概要
CPUの独立して機能する演算・制御装置をコアというが、これを複数個搭載しているCPU製品をマルチコアCPUと呼ぶ。昔は複数のCPUを並列動作させるプログラムを書くのが面倒くさかったので、「パイプライン」といって処理を小分けにして高速動作させる手法や、「スーパースカラー」といって1つのコアが複数の命令を同時処理する仕組みなどを採って高速化を図っていたが、2000年代中頃にこれが限界に達したため、コアを複数個積むようになった。
マルチコアはCPU以外のマイクロプロセッサ、例えばGPUにも適用可能な概念であるが、GPUの場合は「マルチコア」とはあまり呼ばれない。というのはGPUの場合は汎用演算に対応した当初から多数のコアを搭載するのが当たり前だったからである。
マルチコアCPUが出始めた2000年代後半ごろには2つのCPUコアを搭載した製品を指して「デュアルコア」などという言葉がよく聞かれたが、今時のパソコン用CPUは最低でも4つのコアを搭載しているため、4コアとか10コアとか言うことはあっても、あえてマルチコアとは呼ばれることはほとんどなくなった。スマートウォッチですら大抵は64ビットのCPUコアを2つ積んだSoCを使っている。