わせて周波数の「帯」ができており、その「幅」)が狭すぎて実用できない(日本のアマ無用周波数帯で、短波帯(3~30MHz)でFMが使えるのは唯一28MHz帯だけである)。いわんや更に幅を取るデジタル変調など話にならない。


また、西側でも、アメリカがアマチュア無線の3.5MHz帯・7MHz帯を非公式にOTHレーダーの周波数に割り打てていたため、このレーダー送信機のウッドペッカー・ノイズ(キツツキ音)がアマ無帯にノイズとして入ってくるため、腹を立てた日本のアマ無屋がパソコンと無線機を使って追っ払っていた(当時の米軍のOTHレーダーは、他の送信機がレーダー波に近い周波数帯にいるのを検知すると、自動的に周波数ホッピングを行うようにできていた)事があり、このことからも、この説はあまり有力ではない。


また、国際非常通信帯とされる4.630MHzに非常に近い。非常事態が発生した際、無線局・放送局はこの周波数帯を極力受信しなければならないとされている(ただし、通信方法はモールス信号のみのため、日本の4アマなどのモールス信号知識を不要とするノーコード・ライセンスの従事者が開設している局は、この周波数帯を運用できないため、免許を受けている周波数帯のメインバンド(430MHz帯ならAM/SSB430MHz・FM433MHz)の受信を行う)。


機器の保守点検説編集

何らかの重要な機器から発せられるブザー音を流すことで、機器が正常に動いていることを遠隔地に知らせているという説。


モスクワ生存信号説編集

首都モスクワが何らかの攻撃を受けた等の理由でブザー音が一定時間ストップすると、軍が独自に行動できるようにするための信号、という説。

2010年6月5日までの送信所もモスクワからおよそ40kmの所に位置している他、現在の送信所もモスクワ州のモスクワ郊外に設置されている。

他にもこのブザー音を用いてデッドハンドを構築しているのでは?という説もある

デッドハンド(死の手)とは

  1. 敵国の攻撃などにより司令部が殲滅されるなどで指揮系統が利用できなくなったことをシステムが確認する
  2. システムが残軍に兵器の利用権限を付与し、反撃を可能にする
  3. 残軍が兵器を利用して攻撃した敵国などに報復を行い、国の滅亡を防ぐ

というシステムである。



電離層の観測説編集

電離層の観測に関して報告している文献中で、この電波を指している記述が発見されている。「Borok Geophysical Observatory」において行われている観測に用いられている電波として、搬送波の周波数として4.625MHz(4625kHz)という、UVB-76のそれに一致する値が示されている。この電波を、太陽活動の変化などが電離層に反映することを観測するため、電波が電離層に反射される様子の変化を比較するために用いたものである。


……なのだが、だったら別に秘匿する必要はなく、特にゴルバチョフ政権時のグラスノスチ政策で説明がなされなかったことの説明ができない。


ブザー音編集


ついに垣間見えた真の顔編集

2022年1月ごろ、西側諸国におけるUVB-76の「リスナー」達が、今までよりも遥かに頻繁に、音声による放送が行われていることに気付いていた。この頃、既にロシアはウクライナに対し、ドンバス地方の親露派支配領域の「分割」を要求していた他、ウクライナとの国境及びベラルーシ・ウクライナ間の国境に大規模な軍部隊を集結させていた。また、これによって西側諸国との関係が悪化していた。


「大規模な軍事行動の前兆じゃないのか」


この噂は2月24日、本物のものとなった。

この日、ロシアはウクライナとの実効支配領域の境界線を突破し、ウクライナへ本格的な侵攻を開始したのである。


もちろん、西側の「リスナー」達も黙っていなかった。「妨害」「報復」の名の下、実際に戦闘が始まる前から、やはりそれまでより頻繁に、電波ジャックを行った。


関連項目編集

放送 短波放送 ロシア


JapaneseSlotMachine - なんと現在の日本が運用している、恐らく防衛用(軍事用)の利用目的不明の無線送信。

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