短波放送とは短波帯、日本国の定義においては「3MHzから30MHzまでの周波数の電波」を使用した「音声その他の音響を送る放送」 である。SWと略されることがある。
実際には、国際電気通信条約にて使用できるバンドが決定しており、その中にはこの周波数に含まれない120mバンド( 2300 - 2495kHz )が含まれ、これも短波放送に含まれる。
詳細
基本的にラジオとして用いられる。送信形式としては振幅で情報を伝送するAMがメジャーであるが、一部の外国局を中心に情報を片側の側波帯のみで伝送しAMより省電力でエネルギー効率が良いSSBを用いることがあるが、これはAM受信機では聴取不可能となる。また、AMラジオとは異なり、ステレオ放送は存在しない。
この周波数帯においては、電波が大気圏の電離層で反射し、地球の広い範囲に伝わる性質が存在する。中国等広い国土を持つ国では国内向けの放送をこの周波数帯を用いて放送する場合が存在する。
また、電離層は太陽の活動に関連してできるため、昼間と夜間では伝播性能が異なったり、太陽嵐の影響を受けることがある。
但し、これらの性質によりこの放送は混信が発生しやすくなり、予想される時間帯や季節などにより周波数が随時変更されることがあるため、受信にはある程度情報収集を行うなどの注意が必要となってくる。
周波数
120mバンド( 2300 - 2495kHz )
90mバンド( 3200 - 3400kHz )
75mバンド( 3900 - 4000kHz )
60mバンド( 4750 - 5060kHz )
49mバンド( 5730 - 6295kHz )
41mバンド( 7100 - 7600kHz )
31mバンド( 9250 - 9900kHz )
25mバンド( 11600 - 12100kHz )
22mバンド( 13570 - 13870kHz )
19mバンド( 15030 - 15800kHz )
16mバンド( 17480 - 17900kHz )
15mバンド( 18900 - 19020kHz )
13mバンド( 21450 - 21750kHz )
11mバンド( 25670 - 26100kHz )
とびとびになっているのは伝播特性により使い分け意を行う目的とその間の周波数が業務用無線やアマチュア無線等別用途に使用されているためである。ちなみに75mと41mはアメリカ地域ではアマチュア無線に割り当てられているため使用不可能。
基本的には49mバンドよりも上の周波数を国際放送用として使用する。また49mバンドよりも下の周波数は国内放送用として用いられ、特に120mと90mは熱帯地域の放送用として用いられる。
ただしラジオNIKKEIでは31mバンドにて昼間のみ放送を行っている。
BCL
これを利用して遠距離、外国向けの放送や外国語放送が楽しむことが可能であり、これを「放送の遠距離受信」、BCLと呼び、1960年代から1970年代を中心に盛り上がった。また、放送局に報告等を出すことによりベリカードが進呈されることがあった。
余談
関連項目
放送局:ラジオNIKKEI( 国内向け ) NHK( 海外向け )