曖昧さ回避
- 古代ギリシャ語で「希望」を意味する言葉。「ἐλπίς」。→パンドラ
- 第59番小惑星。
- 「ファイナルファンタジー14」に登場するエリア。→エルピス(FF14)
- 士郎正宗の漫画「アップルシード」に登場する計画。理想郷を構築し維持する為、人類にプログラミングを施すという、一種の改造計画。
概要
CV:カシワクラツトム
ロックマンゼロ2で、研究で忙しいシエルの代わりに司令官を務めていた。やたらと前が見にくそうな前髪が特徴的。
元はネオ・アルカディアの都市管理局員のレプリロイド(形式番号TK31)で、ある時海上都市の調査中に偶然閲覧禁止データ(妖精戦争やドクターバイルの資料)を見てしまい、その咎でイレギュラー認定されネオ・アルカディアを追われてしまう。
その後、件の閲覧禁止データの名称にちなんで「エルピス」と名乗り、シエルたちのとは別のレジスタンスで活動していたが、組織がシエルたちのレジスタンスの合流したことで、指揮能力と組織運営力を買われて司令官となる。
(尚、脱走する際に彼がネオ・アルカディアから盗んできた特殊なサイバーエルフ「ベビーエルフ」はシエルに研究材料として渡され、それが本作、及びそれ以降のシナリオにも重要な役割を果たしている。)
しかし、組織の運営方針はタカ派でシエルとは真逆。
その嫉妬からか(かつて自分を見下していたハルピュイアへの私怨もある)功を急ぎ「正義の一撃作戦」を強行するが敵を知ろうとしなかったがために無残にもエルピスを残して全滅に終わる。
辛うじてゼロに救われるも、自分の無力さに打ちのめされたところをベビーエルフにつけ込まれて暴走し、ダークエルフ解放のために各地を奔走し出す。(元々は礼儀正しかった口調も、この頃から狂気染みた慇懃無礼な態度に変貌していく。)
ちからがほしい・・ちからがほしいよ・・力を手に入れ・・ネオ・アルカディアを・・人間を・・ほろぼし・・こんどこそ・・エイユウになってやるんだーーー!
そしてネオ・アルカディアの深部にまで辿り着き、ダークエルフを封印する鍵になっていたオリジナルエックスのボディを破壊……つまり前シリーズの主人公の肉体を殺害してしまう。
(制止しようとしたゼロは電磁拘束具で足止めされ、かつての無二の親友たるエックスのボディが打ち砕かれる様を眼前でむざむざと見せつけられた格好になる。その瞬間のゼロの何ともやりきれない怒りと無念の表情は、プレイヤーの心にも深く突き刺さったことだろう……。)
そしてエックスの体内からダークエルフを解放させ、その力を自らに取り込んでゼロと勝負する。
だがゼロにはかなわず、ダークエルフに「もっと力をよこせーーー!!」と叫んで第2形態へと変貌。完全に原型を留めない程の悪魔じみた姿に成り果てる。
「ギィイイイイイャァアアアアアアァァ!! モットチカラヲォォォォォオオオオッ!!」
それでも最後にはゼロに倒され正気に戻り、暴走した自分を止めてくれたゼロへの感謝と謝罪、及びシエルへの別れの言葉を遺してそのまま朽ちる覚悟を決める。
その直後、ダークエルフのとりなしでサイバーエルフとして生まれ変わり、ゼロに別れを告げて何処かへ行ってしまった。
ゼロは、ダークエルフとエルピスが飛び去っていった天井の大穴を静かに見つめ、本作の戦いはひとまずの幕引きとなった……。
主な能力・技
元々デスクワーク担当であるため、そこまで戦闘面における実力のあるレプリロイドではない。
だがベビーエルフやダークエルフの片割れの力も得てか、ハルピュイアやゼロの動きを電撃攻撃で封じるまでに至る。
ダークエルフを取り込んだ第一形態では剣によるガードや乱れ突きの他、こちらのHPを吸い取って回復する弾による攻撃等がある。
そしてクールで低めの声だったキャラとは思えないほどの断末魔のような奇声を上げ、第二形態へと変貌。
第二形態では、エリアを周回する緑色の巨大な弾の発射やワープといった技を駆使する。
第二形態で放った「もっと力を!」(モットチカラヲー)という台詞はかなり印象的。
しかし、ダークエルフで強化したとはいえ元々非戦闘用の量産型レプリロイドと伝説の英雄ゼロでは、どちらが勝ったのかは言うまでもあるまい……。
…………と言うかぶっちゃけた話、弱い(ゲーム的に)。
ゼロ1~4までのシリーズ中でも最弱のラスボスという声も……。
シナリオ的な観点で見ても、前作ラスボスが前シリーズ主人公のコピー、次作から本格活動し始める黒幕がゼロシリーズの元凶……と、極めてデカい存在だったのに対して、エルピスは元名無しの一般人に過ぎず、シナリオの中継役でしかないのもまた事実なのである。
仮にゼロを倒せたとしてもダークエルフの(一応)創造主であるDr.バイルと四天王すら歯牙にかけないオメガとコピーエックスがやって来るのでエルピスの野望は結局叶わないだろう。
対人関係
経緯は不明だがシエルのことを好いており、そのため彼女が想いを寄せるゼロには嫉妬していたが、「正義の一撃作戦」発動直前まではそこまで表に出さず、ゼロの実力自体は素直に信頼していた。
昔はネオ・アルカディア側だったので暗部を嫌と言うほど知っており、追放された件やハルピュイアから訳もなく見下されていたことを強く根に持っていたのもあってか、ネオ・アルカディア側のレプリロイドだけでなくシエル以外の人間自体も強く敵視している。
レジスタンス内では不満意見を言う者が極一部にはいたが、基本的には組織に必要不可欠な存在としてメンバーの大多数から慕われ、暴走後は心配されたりもしていた。
彼の末路について、表向きは行方不明扱いとなっている。
彼の手土産であるベビーエルフの力を応用してシエルが生み出した新型エネルギーシステム「システマ・シエル」は、ロックマンゼロ3にて重要な役割を果たしているため、この点は紛れもなく彼の功績だろう。
余談
形式番号は演者のカシワグラツトム氏のイニシャルと誕生日から取られている。
彼の代名詞とも言える「正義の一撃作戦」は、極めて無謀な作戦だったためレヴィアタンとファーブニルに嘲笑され、エルピスを助けに来たゼロはハルピュイアから「このままコイツに指揮官なんかやらせてたら無駄死にが続出するぞ」と忠告されてしまった。
(非戦闘用レプリロイドは最も弱い雑魚キャラパンテオン・ハンターにすら戦闘力で劣る)
もっとも、裏を返せば“エルピス以外に司令官が務まる者”がいなかったレジスタンスそのものにも問題があったと言える。
ロックマンゼロ3で改造カードを使うと、エルピスと思わしきサイバーエルフがベースに出現する。
と言ってもテキストは味気ない。