AMラジオ放送は京都府と滋賀県を放送対象地域とし、テレビ放送では京都府のみを放送対象地域とする特定地上基幹放送事業者。略称KBS。通称であるKBS京都と呼ばれることが多いが、正式社名は京都放送で更に遡ると近畿放送という社名だった。
放送局概略
ラジオ放送
系列 | NRN系 |
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愛称 | KBS京都・KBSラジオ・KBS京都ラジオ |
コールサイン | JOBR |
コールネーム | きょうとほうそう |
親局 | 京都(久御山町)1143KHz/20kw |
副親局 | 彦根(JOBW)1215KHz/1kw |
京都送信所は日本のAMラジオ送信所では珍しい自立式鉄塔である。
テレビ放送
番組供給系列 | 全国独立放送協議会 |
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コールサイン | JOBR-DTV |
リモコンキーID | 5 |
親局 | 京都(比叡山)23ch |
親局である比叡山送信所の送信アンテナがなぜか滋賀県方向にも向いており、滋賀県の広範囲でも直接受信可能。舞鶴中継局を介して福井県にも視聴者が居る模様。
歴史
- 1951年12月24日:日本で5番目の民間中波ラジオ局として開局。
- 1958年:京阪神急行電鉄などと共に関西テレビを開局させる
- 1969年4月1日:テレビ放送を本格的に開始。東京12チャンネル、日本教育テレビとネットワーク関係を結ぶ
- 1983年:白石英司社長が急死し、内田和隆が後任社長に就任。遺産相続段階で京都新聞社とKBS両方に70億円にも及ぶ簿外債務が発覚する。
- 1985年~1988年:簿外債務処理のためにKBSが切った約束手形が闇金融に流れる。後にイトマン事件の中心人物となった許永中に手形の回収を依頼し、手形の回収に成功。
- 1994年9月22日:給与未払いを理由に労働組合有志の手によって京都地方裁判所に会社更生法の適用を申請。事実上倒産する
- 1999年2月:更生計画に基づき減資・増資実施。京都新聞社が筆頭株主に復帰し、任天堂、ワコール、オムロン、京セラなど京都に本社を置く大手企業が出資し、新資本による新生KBS京都がスタートする。
- 2005年4月1日:地上デジタル放送(JOBR-DTV)をスタートさせる。
ラジオ放送
ラジオ大阪と共にNRNの関西地区基幹局としての地位にある。毎朝5時を起点とする24時間放送を行っているが、AMステレオ放送は行っていない。
以前は自社制作番組も積極的に放送していたが近年は減少傾向にある。
聴取難易度
エリア外聴取難易度の高さは全国でもトップクラスと思われる。(同一周波数で提供する北陸放送または南日本放送よりははるかに楽だが)
隣接する1134KHzを、関東地方では文化放送が、韓国ではKBSラジオが、それぞれ使用しているためにこれらの影響を受けると聴取は難しい。しかし両方がそこそこ入るために打ち消しあう地域では文化放送よりもKBS京都の方がクリアに聴取できることがある。
テレビ放送
フジテレビとの関係を持ち、関西テレビでネットされないフジテレビ制作番組をネットすることがある。また地方局としては珍しく独自のドラマ番組を複数手がけており、その大半が産学連携により作られたものである。
テレビ東京との関係
テレビ大阪が開局するまでは多くのテレビ東京制作番組が同時ネットで流れ、サンテレビ、KBS、TXの共同制作番組もあった。
テレビ大阪開局後は枚方中継局の遠距離受信や生駒山送信所受信でテレビ大阪が京都市などで視聴が可能になったこと、大阪府にもKBS京都の電波がスピルオーバーしていることから同時ネットは原則として禁止されたが、現在も一部の番組が時差ネットで放送されている。その数少ない番組の代表格がテレビアニメ版ポケットモンスターと妖怪ウォッチ(ただし第77話から)である。
自主制作の競馬中継番組においても関西地区以外の地域にある競馬場(中京競馬場、東京競馬場、小倉競馬場など)からの中継はテレビ東京系列各局からの映像を受ける。このためサンテレビほどテレビ東京都の仲が険悪というわけではない。そのサンテレビも一昔前と比べればテレビ東京都の関係は改善している。
UHFアニメ放送事情
電波が一応大阪府にも届いているので一部の作品がネットされることがあるが、大阪府ほぼ全域とその周辺地域一体もカバーしてしまうサンテレビに比べて放送数は少ない。ただしUHFアニメが全滅ということはなく、毎クール数本程度は放送がある。
逸話
- ケーブルテレビでの区域外再送信実施に非常に積極的で「区域外再送信同意書」をKBSからケーブルテレビ各局へ送りつけたという。普通はケーブルテレビ局から区域外再送信同意書をテレビ局へ送るものである。
- フジテレビ制作のバラエティ番組北野ファンクラブを午後10時からというゴールデンタイムに放送していた時期がある。しかもこの番組は過激すぎて度々ピー音が入ったフリートークコーナー、下ネタと稀に悪口ネタ満載の替え歌コーナーなどとてもゴールデンタイムに相応しいとはいえない番組で、それを知ったビートたけしは「こんな危ない番組をゴールデンタイムに放送しているバカな放送局がある」と番組内でコメントした。なお半年ほどで放送時間が1時間半繰り下げられている。