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密着連結器の編集履歴

2018-06-16 22:42:24 バージョン

密着連結器

みっちゃくれんけつき

連結器の種類の一つ。広義には自動連結器の一種であるが、名前通り隙間がなく、密着していることから別立てでこう呼ばれる。

主に電車や近年製造された気動車に採用されている。自動連結器のような隙間がなく、乗り心地が良くなる。略して密連と呼ばれる。

軽量の分散動力列車には好適な連結器であるが、重量貨物には連結の隙間がないため編成重量が連結器ごとに分散せず一気に機関車にかかってしまい、逆に列車牽き出しに非常に不利となるため採用される事はない。

(ロクに資料を調べず、発展途上国の客車列車に装備して描いたりすると恥をかくぞ。)


種類

柴田式

在来線用柴田式

鉄道省技手・柴田衛によって1930年代初頭に開発された。彼の兄は自動連結器の設計者である。

電車用の密着連結器で、国鉄電車に正式採用され、のちには私鉄でも採用が広まり、現在日本国内では主流となっている。

ただし世界的に見ると後発であるためか、日本と、日本から技術導入した韓国、中古車を大量購入したインドネシア以外では、極めて稀にしか使われていない。

取り付け中心高さは原則レール面上880mmであるが、キハ281系等で855mm、阪神電車で840mmなど、連結可能な範囲で異なる標準値をとるものがある。

新幹線用密着連結器

基本構造は柴田式とほとんど変わらないが、連結器の突起部が丸くなっているのが特徴。新幹線の旅客列車は全て電車であるため、大量に使うことから旋盤による円形加工だけですむようにこの形にしたが、在来線用のものと本質的な強度差異はなく、後年の金属加工技術の進展や在来線電車の増産、さらにはミニ新幹線のような直通列車まで出てくると、別立てにした意味は失せてしまった(在来線区間に於いて新幹線直通車対在来線普通列車の救援で問題が出得る)。

標準取付高さは1000mm。

主に東北上越秋田山形新幹線で乗客が気軽に見られる。

トムリンソン式

アメリカのトムリンソン社が開発した連結器。日本国内では東京メトロ銀座線丸ノ内線西日本鉄道京福電鉄嵐山線で使われている。

柴田式よりも小型で、連結面の四隅の位置決めポストがあるのが特徴。

連結部の構造は、鉄道模型のケーディーカプラーと同原理であり、連結駒の回転中心が牽引力の中心線と一致または更に噛み合う位置関係にすることで不用意な解放をさせない作りである。

バンドン式

アメリカのヴァン・ドーン社が開発した密着連結器。戦前は付随車や貨車を牽引するような地方軌道で多く普及していたが、戦後も継続して使用したのは阪神電気鉄道のみ。

柴田式よりも薄型で、ブレーキ用空気管が連結器内部に配置されている事が特徴。国内では1971年に製造が中止され、阪神電鉄は以降の新車用には在来車発生品を転用した。日本工業規格JIS)からも1994年に削除された。


阪神電鉄でも近鉄との阪神なんば線を通じて直通運転を開始することに伴い、従来車の連結器が近鉄と同じ柴田式密着連結器へ交換された。ただし運用が独立している武庫川線用の車両には今もバンドン式が残っている。

ウェスティングハウス式

アメリカのウェスティングハウス社が開発した密着連結器。中央部に19接点の電気連結器コネクターが、下部に2本の自動空気ブレーキ用空気管が、それぞれ内蔵されていることが特徴。


日本では京浜急行が1960年まで使用していた。


シャルフェンベルク式

当時ドイツ領であった東プロイセン(現在のロシア領カリーニングラード)にて、カール・シャルフェンベルクにより開発された連結器。開発は1903年(明治36年)と密連の中では最古。

外形は柴田式密連に似ており、また柴田式はこれを参考に開発されたと言われるが、連結部の実際の機構は全く異なり、スイスの狭軌観光鉄道に見られる中央バッファーの両側で2本のねじリンクを締めるねじ連結器を自動で連結・密着するようにしている、と考えたほうがいい作りである。

連結器の強度はこの2本のリンクの物理的特性に依存しており、他の方式よりも強度余裕は少ないものと考えられる(柴田式は楔形の廻り駒が割り入って止めている)。

欧州では広義の電車に多用され、高速鉄道車両TGVなど)で2編成併結にも使われている。

日本製海外輸出車両に装着されることはあるが(現地の仕様)、日本国内向けに使われることは現状まったくない。

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