概要
ロシア連邦内の送信所から送信されている短波放送。
保守点検のために毎日午前11時(モスクワ時間)から50分間停止する以外、ほぼ一日中、数秒おきに独特のブザー音が鳴り続ける放送を続けている。
なぜこんな放送がされているのかは謎で、世界中の短波受信家たちの間で議論が行われている。
歴史
初めての放送は1982年。
当初は短い電子音を流すだけだったが、1990年頃から現在のブザー音を流すようになった。
放送の一時停止やブザー音の変化などの異変は何度か起こっているが、毎回しばらくすると何事もなかったかのように元の放送に戻っている。
近年では2010年6月10日に突如音が停止したが、その後は何事もなかったかのように再開し現在も放送を続けている。
放送について
放送方法
時折雑音や職員の会話等が聞こえるため、「ブザーを鳴らす機械の前にマイクを置いてブザー音を拾う」というアナログな方法で放送されている、と推測される。
有名になってからは同じ周波数で無関係な音楽を流されるなどの電波ジャックを度々受けていたりする。
アナウンス
ブザー音の合間に「UVB-76」とロシア語でアナウンスされる事もあるそうだが、これがコールサインなのかどうかは不明なんだとか。
また、稀にブザー音を停止してからロシア語によるアナウンスが入ることもあるという。
送信所
2010年6月5日まではロシア連邦ゼレノグラードとソーネチノゴルスクの中間地点にあたる、ポヴァロヴォ近郊のヴォイェニ・ゴロドックから送信されていた。
この送信所は以前放送内でアナウンスされた為判明したそう。
ちなみに移転後は廃墟になっている。
何があったんだ
放送が中断された後の2010年9月からは送信所が移転した。
現在はモスクワ州ナロ=フォミンスクの第69通信基地から送信されている。
目的についての説
さまざまな説が議論されている中で、主な説を紹介する。
乱数放送説
国外にいるスパイへ向けて放送するのが目的、という説。
多くの音声メッセージに通話表(フォネティックコード)と数字の組み合わせがみられることからこの説が浮上した。
国内のロシア軍への通信説
放送用アンテナが簡易的なものであることから浮上した説。
2014年のクリミア併合直後に音声メッセージが発せられたことも根拠のひとつとされている。
場所取り説
緊急放送や軍事放送での使用を予定している周波数で、他者に周波数を占有されてしまうことを防ぐため平常時はブザー音で利用を妨害しているという説。
機器の保守点検説
何らかの重要な機器から発せられるブザー音を流すことで、機器が正常に動いていることを遠隔地に知らせているという説。
モスクワ生存信号説
首都モスクワが何らかの攻撃を受けた等の理由でブザー音が一定時間ストップすると、軍が独自に行動できるようにするための信号、という説。
2010年6月5日までの送信所もモスクワからおよそ40kmの所に位置している他、現在の送信所もモスクワ州のモスクワ郊外に設置されている。
ブザー音