概要
第14章の主人公の一人。
一人称は「オレっち」。
現在アローラで暮らしている少年。
元の出身は別の地方らしく、幼少期はアローラ在住の曽祖父とテレビ電話でやりとりする姿もあった。
ビーチでナマコブシ投げのアルバイト中、たまたま通りかかったムーンの服を誤って濡らしてしまった事で彼女と知り合う。
なおこの時は左足を骨折しており、本業は休業中だった様子。
詳しい理由は不明だが急いで１億円貯めなければならないと語っており、本業をはじめあらゆるアルバイトで稼いでいる（なお１億円の使い道を尋ねられても「ヒミツ」としか答えない）。
性格は公式でも「カラッと明るく元気」とある通り陽気で細かいことは気にせず、良くも悪くもマイペース。
加えて自覚があるかどうかは分からないが天然ボケ且つデリカシーに欠けるところがあり、その言動で度々ムーンをイラつかせてしまっている。
本職は運び屋で、通称「運び屋サン」(ちなみに運び屋とは、本来麻薬などの密輸品を輸送する犯罪者を指し、この件は配達員と呼ぶのだが、作者が無知とかは言っていけない。)
ライドギアでケンタロスなどのポケモンを呼び出し、ライドウェアを着て配達を行う。
仕事における情熱は真っすぐで、一度受け取った荷物は無傷で届けてこそ報酬を得るものであり、その為に必要なら道中トラブルでバトルもすると語っている。
但し現時点でバトルを行うのは基本仕事の為でしかなく、儲けになること以外は好もうとせずまた興味もない。
実際、ククイ博士にゼンリョク祭りのバトル大会に勝手にエントリーさせられてしまった時は
「今日、稼ぎどきなんだぜ！」と不満を漏らしており、アローラ在住にも関わらずゼンリョク祭りやしまめぐりに関する知識はほぼ皆無（他地方から来たばかりのムーンに「何も知らないのね」と呆れられるほど）。
ただ、初対面の少女の為に大事なバイトをクビ覚悟で雇い主に反撃したというのも事実であり、一応彼なりの正義感は持ち合わせている様子。今の所、明確にお金以外の目的でバトルをしかけたのはこれが唯一。
ククイ博士のことは「ダチ」と言い、かなりラフな関係性。
だがポケモン図鑑を仕事中バンバドロのフンに落としたり、川や海でも落としたり、ナマコブシの粘液がついた手で普通に触ったりなど、歴代最悪と言っていいほど図鑑に対する扱いが雑。
おかげで図鑑の分解・クリーニングで徹夜する羽目になった博士を前にしても「眠そうだなあ」と
他人事のように言うあたり特に反省している様子はない。
8話にてカントー出身であることが判明する。
アローラのキャプテン達の存在は案の定知らなかったが、カントーのジムリーダーなどの知識はちゃんとある模様。
目的
上記の通り彼が１億円という莫大な資金を必要とする理由はまだ分かっておらず、アローラにやってきた経緯なども含め目的は不明。
少なくとも幼少期はアローラに対し「珍しいポケモンが見れてワクワクする」「いつか行ってみたい」と純粋な好奇心を見せている様子だったが……。
容姿
モデルはポケモンSMの男主人公だが、帽子を横向きに被るなど容姿に多少のアレンジがされている。
タレ目とアヒル口が特徴で、作画の山本によれば「ビオラの目」＋「デントの口」らしい。
ちなみにゲーム版の男主人公がモデルの図鑑所有者で、髪にトーンが使われているのは彼が初めて。
持ち物
「運び」のために乗るライドポケモンをナンバー入力する道具。
経路に応じ「ラッシュ」「ダッシュ」「スイム」などを選択し、ボール型の転送装置で呼び出す。
働くごとに入ったお金、使ったお金を計算。
小さなバネブー型の貯金箱で、もうかるごとに貯金。
お客さんの情報を記録。ニャースとその足跡らしきマークがついている。
運ぶ荷物が人間でも通常通り記録し、ムーンの帽子に貼り付けていた。
使用ポケモン
偶然か否か、現時点で判明している手持ちはそろって猫系のポケモン。
また現在のメンバーを見る限り、NNは恐らく全員お金の単位になると予測される。
- ニャビー(NN:エン)
サンが選んだ御三家。図鑑とともにククイ博士からもらった模様。
炎は口から吐く他、背中からも噴き上げられる。
反撃のスキを与えないよう素早いフットワークでひのこを連発、燃えやすい性質の自らの抜け毛をばら撒きそれに引火など、少しトリッキーな戦術が得意。
また、相性の悪い相手でも怯まず向かっていくなど、負けず嫌いなところがある様子。
炎を使うから「炎（エン）」と思いきや、名前の由来は１億円の「￥（エン）」とのこと。
無表情の多いダラーと違い、喜怒哀楽は割と激しい方。トレーナーのサンと表情や仕草がシンクロしているコマもある。
- アローラニャース(NN:ダラー)
スカル団との戦いで使用し、ヤトウモリ２匹の同時攻撃を物ともせずに圧倒した。キメ技のネコにこばんは仕事以外での収入源にもなっている。
登場した回ではまだNNは明かされず、次の話で判明したという少し珍しい例。
サンがアローラに来てからゲットしたものだと思われるが、詳しいことは不明。（曾祖父とのテレビ電話で複数のアローラニャースが写っていたが、こちらも関係性は不明）
名前の由来はドルの現地発音「dollar」．．．ではなく、「バトルの時以外はだらーってしてるから」。
サン曰く王族の出らしく、プライドが高く額の小判が汚れることを特に嫌う。一度その怒りに触れればサン本人にも手がつけられなくなり、タイプ・体格共に不利のグソクムシャを返り討ちにするほどの力を発揮した。
なおこの２匹は仲が悪いらしく、一緒に出すとすぐに喧嘩を始めてしまう。
未知のポケモンに襲われているような危機的状況でもバトルそっちのけでお構いなし。
一応トレーナーの指示のもと連携は取れるが、喧嘩を止めるのは基本難しい。
余談
手の仕草や道具を扱う際の描写は右手・左手のどちらもあり、ラクツに引き続き両利き説がある。
また、先輩ほどトラブルメーカーというわけではないが、ストーリー中においてやたら怪我が多い。
第1話冒頭では左足を骨折中（治りかけ）、ロトムが逃げ出した時は追いかける中で崖や木から落ちて全身傷だらけ、ゼンリョクバトルでは相手のグソクムシャの攻撃を受けて左腕を骨折、など氷漬けや石化ほどではないにせよ、連載開始から未だ10話未満にもかかわらず物理的被害が異様に多い。
でも気にしてない。さすが。
なお作画の山本デブ氏によると犯罪者の日下被告から与えられたのは「サンは金の亡者、ムーンはクール」というシンプルな設定のみだったらしく、上記の容姿は「『金の亡者』と聞くとなんとなくズルくて抜け目がなさそうなイメージなのですが、日下被告の意図では逆にスキだらけのキャラにしたい、とのことだったので、人の良さそうな愛敬のある顔立ちになるようデザインしました」とのこと。
また「サン・ムーン編のキャラはみな、思ったことがそのまま外に出るタイプばかりなので、他のキャラなら『こんなセリフ言わせたら読者に嫌われちゃうかな』とブレーキをかけるところも（サンは）かけていません」、「歴代主人公の中でも一番と言っていいくらい描きやすいキャラです」とのこと。
