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F-2の編集履歴

2018-05-30 00:17:50 バージョン

F-2

えふに

空自の誇る戦闘機であり、対艦番長

曖昧さ回避

  1. アメリカ海軍の艦上戦闘機「F2Hバンシー」の1962年アメリカ軍航空機呼称統一以降の型式番号。
  2. 航空自衛隊戦闘機

概要

航空自衛隊が持つ戦闘機の一種。対艦攻撃、すなわち、日本に侵攻してくる軍艦に対抗することが主な任務。

単座と複座の二種類があり、単座の方は「F-2A」、複座の方は「F-2B」という。この名称でタグが付けられている例も少なからず存在している。


洋上迷彩という青い塗装が特徴で、航空自衛隊以外ではロシア軍のSu-27等の機体かロシア機を真似たアグレッサー機にしか採用されていない。

航空自衛隊においては1970年代以降、航空機に正式な愛称をつける習慣を持っておらず、F-2は単に「エフに」や「エフツー」と呼ばれるが、かつて三菱が開発した零式艦上戦闘機と、設計のベースとなったF-16にちなんだ「ヴァイパー・ゼロ」という非公式愛称も存在し、「平成の零戦」とも呼ばれることがある。


このような軍用機は、一般的には「攻撃機」のカテゴリに入るのだが、「攻撃」というアグレッシブな単語が、専守防衛を旨とする自衛隊にはそぐわないという理由から、以前は「支援戦闘機」という独自の分類で呼ばれていた。


空自の対艦番長

原型機であるF-16に一見似た姿をしているが、主翼がF-16から拡張され、複合素材の多用により機体強度も増加し、武装をたくさん積めるようになっている。

T-2 CCVで蓄積した技術を発展させた、日本独自のデジタル・フライ・バイ・ワイヤとCCV(運動能力向上技術)の採用もあって、機首を持ち上げたまま水平飛行、機体姿勢を変えずに上昇・下降等の変態機動を可能とする。


対艦フル装備となれば

・空対艦ミサイル×4

・短射程空対空ミサイル×2

・600ガロン増槽二本×2

という重武装。

この状態ならHi-Lo-Hi飛行で作戦行動半径450海里(約833km)が可能で、おまけに先述した機体強度に物を言わせて高G旋回が可能。他の機体が真似すると翼がへし折れる危険すらある。

これほどの武装、航続距離、運動性を同時に発揮できる機体はほかにない。


例えば米海軍のF/A-18C/Dが同様に空対艦ミサイル(AGM-84ハープーン)を4発ぶら下げた場合、戦闘行動半径は290海里(約537Km)程となってしまう。C/Dでは対艦ミサイルと増槽を積む兵装ステーションが同じな為、対艦ミサイルを4発積むと増槽を積める兵装ステーションは胴体中央の1箇所のみとなり、使える増槽も330ガロンタンクのみであり、機動にも制限がかかる。

兵装ステーションが増えているE/Fでも対艦ミサイルを4発抱える場合は同様に胴体中央に330ガロンタンクしか積めない。


対艦戦闘において文句なしに世界最強の機体であるが、酔狂でこの性能を目指したわけではない。軍事兵器であるからにはその性能にも理由がある。

日本は四方を海に囲まれ、中国、ロシアという、国力で日本に大きく差をつける仮想敵国を二つも抱えている。となれば防衛戦略における最重要課題は、敵の艦対地攻撃や艦対艦攻撃を防ぐため、可能な限り遠くで、数で勝る敵艦を撃破しなければならない。

専守防衛の思想、予算の都合で空母が持てない日本がこれを成し遂げるためには、長大な航続距離と少数で多数を撃破するための搭載量が必要となる。

そうして生まれたのがF-2というわけだ。


対艦番長の副業

対艦攻撃機としての性能を突き詰めたF-2だが、戦闘機としても結構、いやかなり強い。

その運動性は先述した通りであり、搭載レーダーのJ/APG-1は、量産戦闘機としては世界初の採用となるアクティブ・フェーズドアレイ・レーダーであり、対地、対艦はもとより対空性能も非常に高い。


このように当初から「対艦」、「対地」に加え「対空」と言う、「攻撃機」と言うより「マルチロールファイター」として設計された本機であるが、周りの国々の新型軍用機配備、離島防衛問題の浮上などが重なると、副業も重要性が増し、能力向上の必要性が出てきた。

と言うわけで、GPA誘導爆弾JDAMの運用能力を持たせたり、外装式の赤外線前方監視装置(FLIR)の搭載、対空戦闘時の交戦能力向上を図って中距離空対空ミサイル「AAM-4 99式空対空誘導弾」、短距離空対空ミサイル「AAM-5 04式空対空誘導弾」の搭載能力とそれらに伴うソフトウェアのアップデート等が機体の定期修理と併せて行われている。

また、LJDAMとレーザーターゲティングポットへの対応も検討されている


F-2には制空、要撃戦闘機としての任務も求められており、実際にアラート任務に就いている機体もある。


F-16に似ている理由

元々、F-16をベースに日米共同開発という形を取ったため。

当初、日本はエンジンのみをアメリカから導入し、機体は独自に開発することを目指した。

しかし日米間の不均衡貿易が問題視されていた当時、エンジンだけを日本へ売ることにアメリカ航空業界が納得しなかったこと、日本単独では充分な予算を投入する事が出来ず、独自開発では計画が頓挫する可能性があったことなどにより、日米共同開発に落ち着いた。

(F-4EJF-15J同様、ライセンス生産でそのまま配備させると防衛の都合から自衛隊の組織自体を弄らなけばならなかったという面もある。)


エンジントラブルが起った場合、最悪墜落、どれだけあがいても不時着という単発機は、海上での活動が中心となる日本に不向きなのだが、F-16より拡大された主翼(航空機搭載ミサイルの中でも、非常に重い対艦ミサイルを4発積めるほど)によってもたらされる大きな揚力により、エンジントラブルの際も、近隣の飛行場まで滑空することで着陸できる、という考えから問題無しとされた。


F-16からの改修は航空自衛隊の無茶な要求を満たすために魔改造と一部で評されるほど多岐にわたり、「パッと見た形状以外、すべてが違う」などとも言われることがある。

また、全体構成はF-16と似ているものの、主翼が大幅に拡張されていて、見慣れてくるとF-16との形状の違いもよく分かる。

その他分かりやすい外見的違いとしては、洋上迷彩とキャノピーに追加されたフレーム。

洋上迷彩は海上低空での運用に特化した視覚的隠蔽。

キャノピーのフレームは、これまた海上低空での運用の際、陸上の敵に比べて大型の海鳥との衝突を想定してのもの、というのが有力。副次効果として、水平線の目安にフレームを持ってくることで空間失調症防止の効果も生まれている。


F-2の欠点として、価格、主翼拡大による空気抵抗と重量増加が挙げられる事が多い。

しかし原型機となったF-16は当初は低価格軽量戦闘機だったのが現在では輸出型のF-16E/F、Block60/62の価格はF-2と大して変わらない高価な機体となってしまった。多目的戦闘機として高性能なものを作ると、どうしても価格が高くなってしまう。

また、度重なる改修で装備の追加を重ねた結果F-16は重量増加しており、改修内容には主翼の拡大などがないため、旋回能力等は落ちつつある。

(参考までにF-2A:9,527kg、F-16C Block 50:8,270kg、F-16E:9,979kg)

空気抵抗、重量の増加については、翼面荷重低下による運動性向上や、その他微調整によって十分補えているようで、双方を操縦した経験のある自衛官によると、飛行性能についてF-16に劣る部分はないとのこと。

実際にアメリカ空軍のDACT(異機種間空戦訓練)では当初はF-16Cに圧倒的に優位、高性能な中距離空対空ミサイルであるAMRAAMを装備し対抗戦術を編み出されても互角を維持している。


F-2 SUPER-KAI

三菱 F-2B "スーパー改" 【戦闘機ワンドロ 74】


2004年の国際航空宇宙展ジャパンエアロスペース2004でロッキードマーチンが提案したF-2Bをベースとした能力向上案。

現在の「攻撃機寄りのマルチロール」から「純粋なマルチロールファイター」へと改修する案。

改修点はコンフォーマルフェールタンクの増設、FLIRの追加やレーダーの換装、AIM-9X及びJHMCS(ヘルメット照準装置)への対応によるオフボアサイト照準能力の追加等、多岐にわたる。

防衛省はこの案を採用することは無く、ロッキードもとりあえず発表してみたという程度でこの案が実現することは無かったが、一部は前述の能力向上改修によって相当する能力を得ている。


余談

なお、基地祭でF-2と同じ洋上迷彩塗装がされたホンダのCanopyがF-2Cとして展示されたこともある。

またF-2ジュニアという改造バイクの展示走行が三沢基地で行われている。F-2戦闘機がスクーターサイズに見事にデフォルメされており一見の価値あり。


関連イラスト

三菱 F-2A 【戦闘機ワンドロ 23】F-2A


関連タグ

戦闘機 支援戦闘機 自衛隊 航空自衛隊

F-16

対艦番長 ゼロの使い魔F エースコンバット ひそねとまそたん ノーマ(OTF)

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