概要
NHKで放送された宮崎駿監督のアニメ。NHKは世界名作劇場のような作品を作りたく企画されたという。
原作はアメリカ人のアレクサンダー・ケイによる小説『残された人々』だが、冷戦の影響を強く持った暗い内容で、これを嫌った宮崎によって大幅に脚色された。
完成度の高い脚本、活き活きとしたキャラクター造形、宮崎駿お得意のメカニック描写などなど、その後のスタジオジブリ作品にも受け継がれるエッセンスを多分に含んでおり、制作から30年以上たついまでも語り継がれる不朽の名作である。
他の作家にもかなり影響を与えた作品であり、富野由悠季や押井守も作品制作の上でコナンを参考にしたことがあり、本郷みつるや井上俊之は本作を見てアニメーターを志した程である。
ストーリー
最終戦争が勃発した西暦2008年、地球は滅亡の危機に瀕していた。核兵器を上回る超磁力兵器によって大地殻変動が起こり、五つの大陸が海中に没して近代文明は滅びた。
それから20年後、地球は再び生命を取り戻しつつあった。そして「のこされ島」という孤島に野生児コナンと彼の保護者おじいが二人で暮らしていた。地球脱出に失敗し、不時着したロケットから生き延びた者達である。
そこへある時少女・ラナが流れ着いた。彼女はハイハーバーという島からインダストリアという勢力に連れ攫われかけたのだ。
初めて出会う女の子に驚くコナンだったが、ラナはインダストリアの追っ手に連れ去られ、それに抵抗したおじいが死んでしまう。悲しみに打ちひしがれるコナンに、おじいは死の間際に仲間を集め未来に向けて生きよと諭した。
ラナを探して助けるため、新しい仲間を求めて、まだ見ぬ世界に向けてコナンは旅立った。
やがてコナンは世界の運命を左右する戦いに身を投じることになる・・・。
登場人物
- コナン(小原乃梨子) - 人並み外れた身体力をもった快男児。12歳。
- ラナ(信沢三恵子) - 不思議な力を持った、聡明で気丈い美少女。12歳。
- ジムシィ(青木和代) - かなりの運動力を持ったコナンの親友。10歳。
- ダイス(永井一郎) - バラクーダ号の船長で、コナン達とは敵やら味方やら。35歳。
- レプカ(家弓家正) - インダストリア行政局長で、世界征服を目論む冷酷な男。33歳。超兵器ギガント復活をもくろんでいる。
- モンスリー(吉田理保子) - レプカの部下で、気の強い冷静な美女。28歳。
- ラオ(山内雅人) - ラナの祖父で、太陽エネルギーを開発した科学者。60歳。