概要
クネルペトンともいう。
ジュラ紀後期(1億5000万年前)の中国・遼寧省に生息していた原始的な両生類で、オオサンショウウオの仲間だが、大きさは18センチくらい。普通のサンショウウオ(15センチくらい)よりちょっと大きめくらいであった。
名前の意味は「初期の這う動物」。
極めて保存状態の良好な化石が幼体~成体に至るまで多数見つかっており、体の輪郭や胃の中身といったものもよく残っている。その結果、チュネルペトンはアホロートル(ウーパールーパー)のように成体でもエラを持っていたこと、オオサンショウウオ科の期限は恐竜時代まで遡ることなどが確認された。元々オオサンショウウオ科は3000万年前には現れていたことが確認されていたが、一気に1億年以上も栗上がったのである。
ちなみに
輪郭や内臓が残る程良好な状態が保たれたのは、恐竜時代の遼寧省が火山活動の活発な地域であったことに由来する。噴火で飛散した大量の灰に埋まった結果、腐敗・分解が阻害され、普通なら残りにくい小動物や昆虫などの化石もよく算出しているのだ。
なお羽毛恐竜も遼寧省から産出したものが多く、化石や地層の状態からジュラ紀から白亜紀にかけては火山地帯に広がる森林だったと考えられている。現在は荒涼としているが恐竜時代には生き物の楽園で、化石が多産する地という点ではゴビ砂漠・北アメリカのモリソン層(通称"バッドランド")などが有名。