十干

じっかん

甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸のこと。十二支と合わさって干支を成す。

概要

十二支（地支）と合わさって干支を成すものであり、以下の10の要素（干）によって成る。

御馴染みの「コウ・オツ・ヘイ」という音読みではこのように、甲と庚、己と癸が被ってしまう。その辺をどう呼び分けていたのかは不明だが、甲と庚については、古語においては甲は「カフ」、庚は「カウ」で別々となっている。

天干（てんかん）とも言い、中国ではこの呼び方がポピュラーな様子。英語でもこれを直訳した形であるCelestial StemsまたはHeavenly Stemsという名となっている。

日常では、順位や種別や名称の代わりとしての使われ方が馴染み深い。

恵方はその年の十干によってのみ決まっている。

「干」の字は幹・肝に関連すると言う（対する「支」は枝・肢）。

「甲」～「癸」の字は、（十二支の「子」～「亥」共々）一年を通した植物の状態等に関係してるという話も。

昔、十個の太陽が交代で巡るという宇宙観があって、そこから来たという説も。

訓の「え（兄）」は陽を、「と（弟）」は陰を意味するとされる（陰陽説）。兄や弟は、（今日においても姉妹を指して兄弟ぶ事があるように）古くは性別を問わないものだったそうで、この場合もその様子。ただし、陽の干を（男性の）兄、陰の干を妹とする説も多くみられる（主に中国？　参考：鍼灸学の一考察）。

「兄弟」でちょうど「えと」となり、干支の訓はここに由来するとの事。元々は十干が「えと」と呼ばれていたと言われる事もある。（「干支」も参照）

一方の木・火・土・金・水は五行説に基づくもので、ちょうど下表のように、陰陽×五行という形になる。

ただし、陰陽×五行という事で十干が考え出されたわけではなく、十干と陰陽五行は元々別に存在し、この対応関係は後から設けられたとの事。

陰陽と五行は十二支にも当てられているが、十二支の場合、辰と戌が共に「土・陽」となっているのに対し、十干は陰陽×五行と一対一で対応しており、訓にもなっているように、殆どイコールのように結び付けられている。

陽の木や陰の火について、具体的にはだいたい以下のように解釈されている様子（参考：四柱五行推命術独学習講義教室、本当の自分ウラ・オモテ、タオの風水学教室、鍼灸学の一考察）。