「私の美学に反します!」
記事は藤崎竜の漫画(及びそれを原作としたアニメ)のキャラクターについて掲載する。
概要
CV:石田彰
最強の宝貝・雷公鞭を持ち、最強の霊獣・黒点虎に乗る最強の道士。常に飄々としており神出鬼没、三大仙人や崑崙山・金鰲島の有力者とも繋がりがある。三大仙人の一人である太上老君の一番弟子であり、最初の話し相手であるという。
本人曰く5000年生きているらしく、物語の根幹に関わる重大な秘密にも自力で辿り着いている。
物語の序盤に太公望と戦うことになり、圧倒的実力差で太公望を撃破する。その際太公望が放った攻撃が掠り流血。生まれて初めて自分に血を流させた太公望を「骨のあるいい道士」とライバル認定し、以降何かと太公望の前に姿を現すようになる。
他人に束縛されるのを嫌う自由人だが、同時にかまってちゃん気質なので無視されると慌てて追いかけてくる一面も。
自分の美学というものを非常に重視しており、ピエロのような奇抜な格好もその美学から来ている。美学に反するものには容赦なく、特に服装を馬鹿にする者にはもれなく雷公鞭による電撃をお見舞いする(実際太公望もお見舞いされた)。
常に敬語で話すつかみどころのない物越しの人物(安能版ではもっと砕けた口調だった)。
なお、連載当時は性格や立ち位置などから某キャラクターとの類似性がよくネタにされていたが、アニメ化の際は中の人が同じとなり話題になった。
スーパー宝貝・雷公鞭
雷を発生させる宝貝。アイスクリームと鞭を合体させたような形状をしている。
仙人界の宝貝の中でも最高の威力を誇り、手加減した一撃でも中国全土の空を覆うほどの雷を発生させた。
関連イラスト
原作
元始天尊の弟子で、太公望にとっての弟弟子にあたる闡教の道士。宝貝「開天珠」を持つ。
仙術の腕前は高く、首だけでも生きることが可能だが、精神面の修行は怠っていたため性格は傲慢。師から大任を言い渡された太公望に嫉妬し、商(殷)に味方しようと太公望を誘導しようとするも失敗。その様子に気づいた闡教の南極仙翁に殺されかけるが、太公望の取りなしでその場は助かる。
しかし、これ以降太公望を逆恨みし、十天君や殷郊・殷洪兄弟、土行孫、趙公明や三人の妹たちなど多くの仙人・道士を周と敵対するように仕向け、太公望を妨害する。一度は衢留孫に捕らえられ、二度と妨害しないことを誓うもあっさり反故にし、最後は北海眼に押し込まれた。
封神演義の登場人物は、実在の中国の神格からとったものが多いが、申公豹はこの小説『封神演義』が初出である。
安能版
安能務編訳による講談社文庫版では、原作と比べて大分異なる人物となっている(訳、とはなっているものの、大幅な改変が加えられている)。
太公望を別段恨んではおらず、天界の陰謀である『天数』(原作では避けられぬ運命とされている)に逆らうために太公望に授けられた『封神計画』妨害をする。世話好きで理不尽なことを見過ごせない性分で、原作よりもかなり理性的に描かれている。闡教側に非人道的とも取れる設定が多く追加されていることもあり、彼自身が一種のダークヒーローとして、物語の解説役であり、もう一人の主人公でもあるという立ち位置となっている。『雷公鞭』を持つようになったのも、この安能版からである。
注意
上述のように原作における申公豹と、安能版や漫画版の申公豹は性格上全くの別人である。断じて最強キャラではない。もっと言ってしまえば、雷公鞭などという宝貝は原作には一切登場しない。『訳』と銘打っている安能版が広く普及したことや、それを下敷きとした漫画版がヒットしたことで、最もキャラ造形の誤解を受けやすいキャラクターとなってしまっている。
漫画における申公豹は安能務による独自解釈を受けた小説『封神演義』に登場する「ダークヒーロー」としての申公豹を更にリ・イマジネーションした者であり、原作とは完全に別のキャラであることに注意してほしい。