概要
エックスが妖精戦争終結後に戦災復興とレプリロイド、人間の安息の地を目指して造られた国。戦禍を逃れた者が集う場所であったが、ドクターバイルの謀略によりだんだん歪んでしまう。
「ロックマンゼロ1」までの動向
前述の通り、エックスが「レプリロイドと人間の理想郷」を目指して建国したネオ・アルカディアであるが「ゼロ1」の時点でエックスのボディは先の妖精戦争で猛威を奮ったダークエルフを封じ込めるためにボディごとダークエルフを封印されてしまっていた。
その為エックスはレプリロイドの魂に相当する「サイバーエルフ」のみの存在でしかなく
ネオ・アルカディアの指揮を執るのが事実上不可能であった。(このオリジナルのエックスのサイバーエルフをサイバーエルフXと言う)
更にこの状況が長引けば「ネオ・アルカディアのリーダーであるエックスが姿を見せない」という国民感情に不信感を抱かせてしまう虞れも予想された。
これを解消すべくネオ・アルカディア政府は当時まだ幼かったものの卓越した科学者であったドクターシエルにエックスの影武者とも言える存在であるコピーエックスの開発を命令し、シエル自身も了承した。
まずシエルは最初に、サイバーエルフXを入れるボディを開発。そのボディにサイバーエルフXを入れようとするもサイバーエルフXはそれを拒み、行方をくらましてしまう。
しかたなく別のサイバーエルフをボディに組み込み新たな「エックス」がネオ・アルカディアのリーダーとなる。
このエックスこそが「コピーエックス」である。
コピーエックスは自身の行為には絶対の自信を持ち、自らの「正義」を信じて疑わなかったが、オリジナルのエックスは常に悩み、悩み続ける先に答えを見出してきた。現状のままで本当に良いのかと「悩む」事を知らないコピーエックスの思想は最もエックスから遠いものであり、暴走の危険をはらむ諸刃の剣でもあった。
やがてコピーエックスはエックスのDNAデータのクローニングにより生まれた四人のレプリロイド、
の四人から成るネオ・アルカディア四天王を率い、自らが掲げる「人間至上主義」に反するあらゆる存在を「イレギュラー」と断罪し、いかなる理由があろうとも無慈悲に排除していった。
この頃にシエルはコピーエックスの暴走に気づき、不当に「イレギュラー」と判断された者達と共にネオ・アルカディアから脱走。レジスタンスを結成しネオ・アルカディアに対抗するべく活動を開始した。
対抗とは言ってもシエルはネオ・アルカディアとの全面戦争など望んではおらず、平和的解決、対話による融和を目指していた。
しかしあらゆる面でネオ・アルカディアに遅れをとり、次第に攻撃が強まり窮地に立たされつつあった。
しかしレジスタンスはついに「伝説の英雄」である「ゼロ」が眠っている遺跡の場所を見つけ多くの犠牲を払い、ついにゼロを呼び覚ました。
こうしてレジスタンスとネオ・アルカディアとの戦いが幕をあける。
「ロックマンゼロ2」での動向とレジスタンスの動き
「ゼロ1」でコピーエックスがゼロにより倒されたためコピーエックス亡き後の指揮は四天王ハルピュイアが執っていた。
一応レジスタンス側の勝利となったが、レジスタンスのみの力ではコピーエックスの討伐には至らず最終的にゼロが単身ネオ・アルカディアに乗り込んでオトリになっている内にレジスタンスは戦力を回復すべく撤退、これによりゼロとシエルのレジスタンスは一年程離れ離れになっていたが、この間にレジスタンスは新たなレジスタンスベースの建設など着々と傷を癒しつつあった。
そして誕生した新たなレジスタンスには元ネオ・アルカディア所属であった「エルピス」が新司令官に就任したが、その行動方針はシエルの平和的解決とは真逆の軍事優先の方針であったためシエルとは衝突が絶えなかった。
その後エルピスはシエルの反対を押し切ってネオ・アルカディア本部急襲作戦「正義の一撃作戦」を実施するもネオ・アルカディアの猛烈な反撃により大敗してしまう。これによりエルピスは茫然自失しレジスタンスを脱走。
そしてダークエルフの力に魅入られついにダークエルフの封印のキーであるオリジナルエックスのボディが安置されているネオ・アルカディア最奥部にまで侵攻、ダークエルフの力を使いネオ・アルカディアの住人を皆殺しにしようとするもゼロに阻止される。ところが自身の敗北が信じられないエルピスはさらなる力を求めた結果暴走。再びゼロに倒され正気に戻った彼は自身の犯した過ちを理解しゼロに謝罪、息絶える寸前のところをダークエルフのとりなしによってサイバーエルフとなり、最後は何処かへ飛び立っていった。
「ロックマンゼロ3」での動向
コピーエックスの側近であるドクターバイルがコピーエックスを修復した「コピーエックスMk-Ⅱ」を新たなネオ・アルカディアのリーダーとした。
しかしMk-Ⅱはバイルを盲目的に信用しており、事実上バイルの傀儡であった。これによりネオ・アルカディアの実権はほぼバイルが掌握していることになる。
それを利用して四天王を幹部から除外、ダークエルフを捕獲する為にオメガを積んだ巨大ミサイルを居住区に打ち込んで壊滅させたほかシエルが作ったエネルギーを使いオメガを強化しようとしたが拒否された為再生レプリロイド率いる部隊でレジスタンスベースを総攻撃しようとするもゼロに阻止され、ネオ・アルカディア中心部でゼロと戦った後用済みとされたMk-Ⅱはバイルがボディに仕込んであったトラップでトドメを刺された。
この直後バイルはネオ・アルカディア市民に「エックス様は血に飢えた凶暴なテロリストにより殺害された」と発表。ネオ・アルカディア市民の賛同を受けネオ・アルカディアのリーダーとなる。バイルが名実共に最高権力者となったネオ・アルカディアにはバイルの暴政が敷かれ「ネオ・アルカディア」という名とその意味は最早形骸と化した。
「ロックマンゼロ4」での動向
バイルが実権を握り、ネオ・アルカディア内部ではバイルの意向に逆らう者は人間でもレプリロイドでも全てイレギュラーとして処刑されるという暴政が敷かれ、その結果彼のやり方についていけなくなり脱走する市民が現れるようになった。そのため地上で唯一自然が残り、人間が生活できると言われるエリア・ゼロを破壊すべくクラフト率いるアインヘルヤル八闘士による「ラグナロク作戦」が実行された。
しかしこれらの作戦は軍事衛星ラグナロクを完成させるための陽動作戦で、ラグナロクで地上を無差別に攻撃するというのがこの作戦の本筋であった。
だがラグナロクはクラフトにより乗っ取られ、その照準はネオ・アルカディア中心部に向けられた為多くの市民が犠牲となった(発射の直前までレジスタンスが市民の避難活動を行っている。)
しかしそれでもバイルは生きており(実際は死ねなかった)、100年前妖精戦争を終結させるためとはいえダークエルフとオメガを投入、その結果戦争は激化し人間の6割、レプリロイドの9割という多大な犠牲者を出した罪で捕えられ、自己修復機能を持つ機械の体に改造されネオ・アルカディアの外の荒廃した世界で死ぬことも許されず永遠に彷徨い続けるという過酷な罰を与えられたという自身の過去、そしてエリア・ゼロを破壊することで逃げ道をなくし、最終的に「自身が支配者となったネオ・アルカディアに住人達を閉じ込め、自分と同じ永遠の苦しみを与える」という邪悪に満ちた野望を明らかにしたのだった。そしてバイルはゼロとの激闘の末にラグナロクと共に大気圏で燃え尽きるが、この時世界中にばらまかれた彼の怨念が数百年後に新たな戦いの火種となるのだった…。