ルチパウ
るちぱう
初登場は二人共第323話(コミックス34巻収録)。
共にガレーラカンパニー1番ドッグに所属している同僚関係で、ルッチは木挽き・木釘職職長、パウリーは艤装・マスト職職長を務めている。
寡黙なルッチと陽気なパウリーは一見すると正反対の人間に見えるが関係は悪くなく、むしろ仕事の時はなにかと共に行動している場面が多い。
パウリーが(フランキー一家に奪われかけた)ルフィ達の所持金をネコババしようとした際はルッチが彼を回収しその所業を叱責。その後、諦め悪く麦わらの一味から謝礼を求めるパウリーに、ルッチが金槌で殴って制裁。喧嘩に発展するが、ガレーラの社長であるアイスバーグいわく「いつものことだ」だそうで、こうしたやりとりは日常茶飯事らしい。
またパウリーの回想によるとブルーノの店でカクも交えて酒を飲みかわす仲であることも明かされており、これらを合わせると実際はかなり気心の知れた良好な関係を築いていたと思われる。同僚兼喧嘩友達という関係なのかもしれない。
…という上記の関係は全てまやかしであり、パウリーが同僚だと思っていたルッチの正体は世界政府直属組織「サイファーポール」の諜報部員であり、アイスバーグから古代兵器プルトンの設計図を奪うため5年の間ウォーターセブンの職人(市民)としてその機会を狙っていたことが明かされる。
正体を明かした後、ルッチは5年間共に仕事をしてきた同僚であるパウリーを圧倒的な力でねじ伏せ、アイスバーグと共に口封じのため殺害しようする。
「悲しいが友よ…」
が、その直前でルフィの介入もあり、時間の問題もあったのか直接手を下すことはせず、二人を縛り上げて燃え盛る炎の中に放置という処置で済ませる。
その後パウリーはアイスバーグと共に命からがら館から脱出。
暴走海列車ロケットマンに密かに乗り込み、“ケジメ”をつけるため麦わらの一味と共にエニエス・ロビーに挑む。
さらに島の深部へルフィ達を突入させる際に、パウリーはロロノア・ゾロに「仲間だった」彼らへの伝言を頼む。
「あいつらに会ったら言っといてくれよ」
「てめえらクビだと」
原作ではこの時、パウリーは真っ先にルッチの姿を思い浮かべている。
…とまあ、ここまで起きた事実だけをあげると(前半で見せられた仲の良い描写も相まって)ルッチの本性の無慈悲さ・冷酷さが目立つが、よくよく本編を読み返すとルッチのパウリーに対する処遇には「?」となる場面がちらほらある。
- 設計図(偽)を持つパウリーに対し、ルッチは殺してそれを奪うのではなく終始自主的に渡すよう促している(結局パウリーはそれをよしとせず、ルッチとカクにボコボコにされているが…)
- 上記のシーンの後、(正体を明かしていなかったとはいえ)自分達を見たパウリーを口封じに殺したりせず放置。
- 正体判明後、パウリーはルッチに「おれは少なくとも 今までお前らを本当に“仲間”だと思ってた!」という言葉に対し、ルッチは「お前だけだ」と返す。
しかしこの会話の間のルッチの吹き出し台詞には非常に「間」が多く、人獣型となった姿で攻撃をする直前も「………………」とかなり長い沈黙があった。
他にも、ここまでルッチはパウリーへの攻撃を全て急所をギリギリで外している節さえあり(「たまたま攻撃が外れていただけでは?」と思われるかもしれないが、その前後ルッチはルフィやアイスバーグに対しては的確に急所を狙ってきている)パウリーに直接指銃を放った時でさえ、その攻撃は体の中心(心臓)からは大きく外れている。
ここまでくると先述した「炎の中に放置」という処置も、単なる「時間の都合」という理由だけでは片付けられないように思えてくる。
…というか、こんな甘い処置で済ませるのは暗殺者として普通に致命的ではないだろうか(ルフィ達の助けがなかったとしても二人が生き残ってたらどうするつもりだったんだ…)。
事件から二年後。パウリーはガレーラ副社長、ルッチはCP‐0で総監の座に就いた。
奇しくも両者共に出世した形だが、その道ははっきり、陽と陰といっていいほど分かれたといえる。
現在二人がお互いをどう思っているかは不明だが、副社長とはいえ一般市民として陽の当たる場所で生きていくパウリーと、闇の正義を掲げ生きていくルッチの道が再び交わる可能性は極めて低いだろう。
……の、はずだったのだが、とある事件においてこの二人が同じ日・同じ場所にいた可能性が出てきた。⇒『ONE PIECE STAMPEDE』
公式は我々をどうしたいんだ。
この二人関する有名なシーン(話)に、裏切り判明直後ルッチの「まァ謝れば許してくれるよな…?」という台詞がある。
これだけでもルッチという男の不遜ぶりがわかる言葉だが、実はこの話の中でルッチはパウリーに一言も謝っていない。
そりゃパウリーも「バカにしやがって」といいたくもなる。
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