カタログスペック
頭頂高 | 14.9m |
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本体重量 | 7.6t |
全備重量 | 18.6t |
ジェネレーター出力 | 4,820kw |
装甲材質 | ガンダリウム合金スーパーセラミック複合材 |
スラスター総推力 | 81,840kg |
概要
形式番号LM111E02。
民間のネットワークから発展した組織であるリガ・ミリティア(以下、LM)が「Vプロジェクト」に従い開発した初のモビルスーツ。Vガンダム開発のためのテスト機をベースに量産型として開発された。
しかし、ガンイージの開発スタッフにはサナリィ出身の技術者も含まれており、サナリィのサイド2支社がザンスカールに接収されている関係上、敵対勢力への情報漏洩防止のために開発番号の偽装が行なわれることとなった。LM初の開発機であるにも関わらず、型式番号がE02とされるのは、内部からの機密漏洩の危険性を考慮し、E01が抹消されたと偽装したためとされる。
ベースとなったテスト機は運用データの収集と生産ラインの試験も兼ねていたため、ジェネレーターは後に開発されたVガンダムと同一のものを使用しており高い出力を有している。そのため性能は同時期の連邦軍のMSを上回っており、武装についてはVガンダムとほとんどを共用している。
一方で実戦的機能を重視したため複雑な変形合体機構は廃され、スタンダードな機体として仕上げられため、コックピットは全天周囲モニター・リニアシートというオーソドックスなものとなっており、操縦系統もヘビーガンやGキャノンと同規格のスティックタイプとなっている。ただし、近代化改修として衝撃感知時にエアバッグとして動作する「エアベルト」が標準装備された。
また生産性を高めるため可能な限り規格品を使用する前提で設計されており、Vガンダム、V2ガンダムのLM系MSだけでなく、ジェムズガン、ジャベリンといった連邦側のMSとも一部の部品や装甲の転用が可能となっている。
プロトタイプは2機製作され、各種テストによるデータ収集が行われた。その後プロトタイプの1号機は実戦向けに改修されジュンコ・ジェンコ機となり、固定武装を追加して初期生産型6機と共にLM初の実戦部隊であるシュラク隊へと引き渡されている。その後順次追加生産が進みLMの各部隊や協力関係にある連邦軍の部隊へと配備されていった。カラーリングはプロトタイプ時点ではガンダリウム合金の素地だったが、正式配備されるとカーキグリーンとネイビーブルーのモノトーンへと変更された。
後に戦場が宇宙に移ると、バックパックを高機動タイプ「ツインテール」に換装したガンブラスターへと改修されていった(最終的にはほとんどの機体がこの改修を受けている)。
劇中では一定の飛行能力を見せているが、Vガンダムと違いミノフスキー・フライトを搭載していないため、長距離移動にはSFS「セッター」を利用している。
武装
ビームライフル(ビームピストル)
Vガンダムと共用しているLMの標準装備。高度にユニット化されており、メガ粒子発振器であるビームピストルを中心に、サイトと粒子加速増幅用バレル、およびエネルギーユニットを組み合わせて形成される。このため戦闘中にバレル等を損傷した場合でも、ビームピストルのみを切り離して最低限の射程・威力を保持した射撃兵器として運用を継続でき、メンテナンス作業やコストも抑えられる。
宇宙世紀0120年代から一般的となっているジェネレーター直結・Eパック併用型を採用しており、基本的にはMS本体に結合してジェネレーターから直接ビームがチャージ(縮退)されるため、マニピュレーターで保持するだけでなく、ハードポイントに直接装着しての運用を前提とした設計となっている。
勿論であるが、セットされたEパックにより、本体からのエネルギー供給無く十数秒間の連射が可能である。
ビームサーベル
接近戦用の斬撃兵装。左肩のポッドに1基内蔵されている。Vガンダム用のものと異なり、扇状に展開させる機能を持たない、一般的なモデル。
宇宙世紀150年代は、本機に限らず各陣営のビームサーベルともビームの太さがあたかも糸のように細く、ビーム収束率の向上が見て取れる。
ビームシールド
前腕のハードポイントに接続される防御兵装。一般的に左腕に装着されている。
ビームを面状に展開し、敵のビーム、実弾兵器から身を守る。シールドのサイズは出力に応じて自在に調節でき、短時間であれば最大で150m~200m程度と艦艇を防御するほどに展開可能。
ビームシールドの一般的仕様として、射撃時などには本体の行動を阻害しないよう、ビームの展開域をコンピューターが自動制御で調節する。
2連装マルチランチャー
右肩のポッドに内蔵されている実弾兵器。通常は、爆砕効果の大きいグレネード弾が装填されている。
ビームバズーカ
本年代において地球連邦軍で制式採用されている一般火器。
宇宙世紀0120年代にF90ⅢYで実験的に装備されたメガビームバズーカの普及型で、ジェムズガンやジャベリンも使用している。
基本性能の高さと安定した信頼性から、採用から30年近く経過した宇宙世紀0150年代においても第一線で継続使用されている。なお、アナハイム・エレクトロニクス社がOEM生産を行っている。
LMが使用するものは同一の外観だが、エネルギーパックの容量が改善され、ハードポイントに対応するようコネクタ部分に改修を受けている。このため、腰部などのハードポイントに懸架・装備が可能。
なお、ガンイージが使用しているビーム・バズーカは濃いグレー地に白の塗装が施された旧塗装タイプと呼ばれるものとなっている(ガンブラスターが使用するものはカラーリングが異なる)。
ハードポイント
サナリィのF9グレードから継承されている、マルチ・ウェポン・コネクター。
前腕・サイドスカートアーマー、および大腿部側面に配置されているが、非使用部はカバーで覆われている。(カトキハジメ氏が雑誌ピンナップ用に描いた詳細イラストでは、Vガンダム同様に赤く縁取りされたハードポイントがはっきり確認できる。)
ビームライフルやビームシールドの他、LMで開発された共通規格オプション武装の接続・エネルギー供給ができ、基部から回転可能になっているため射角にも一定の自由度を確保している。
バリエーション
プロトタイプガンイージ
Vガンダムに先立って開発されたテスト機。テスト用の為、固定武装が施されておらず、ガンダリウム合金の地肌のままである。
2機が製造され、1号機は量産型と同様の標準化改装を施されてテストパイロットのジュンコと共にシュラク隊に配備され、2号機はガンダムタイプのようなトリコロールカラーに塗装されて、増加パーツなどの能力テストに使用され続けた。
初期生産型
製造第3号機から8号機までの機体。シュラク隊結成に合わせて製造された機体でプロトタイプの増加試作機であり固定武装が初期から施されている。
後の量産型とはリアスカートが異なっており、切り欠き部分が無い。8号機は当初オリファーが使用していたが、後に部品取りの予備機になったらしい。
増備型
9号機から15号機が該当する。初期生産型と異なり、リアスカートの切り欠きが存在する。
リガ・ミリティアに協力する連邦軍部隊などに供与された。
後期量産型
16号機以降の機体で、地球圏の部隊向けの機体。同一ラインでガンブラスターの生産が始まっていたため、カラーリングがガンブラスターと同じになっている。
陸戦型ガンイージ
現地部隊が改造した陸戦特化の機体。ノズルへのフィンの追加や防砂、防塵処理が施されている。現地改造の機体の為、新規の制式番号は付与されていない。
アフリカ戦線にいたブルーバード隊の機体は青のカラーリングで、地球連邦軍のフォースアベンジャー隊と共にベスパのアフリカ侵攻を阻止していた。
ガンダッシュイージ
ガンイージの遠距離支援用強化型。
頭部にはVガンダム・ヘキサと同じアンテナが装備され、背部にオーバーハングパックを装着し、更に腰部にはビームキャノンを装備する。