潜水空母とは
潜水艦が第一次世界大戦で実用化されて以来、隠密性には優れるが偵察力や攻撃力に乏しい潜水艦に航空機を搭載してその弱点を補うことは世界各国で模索されていたが、実用にこぎつけたのは大日本帝国海軍(日本海軍)のみである。
その日本海軍も搭載できたのは大半が専用の小型偵察機のみで、後に開発された伊400潜をもってしても3機という搭載数、更に搭乗員や機体の回収まで母艦が拘束されることを考えると、実用性に乏しくせいぜい心理目的の奇襲に使える程度なのは明白である。
戦果らしい戦果は伊25潜搭載の零式小型水上機が米本土オレゴン州の奇襲攻撃を敢行し森林火災を発生させた例のみ。ちなみに現在まで軍用機が米本土爆撃に成功した唯一の例である。
「潜水空母」伊400型
伊400型(とこれを補う伊13型)は通常の爆撃機に匹敵する特殊攻撃機「晴嵐」を搭載することが可能になった。これを称えて、1隻につきわずか3機しか搭載できない(伊13型は2機)にも関わらず、潜水空母と呼ばれることもある。
伊400型は終戦間際に完成し敵泊地襲撃のため出撃したが、戦闘開始前に終戦を迎え、実践を行うことなく廃棄処分された。
第二次大戦終結後
冷戦時代以降、潜水艦にミサイルを搭載することが可能になると潜水艦に有人航空機を搭載する意義は希薄となり、潜水空母が開発されることも無くなっている。
ミサイルの一種である巡航ミサイルは無人航空機の一種とも見られるため、ある意味では巡航ミサイル潜水艦は潜水空母といえるかもしれないが、ALCM(空中発射型巡航ミサイル)を搭載した爆撃機が空中空母と呼ばれないように、巡航ミサイルを発射可能だからといって潜水艦が潜水空母と呼ばれることはないだろう。
冷戦終結後、戦略型原子力潜水艦の存在意義の向上と弾道ミサイル等に使用するVLSの空きを利用し、無人航空機の発射管として利用する計画がロッキード・マーティン社とスカンク・ワークスにより進められていた。(潜水艦発射回収式多目的無人航空機、MPUAV)
発進から回収まで浮上を必要としないなど過去の潜水空母の問題点の解決はしていたが、それ以外の解決しなくてはならない問題は多く、実用化せずに計画は凍結された。
2013年にも同様の計画の実験が行われており、米海軍研究事務所(ONR)の研究により、魚雷発射管からの打ち上げに成功している。
架空、空想の潜水空母
ブラウザゲーム・艦隊これくしょん
前述の伊400の二番艦伊401の他、何名かの潜水艦娘が潜水空母に改造可能。
二次創作では空母娘がスクール水着を着用しているイラストに付けられたりしてる。
なお、海上自衛隊の帝国海軍空母の艦名を継承した潜水艦の艦これ風擬人化イラストに付けられることは少ない。(そういう運用してる訳ではないからだろうが)
紺碧の艦隊・旭日の艦隊
紺碧艦隊:『前世』の記憶を元に構築された「潜水艦隊決戦思考」により、大和型建造の予算を転用して作られた潜水艦隊。殆どの艦が何らかの航空機運用能力を持ち、規模こそ小さいもの航空機動艦隊としての機能を有している。
初期の編成は次の通り
- 特潜 伊601 富嶽号:紺碧艦隊初代旗艦。特殊水上攻撃機『雷洋』2機を搭載。
- 潜 伊500型:前世における伊400の後世版。水上戦闘爆撃機『春嵐』3機を搭載。全3隻。
- 潜補 伊700:補給潜水艦。電子水上偵察機「星電改」2機を搭載
なお全ての艦がワルター機関+ポンプ推進というチートスペックである。
- スレイブニル
後世ドイツ国が開発した奇襲用潜水空母。
鋼鉄の咆哮
- 超巨大潜水空母「ドレッドノート」
「3」に登場する超兵器。可動式飛行甲板を持ち固定翼機の運用が可能である。
なお他のシリーズ作品にもドレッドノートという名の超兵器は登場するが、航空機を扱う能力がない場合も多い(その代わり45.2cm砲を積んでたりするが)
なおプレイヤーも航空甲板を備えた潜水空母を設計運用が可能。
エースコンバット
- シンファクシ:「5」に登場する敵側の巨大潜水空母。VTOL機の運用能力を持つが航空機運用能力はむしろおまけでしかなく、真の脅威はVLSから発射される「散弾ミサイル」。
- リムファクシ:シンファクシの姉妹艦。艦載機が無人化されており、潜行中であっても発艦してくる。