概要
界磁位相制御とは電車の制御方式の1つで、界磁チョッパ制御とは異なり、交流の電圧を制御する。界磁チョッパ制御は直流の電圧を刻んで制御するのに対し、こちらはサイリスタなどのスイッチング作用のある半導体素子、磁気増幅器の作用によって、交流電圧を波形で平均電圧を制御している。
起動時は抵抗制御を使い、電動カムを使って加速する。中速域に入れば加速時は弱め界磁制御を行い、減速時は界磁を強めて電機子の逆起電力を大きく、電圧は架線電圧より高くして回生制動を行う。
なお、この制御方式を使用するには三相交流の補助電源が必要で、半導体素子は小容量で済む。ただ、複巻電動機の場合は過渡特性が悪くなってしまう。
採用例
採用例としては京阪電気鉄道が最も多い。というのは京阪電車が初代3000系を導入した当時は架線電圧が600Vで、1,500Vに昇圧が計画されていたことから複電圧に対応が容易になるようににするためである。
京阪電気鉄道
3000系(初代)(定速制御付き。速度刻み式。※1995~2013年の3505Fは任意式。)
8000系(定速制御付き。任意式。)
600形(定速制御付き。速度刻み式。)
700形(定速制御付き。速度刻み式。)
近畿日本鉄道
1000系(改造)
1010系(改造)
8000系(改造)
8400系(改造)
8600系(改造)