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「未来少年コナン」のギガント
未来少年コナンにおいて物語のトリを飾ることになった最終兵器。
西暦2008年に勃発した最終戦争において運用された戦略爆撃機で、内蔵された超磁力兵器を使用して全世界の都市を壊滅させたのみならず、ポールシフトを引き起こして五つの大陸を水没させ、未曽有の天変地異が発生し続ける大変動を引き起こし、地球を滅亡寸前にまで追いやった元凶。
アバンタイトルでは空を覆うほど展開されている様が描写されているが、ほとんどの機体は大変動による地上の壊滅と大嵐に巻き込まれて消失している。
物語の舞台の一つ、インダストリアに最後の一機が保存されており、世界征服を企む行政局局長レプカの手によって復活し、再び世界を炎に包むために飛び立った。
巨人(ギガント)の名を冠するに相応しい巨躯を誇る機体で、メインエンジン1基・サブエンジン6基による大出力により、単体で衛星軌道上まで飛行する能力を備えている。
物語の鍵となる”太陽エネルギー”を原動力としており、ひとたび飛び立てば衛星軌道上で太陽エネルギーを吸収し、理論上は半永久的に活動できる。全翼機で機首に二本の長いアンテナをもち機尾に巨大なメインエンジンがあるという姿は巨大な蛾を彷彿とさせるものであり、「毒蛾」とも仇名される。
機体各部はブロック構造になっていて、損傷した箇所は瞬時に切り離しが可能。作中ではレプカが損傷したメインエンジンと、ダイス・ジムシィが乗り込んだ後部砲塔を尾翼ごと切り離していた。
無数の実弾砲塔、機関砲塔、レーザー砲塔を持ち、機体前方下部にあるハッチの中には「超磁力兵器」こと大口径太陽エネルギー砲を持つ(設定のみで劇中未使用)。その他、非常用消火装置、侵入者用青酸ガス噴霧装置、機体先端部分の地上連絡用小型艇など装備も多岐にわたる。
巨大な機体内に素早く移動するための高速移動艇、無補給でも最大搭乗員250名が3年間生活できるだけの設備を持つなど、独立した要塞とも言える。空の城とはレプカの談。
しかし、阻止すべく飛び乗ってきたコナン、ジムシィ、ダイス船長のトリオによって内部を散々に破壊された上、備え付けられた機銃や大砲が盛大なフレンドリーファイアとなって跳ね返った(機体があまりにも巨大なため、下手に撃つと自らに命中してしまう)ことも手伝い、脱出に失敗したレプカもろとも海中に没することとなった。
どんな超兵器であろうと、結局は使う人間次第であるということなのだろう。外の敵に対しては無敵のギガントも、中で暴れる人間に対しては無力であった。
このギガントが飛び立つシーンは本作の名シーンの一つで、迫力満点な映像が展開されている。
なお、ギガントのデザインは当時としては不評を買っていた。
外見上のデザインの元ネタは、メッサーシュミット社が第二次大戦中に開発した大型輸送機Me323である。こちらもその巨体から”ギガント”の愛称で呼ばれていた。
ちなみに後の風の谷のナウシカにも、このMe323をモチーフにした大型輸送機バカガラスが登場するが、こちらはギガントのような超兵器ではない。なんちゅー脆い船じゃ…。