いびってこない義母と義姉
いびってこないぎぼとぎし
おつじ氏創作のオリジナル漫画、pixivコミック(comicPOOL)で連載中。
明治後期から昭和初期を彷彿とさせる、外国文化が根付いてきた頃の日本が舞台。名家の本家に引き取られた少女が様々なカルチャーギャップに面喰いながらも、淑女として成長していく物語。
おつじ氏お得意の優しい世界全開かつアクの強すぎる主要人物たちによるド親切ワールドが、読者の心をほっこりさせつつ腹筋崩壊を巻き起こす。
タイトル通り、童話『シンデレラ』の設定を踏襲したような導入から、その真逆を行く世話焼き天国に翻弄されっぱなしな主人公、高飛車な性格が若干のツンデレ風味にしかなってない義姉たち、そのやり取りを見守りつつ大胆不敵に我が子らを教育する義母と、作者の代表作『通りがかりにワンポイントアドバイスしていくタイプのヤンキー』の主人公と他の登場人物の関係性を逆転させたような構図となっている。
作者いわく妾の子が本家にいびられる展開が嫌で描いてみたとのこと。
(公式サイトより引用)
とある名家の庶子である私は、母の死をきっかけに本家に引き取られることになりました。
そこで待ち受けていたのは恐ろしい義母と義姉のはずが——!?
SNSで話題の今いちばん見守りたい、心あたたかな家族のお話を連載化!
(単行本派はネタバレ注意)
鴻蔵家
日本有数の名家。屋敷は広く隠し通路が至るところにあり、てるの部屋はすべての部屋と繋がっている。
- 中村美冶(ーみや)
CV:早見沙織(PV)
主人公。鴻蔵家当主の庶子。母の死をきっかけに鴻蔵家に引き取られることになった。
貧乏暮らしが長かったため戸惑うことばかりだが、馴染もうと努力の日々。控え目な性格で自分の意見を表明したり事は苦手。病弱な母に代わって働き詰めの生活を送っており、抑圧や隷従に慣れてしまったせいか、当初は事あるたびに叱責や追放があるのではないかと怯えたり萎縮したりしていた。
しかし、てるや姉たちが奔放に振る舞うのは独特の個性であって、自分への深い愛情が確かにあると知ってからは、徐々に鴻蔵家にも居場所を見出し始める。そして今は彼らの恩に報いるために、立派な令嬢になるべく騒がしくも満ち足りた日常を過ごしている。学校にはあまり行ってなかったが、まりかの手解きを受けて勉学に励んでいた。
衣食に苦労した過去もあってか、三姉妹の中では唯一食べ物の好き嫌いが全く無い。家に来た当初はマナーを知らないのもあり、夕飯には敷居の低いカレーライスなどを出してもらっていたが、作法を覚え鴻蔵家の食事に慣れた今は、名護が毎日作る滋養たっぷりの美食に舌鼓を打ち、「どれも美味しくて幸せ」と嬉しそうに語っていた。
華奢な見た目だが、幼少から肉体労働にも従事していためか意外と筋力がある。鴻蔵家で十分な食事が摂れるようになったことで、骨が浮いて痩せ気味だった当初に比べ、大分肉付きが良くなっている。
入学を機に正式な養子縁組を結び鴻蔵に改姓、「お母さんとの絆がなくなることはない」と前向きに捉えた。
生まれが生まれなので周囲の好奇の目が心配されたものの、授業参観で家族について書いた作文で「産みの親をなくした私に今の家族が良くしてくれた」と発表したところクラス中が涙腺崩壊し、評判を上げる事に成功した。
これについててるは、「美治の心に触れたものは応援したくなるもの」と評し、美治のクラスでは彼女の入学に否定的な意見は一件も出なかった。
体育祭が突然の雨で中止になりかけたとき「みんなの努力を無駄にしたくない」と、水浸しになった運動場の整備を始めるなど、内に秘められていた強い意志が芽生え始め、生徒会のメンバーにも注目されるようになり、学園内でも存在感が増している。
初めてのバカンスで海に行くことになるが、奉公先が荒れた海の近くだったらしくトラウマ。しかしてるに「一歩踏み出せば新たな表情が見せてくるかも」と励まされ、海の美しさを改めて知ることになった。
芸術祭では衣装係として「ミョウバンのかかった布が光ってきれいだった」と衣装に応用。
てるのアドバイスで砧打ちをしていたところ、あまりの真剣さにありさとまりかも声をかけなかった。
- 鴻蔵てる(こうのくらー)
CV:くじら(PV)
鴻蔵本家奥方、凛とした存在感と鬼気迫る雰囲気から畏怖の対象となることも。しかし実際の当人は広い懐で娘たちや周りの人々を愛する包容力に富んだ貴婦人。
「家族のあり方はそれぞれ、血縁だけが全てではない」と快く美冶を引き取った大人物で、お義母様とよんだ美冶に対し「あなたのお母様は女手一つで育てた御母堂ただ一人、私のことはマミーと呼びなさい」と家族への思いをお茶目な形で忘れないようにさせた。
使用人に対しても別け隔てなく接し、三ツ矢が掃除中にバケツに入った水をひっくり返し、名護が庇った時は「嘘はやめなさい、拭けば済むこと」だと穏便に済ませた。
また三ツ矢が母親の見舞いで早退することを知っていたので、見舞い用の花を庭園から持っていくように勧めたり、庭師の植木が梯子を踏み外し膝を痛めた際は「もう帰って結構、私の主治医を呼ぶから部屋で待ってなさい」と植木の手当を優先したりと気配りを欠かさない。
このため娘たちは勿論、周りの人々にも心底敬慕されており、社交界でもトップクラスの人望、人徳、人脈を誇る。
ありさによると寝ているところを見たことがない。
三ツ矢が苦手なものを探ろうとするも分からずじまいだったが、授業参観で数学は門外漢と判明。
体育祭では借り人競争で娘たちが自分を選んだことに思わず涙。
- 鴻蔵まりか
CV:伊藤彩沙(PV)
鴻蔵家長女、洋装で活発な性格。体を動かすのが好きで、裁縫や料理など細かい作業は苦手。
基本口や人相が悪いため誤解を招きがち。更には言葉足らずもあって初対面の美冶を怖がらせてしまったことがあり、ありさには散々ネタにされた。時に拳で相手を黙らせようとする嫌いがあり、美冶から「火力がお強い」と形容される。
野菜(特にニンジン)嫌いで食事シーンではよく付け合わせを残す。しかし人前では好き嫌いの無様を見せないように、口に入れた瞬間、水で流し込んで誤魔化している。また早食いでもあり、家族の中では食べ終わるのが一番早い。
自ら志願して美冶が学園に入学するまで行儀作法から読み書きまで教えていたほか、三ツ矢のボタンのほつれを指摘しながらも名護に叱られないように配慮するなど、母に似て面倒見が良い。顔合わせまでは、我が家の資産目当てではと美治に懐疑的だったものの、いざ顔を合わせるとすぐ庇護欲に目覚め、「美冶の可愛い瞬間を共有できるものがあればいいのに」と日々美冶に尊みを感じている。
年頃で未だにママ呼びなのは、幼い頃、器量の悪さを思い悩んでいたところ、「本家の子ではない」と耳にしてしまい、仕返しも兼ねてイタズラ三昧。てるに見つかり「私が本当の娘じゃないから冷たいんでしょ」と反発するも、「まりかは正真正銘私の娘、名家の長女として将来のために厳しくしてきたが却って苦しませることになって悪かった、親と呼びたくないのならママと呼びなさい」と言われたから。お母様と呼ぶのは一流の淑女になってからとのこと。
学園では兄弟校との交流会で運営の手腕を示し将来の足がかりにするとのことだが、生徒会メンバーとは反りが合わない様子。特に会長の定については人一倍ライバル心を燃やしている。初対面したときにまりかが荒んでたこともあって「定のせいで褒めてもらえない」と最初から喧嘩腰だった。
芸術祭は舞台に出ると張り切り、定とどちらが話題になるかで決闘することになるも勝負にならず、定とのティータイムに付き合うことに。
- 鴻蔵ありさ
CV:長江里加(PV)
鴻蔵家次女、和装で諸芸に通じた才女。まりかとは逆に体を動かすのは苦手。
まりかをイジるのが生き甲斐。しかし植木によると「幼少期はまりかにくっついていることが多く、なぜ二人が今の関係になったのかはわからない」との事。これはまりかの無自覚な不器用っぷりが顕になり、自分が姉よりしっかりしていて気働きが出来ると自覚した事で、頼れる姉というよりイイ悪戯の相手に認識が変わったせいと考えられる。
まりか同様ニンジンが苦手だが、彼女も人前で嫌いなものを残さないように、ひたすら対象を細かく切ってから口に入れることで、嫌いな味の軽減に努めている。
毎月の小遣いは全て甘味に消えているが、それは家の仕事、特に数字仕事で頭を使うため。またその収入があるためまりかより金に困る場面は無い。
美冶が来るまでは本家の末子だったこともあって妹ができるのを楽しみにしていた。
また自分を姉のように慕う弥栄子の事も可愛がっており、一緒に喫茶店に行った際に弥栄子が大人ぶって自分の真似をするのを見越し、弥栄子が苦手なコーヒーでは無く紅茶を注文するさりげない気配りを見せる。
学園では風紀委員長を務めブラウスを自由化させたとのこと。
深夜の間食や食事量が増えたことで胴回りが増えたらしく、運動が不得意なのも祟ってダイエットに苦労していたが、体育祭に向けて努力する美冶に触発され、地道に節制に取り組み見事痩せることに成功した。
バカンスで出くわした瀧子とほまれを「生徒会に貸しを作っておくのも悪くない」と招待。
芸術祭は裏方に徹し、予算を投資で増資して学級に貢献したのだが、まりかに代役をたのまれ継姉役として舞台に立つことに。
- グングニル
屋敷の護衛(犬)、愛称はグンちゃん。
初対面の美冶に吠えなかったが実は鳴けない(代わりに“ヘァッ”と妙な鳴き方をする)。まりかによると屋敷の前に倒れていた捨て犬らしく、外傷はなかったから心の問題かもとのことだが、皆には可愛がられ、今は幸せに暮らしている。
- 名護
屋敷のメイド長。糸目だがてる同様凛とした存在感。日々の記録を書き留めている。屋敷内業務から車の運転、果てはテスト勉強の講師までこなす才女。
新人メイドの三ツ矢が掃除中にバケツに入った水をひっくり返してしまった際、彼女のミスを叱りつつも騒ぎに気づいてやってきたてるに対し、自分が水をひっくり返したと庇っており、ただ厳しいだけの人物ではない。
実は新人の頃「仕事ばかりで陰気、それに大柄で怖い」と指摘され塞ぎ込んでいたが、てるには抜かりの無い仕事を評価され「私も大柄だから側にいなさい、そうすれば少しは華奢に見えるでしょう」と声をかけられたことで自分に自信が持てるように。
これ以来てるに心酔し、思いが強いあまり業務記録がてるへの思いを綴ったポエムになってしまうのが最近の悩み。
- 植木
屋敷の庭を40年任されている庭師。
恰幅のある体型に福耳と、布袋様を彷彿とさせる穏やかな人物。
- 三ツ矢
新人メイド。そそっかしい所も多いが憧れの名護に近づくために努力の日々。まりかは彼女の淹れるお茶がお気に入り。母の見舞いのため早退することがある。
関係者
- 中村ヤス
美冶の母方の祖母。「娘が先立ったことに気が動転し美冶を手放したが、庶民が名家に馴染めるわけない」と美冶を連れ戻しに来るも、てるに「馴染みの商家に年季奉公の約束でも取り付けたのか?」と指摘され退散。「いつでも帰っておいで」と美冶を案じているのは確か。
- 鴻蔵弥栄子(ーやえこ)
まりか達のいとこ、まりかやありさより年少の幼女で、美冶が見下ろすほど小柄。
「ありさを取られるのでは?」という寂しさや美冶へのジェラシーから初対面の美冶に難癖ばかりだったが、ありさに諭されお茶仲間として認めてくれる。両親も頭を下げるてるにはある種の恐怖を感じるらしく、てるの存在感に動じない美冶に「肝が太い」と感心する。
夏休み終盤に久方ぶりに登場。本人は川遊びで小麦色に焼けたが、美冶に忘れられたと思ったらしく「美冶やありさとの夏の思い出もほしい」と家に押しかけてきた。ありさとおそろいの浴衣に、てるお手製のかき氷で一応満足。
若葉(婦人会)
政界、財閥、旧家など社会的地位のある家が集う大規模な社交の場。
会長を務めるてるはその存在感から鴻鵠の母と称される。
会を取り仕切る四天王は子供の頃からの付き合い。一触即発の状態でもてるが仲直りさせてくれたらしい。
- 御厨(みくりや)
男爵夫人、婦人会四天王の一人。しきたりや秩序を重んじるため秩序の秤と称される。
婦人会の交流会で自身と同じ鯉柄の着物を着てきた女性に配慮が足りないと叱りつつ、このままでは彼女が恥をかくと自身が着替えると配慮も見せた。直後、同じ鯉柄を着てきたてるに配慮を見せるも、てるの機転のきいた提案に感銘を受ける。
日頃からてるの寛容さに惚れ込んでいる一方、美を重んじしきたりに拘らない花山とは反りが合わないことも。
定が「万事俯瞰で立ち回り、常に規律正しく厳格であれ」という教えのもと、生徒の規範や心の拠り所となったのはいいが、「定にとっての心の拠り所はいったい?」と案じている。
- 稲荷タキノ
婦人会四天王の一人。叡報女学園理事長。情報で栄えたため報せの地図と称される。
小雪の学校生活に対しては「教育者たるもの我が子びいきはいけない」と静観の構え。しかし、参観日では校内巡回を名目にクラスの様子をさり気なく見に行っている。
- 花山(かざん)
婦人会四天王の一人。華道の家元で芸道の女帝と称される。美意識が高く常日頃から生活に“美”を追求している。そのためか規則を重んじる御厨とは対立することも。
その気になれば海外王室のお抱え料理人もツテで呼べるらしい。
リルが美冶と同じクラスと知り興味を持ち、授業参観で実際に美治を見て大層気に入ったようだ。
叡報女学園
江戸時代の私塾を前身とする、まりかやありさも通う女学校。隣接する叡報学園とは男女の垣根を超え教養を深めるべく年2回交流の機会を設けている。入学試験は無く書類審査のみだが、その代わり卒業試験は大変厳しいとのこと。
授業参観後のアンケートで保護者から「名家の実子ではない美冶の入学は学園の信用低下につながるのでは?」と懸念の声が上がっているらしい。
体育祭と交流会は一大イベント。体育祭は全学年縦割りで二組に分かれ、賞品は毎年豪華らしい。
タキノの方針で「責務を果たせば権利を行使できる」を示すべく、教員として職務をまっとうし手続きを踏めば休みでも自由に設備を利用可能。
秋の芸術祭は屋台で賑わい、各界の著名人も訪れ社交界デビューした人間もいるらしい。満仲いわく「決められた規定でいかに表現するかを趣旨としており、自己負担は家柄合戦になるため規定違反」
美冶たちのクラスはジャンヌダルクを希望したが、じゃんけんで負けて竹取物語を演じることに。ちなみに、三年は合同でシンデレラ。
クラスメイト
- 花山リル
花山家の令嬢。幼少期から母同様華道で名を馳せており、海外からも注目されており、仕事で休むことも多い。
自己主張が激しく物事をハッキリ表現するタイプであり、入学初日に周りの声に気押されることなく鴻蔵と名乗った美治の心の強さは感じ取っていたものの、余り主張しない美冶の姿を「気に入らない」としてきつく当たるが、登山遠足で美冶の気配りを見て、「人知れず咲く一輪の花」と感銘を受け、一目置くようになる。
小雪に対しては学校を休みがちながらも好成績をキープしてきた努力家と評価しており、なかなか会話が続かないことを密かに悩んでいたが、小雪の発言を急かさず待つ美冶を見て、小雪との会話は「長い時をかけて咲くリュウゼツラン同様発言を待つことが大切」と気づいた。
まりかとは幼い頃から反りが合わず、二人の口喧嘩は社交界の名物らしい。
体育祭は運動も美には不可欠と意気込んでいたが仕事のため午後から応援として参戦。ちなみにこれがきっかけで応援団の創設が決まったとのこと。
夏休みも変わらず多忙のはずだが、仕事先が偶然美冶たちの保養地と同じで、仕事が終わったためビーチでばったり遭遇。同じくやってきたほまれとは家どうしの付き合いが長いものの、かつて「いらぬ口で美学を軽んじられた」と距離をおいているらしい。
芸術祭では斬新な竹取物語を作るべく、足りない予算を自己負担すると張り切っていたが、満仲に規定違反と一蹴された。しかし、本人はやりきれたので満足。
- 稲荷小雪
稲荷家の令嬢。耳の早さはありさも一目置くほどだが、口数は少なく、美冶以上におどおどした気の小さい性格。妹がいる。
その理由は情報は慎重に取り扱えとの家訓。「膨大な情報から何を話してよいかわからなくなってしまい、会話に間ができて相手を不快にさせているのでは?」と思い悩み、美冶と出会うまで友人は居なかった。真面目さの裏返しからか考え過ぎて知恵熱で入学式を欠席してしまうほど。
しかし、普段から我の強い面々に囲まれている美冶にとっては非常に話しやすく、小雪もまた自分の発言を待ってくれる美治の態度に焦らずに言葉を選べる気楽さから下の名前で呼び合うほどに親しくなった。
学園理事の家系ゆえ、祖母の頃から学級委員長を務めることがある種のしきたりとプレッシャーになっていたが、美冶の「穏やかで安心できる学級になりそう」という一言で自信を持ち委員長に立候補し当選した。ちなみに自分のペースでできるからか、筆は達者。
体育祭は体を動かすのが苦手ながらも奮闘。
夏休みは最初の3日で宿題を片付け、夜通し読書にふけった結果昼夜逆転。タキノに「体にも気を使うように」と心配された。
- 中山はづき
体育委員、リルの旧友の一人。縄跳びで転んだところに美冶が通りがかり、「体育委員なのに運動音痴ではクラスの士気に関わる」と体育祭に向けて特訓していたらしい。美冶に「無意識に目をつぶっている」と指摘され、誰かに見てもらうことの重要さに気づき、ともに特訓することになる。その後の授業でリルに向上心を評価された。しかし、委員の先輩に「体育祭では競技の審判が主な仕事」と言われたが、本人はうっかりしていたらしく、急いでルールを覚えることになり美冶も最後まで付き合うことに。
教師
- 安城桜子(あんじょうおうこ)
家庭科担当。美冶の手際の良さを褒めていた。生来の料理好き。
- 笛留間シズ(ふえるまー)
ありさのクラスの数学担当。前の赴任先で心身共に疲弊していたところを恩師を通じてタキノに救われた。
生徒会役員
名実共に生徒のトップで、校内の綱紀粛正と生徒の品行遵守に務め、行事の進行を取り仕切る。出身者は卒業後に華々しい活躍をしているらしいが、ありさによると「生徒会は1年時に学級委員長の実績が必要」。美冶に関する疑問はしばらく様子見とのこと。
有志による親衛隊が存在し、ミーハーで自由な鴻蔵姉妹の追っかけとは裏腹に、時間を厳守し団体の輪を乱さないこと、常に身なりを整え自律する、見返りを求めないという鉄の掟のもと生徒会に奉仕する。掟破りは即刻破門。
- 御厨定(ーさだめ)
御厨家の令嬢。叡報女学園生徒会長。「人を頼らば隙生まれ、やがて規律の糸切れる」という家訓のもと、眼光鋭く毅然とした態度を常に崩さない。
ありさとまりかによると「名家の厳粛さを体現した規律の化身だが、真っ直ぐな姿勢に惹かれる人間も多い」。
まりかは「幼少の頃から比較対象にされてきた」らしく、1年時の委員長選挙の際は一票差で負けた。定は初対面時に「敵意ではあるが初めて自分を見てくれた」と不器用ながらも認めている。
愛犬ヤマトとの散歩中、同じくグングニルと散歩をしていた美冶と出会う。この時は柔和でふんわりとしたにこやかな姿を見せている。学級委員長として一人で奔走する小雪を心配する美冶に「本心から与えた優しさは相手にきっと届く。君がしたいことをしてあげたらいい」と優しくアドバイスした。
(実は「他人の気持ちなんてわかるはずがない」と呟いていたが美冶には聞こえていなかった)
その後、全校集会で壇上に立った彼女の厳しい雰囲気に美冶は驚愕し、別人なのでは?と疑問が湧いた。
美冶の入学に関しては「学園に相応しくなければ自ら居場所を失うため心配無用」と静観の構え。
しかし美冶には心を寄せているような様子があり、体育祭で雨天中止を回避しようと動く美冶を見て「独断専行は許されないが私もやり遂げたいという思いは一緒」と自ら整備に乗り出す。(このとき美冶は一瞬だけ犬のお姉さんの顔に見えたらしい)
芸術祭でも注目の的、まりかと注目をかけた決闘に発展するも意に介さず王子役を熱演(瀧子いわく「不可能を可能にする器量と集中力」)。美冶に犬のお姉さんとしてお礼を言われるも「忘れろ」と一蹴、本人は「たった一人に認められて何になる」と鉄の生徒会長としてまっとうすることを決意したが、閉会式で「みんなお疲れ様」と笑顔で挨拶。決闘の要求としてまりかをティータイムに招待。
- 浦ハチ
生徒会副会長。定同様厳しい口調。縦巻きロールの二つ結びにした髪が特徴。稲荷家と双璧をなす情報筋の家系。ありさとまりかによると手段を問わない交渉術。
美冶の入学に否定的な意見が寄せられる中、当の美冶が在籍するクラスからはそうした声が全く出ていないことに疑問を抱く。
生徒会の中でも特に美冶を「社交界のイロハも知らない者」と呼び辛辣な態度を取るが、定に「言い過ぎ」と嗜められた。
親衛隊によると、定とは幼少の頃からの付き合い。親衛隊への指揮も担当。
体育祭では小雪に対抗心を燃やす。
芸術祭の馴染の店が急遽出店を辞退したとあって代理を探すが交渉は難航。そんな中、買い食いする美冶たちと遭遇、たまたま持っていた洋菓子が目に止まり、店主に「新規開店のどら焼き屋ということで業者から足元を見られていたことは調査済み、安定供給を手伝う」と持ちかけ承諾を得た。美冶のこともあってか「鴻蔵に借りを作るとは・・・」と本人は複雑な心境。
本番当日は定とまりかの決闘に際し、「挑発に乗る必要はないが、面倒を排除するなら構わない」とどこまでも定に尽くす姿勢。
- 小鳥遊ほまれ(たかなしー)
生徒会書紀。おっとりした“お嬢様”らしい温和な性格。茶道の家柄。「人間に生まれは関係ない。全てに慈愛を持つべき」という思想の持ち主。
体育祭では多忙なメンバーのために母の手料理を振る舞う。体育祭の差入れが凄まじいカロリーであろうドデカ肉丼だった辺り、かなりの健啖を思わせる。
(実は調理実習の前日譚で彼女の母と思しき人物がてる謹製の味噌を欲していた)
親衛隊によると、生徒会イチ親しみ易い人柄で、頻繁に差し入れをくれる。
旅行編で別荘に水瀬とともに登場。家族全員旅行が趣味だが地図が苦手。
ケンカが嫌いでありさとまりかの口論を泣き落としで止めた。「泣くのは私だけで十分」とのことだが、その理由は茶の心でもある和敬静寂(調和を重んじ、互いを敬い心穏やかに平静を保つこと)。そのため、美冶は生徒会の中では親しみやすいと好感触。しかし、リルは「そんな人間ではない」と怪訝な表情。本人曰く喧嘩の仲裁を続けた結果距離を置かれるようになったらしい。
しかし、美冶から「リルは無闇に人と衝突しない」と聞き、ときにはケンカも必要と悟った。
- 満仲千代(みつなかちよ)
生徒会会計。「時は金なり」と金銭と時間に厳しい人物。「美冶の入学に金銭が絡んでいるのでは?」と勘繰るも「金銭で理事長が動くことはない」と水瀬に一蹴される。
体育祭では実況担当。
親衛隊によると、堅実な業務姿勢で厚い信頼を得ているそうだ。
芸術祭でリルの荒唐無稽な予算案を却下、「学園の生徒は節約を知らない生粋の金持ち」と思うところがあったらしい。
様子見に来たところミョウバンで布に光沢を出した美冶に「只者ではない」と一目置くように。
- 水瀬瀧子(みずせたきこ)
生徒会総務。糸目でボーイッシュな雰囲気の、気さくで軽妙洒脱な麗人。転びかけた美冶を咄嗟に支えたまりかと定の姿を見て「二人のあんな様子は初めて見た」と驚き、体育祭で場の空気を変えた美冶の行動力に俄然興味を持ち始める。親衛隊によると、才能は未知数で定の相談役を担う噂がある。
旅行編ではリル同様、ほまれ共々美冶たちと別荘で偶然出くわす。ほまれにはタキちゃんと呼ばれている。
「一夏の思い出作っちゃう?」と美冶を口説きにかかるがまりかに止められた。帰り際に「君は無意識に人の心を動かしていく、君なら・・・」と思うところがあったらしい。
芸術祭でまりかと定の決闘を扇動するも、本人は盛り上げたい一心で悪気はなかったらしい。
一迅社より発売
1巻:2021年5月25日
2巻:2021年12月17日
3巻:2022年8月19日
4巻:2023年2月25日
5巻:2023年10月25日
6巻:2024年5月27日
7巻:2024年12月25日
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おつじ氏のハートフルコメディ『いびってこない義母と義姉』(略して〈いびぎぼ〉)を読んでハートを掴まれました。特に、こんなにできた裕福な家族を持った父(同作には一切登場せず、ただ妻や長女の台詞からは存命中であると推測される)が、妾を持ち、しかも妾の家族にロクな暮らしをさせていなかったのはなぜか?と頭をひねり、可能な解釈を積み上げていくうちに、一人の男の半生が脳裏に浮かび上がってしまったので、せっかくだ、ええい作品にしてやれ!と、勢いだけで出来上がったのが本作です。構想1日、執筆2日。 勝手な解釈や捏造で溢れてますので、これは元々の素敵な一次作品から膨らませたただの妄想であることはご承知ください。おつじ様は何の関知もされてません。 時系列としては、大正文化華やかなりしころの1914~16年(大正三~五年)ころの東京を『いびぎぼ』の舞台と想定し、そこから逆算して出来上がっております。てる50歳、まりか18歳、ありさ17歳、美冶14歳としたのはまったく物語の都合からです。10,659文字pixiv小説作品