※新幹線電車としての詳細は500系、列車愛称としての詳細はのぞみの記事をそれぞれ参照。
登場時から
1997年3月より山陽新幹線(新大阪駅~博多駅間)で運用開始、同年11月から東海道新幹線に乗り入れ東京駅~博多駅間直通運転を開始。日本の営業列車としては初の300km/h運転を行う(山陽新幹線区間で)列車であった。
カワセミを参考にしたという速さを追求した外観は単純にカッコ良く、デビューから15年以上経つ現在もその人気は衰えていない。鉄道ファンならずとも、その強烈な個性で他の追随を許さない人気ぶりを誇っていた。
新幹線電車の系列名が広く一般に注目されるようになった原点ともいえよう。
最盛期には7編成が運用につき、300系→700系とほぼ1時間おきに東京~博多間を往来していた。
鉄道ファンや子供達、そして旅行客には人気を博していた一方、東海道新幹線区間の圧倒的多数の利用者であるビジネスマンからは微妙な評価をされていた(ドアが少ないことやロングノーズ・円筒形車体が原因となる車内空間の狭さ(あくまで比較的に)が主要因)。
また、乗り入れ先のJR東海でも定員(ただし設計時に可能な限り東海側の当時の主力たる300系に合わせてはいる)やドア数など車内設備の違いのため使いづらいことがあったようである。
退役へ
上記のような事情と2007年に投入開始となったN700系の大量増備に伴う置き換えから徐々に運用を減らし、2010年2月末をもって惜しまれつつも「のぞみ」から撤退し、同時に東海道新幹線からも姿を消した。
そして東海道区間に直通しなくなったことにより輸送力過剰となるため16両編成は半分の8両に削減、翼形パンタグラフも普通のシングルアームパンタグラフに付け替えられ最高速度は300km/hから700系と同等の285km/hに引き下げられてしまう等のダウングレードに甘んじることとなった。
今は山陽区間内の各駅停車の「こだま」運用で余生を過ごす人気スターを今でも愛して止まないファン達が全盛期を偲んで付けるのが本タグである。
豆知識・エピソード
東京~博多間直通の「のぞみ」は運行開始以来約5時間程度で全区間を走破しているが、その最速は4時間49分。これは500系のぞみ登場時の記録であり、東海道区間を5分早く走れる新型のN700系が全盛の現在でも、その記録はいまだに破られていない(走行能力向上は主として品川駅・新横浜駅全列車停車や山陽区間での停車駅増加分と余裕確保等へ振り向けられている)ことから、500系のぞみこそ最強の超特急と呼ぶ声もある。