人物
日本アニメーター・演出協会会員。テレコム・アニメーションフィルム顧問。
東映動画アニメーター第一期生で、日本におけるアニメの創成期から第一線で活躍し続けていた人物。
アニメーターになる前は、麻薬取締官事務所で補助職員として働いていた。
『ルパン三世 カリオストロの城』のカーチェイスシーンを担当したことで有名であり、後の作品となる『ルパン三世 風魔一族の陰謀』では作画監修を務め、彼の指導を受けた敏腕アニメーター達により「温泉街カーチェイス」と呼ばれる「画面に映るもの全てが終始とにかく凄まじく動きまくる名シーン」が生まれた。
「アニメーターは演技者である」と公言し、アニメは動いてナンボと説いている。
東映動画時代は当時新入社員だった宮崎駿の直属の上司として彼の育成に当たり、後に宮崎・高畑勲と組んで『太陽の王子ホルスの大冒険』『ルパン三世PART1』『パンダコパンダ』『未来少年コナン』『じゃりン子チエ』など多くの傑作を手がけた。
宮崎の他にも杉井ギサブローや青木悠三、月岡貞夫、芝山努、椛島義夫、近藤喜文、田中敦子、うつのみや理、貞本義行、田中達之、板垣伸など多くの著名なアニメ業界人を指導し、影響を与えた。
幼いころから汽車や自動車が大好きで頻繁にスケッチをしており、軍用車両にも造詣が深く、ジープマニアとしても有名。田宮模型のジープ型ラジコンカー『ワイルドウィリス』のデザインを手がけた他、ミリタリーミニチュアシリーズで兵士フィギュアのポーズの監修を担当した。ミニ四駆のボディを実車をデフォルメしたものにするようにアドバイスを与えたのも大塚である。
1989年から2000年にかけて『MVJ(Military Vehicle Journal)』という軍用自動車研究誌を13冊自費出版している。
晩年は一線を離れ、スタジオジブリや東映アニメーション研究所などで後進の指導に当たっていた。
2021年3月15日、東京アニメアワードフェスティバル2021の授賞式にて、同日に死去したことがスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーの口から伝えられた。享年89歳。