鋏角類

きょうかくるい

節足動物の一群。クモ、サソリ、カブトガニなどが属する。

概要

「鋏角亜門」に属する節足動物の総称。クモ綱（クモ、サソリ、ダニなど）・カブトガニ・ウミサソリ・ウミグモなどが属するグループ。

昆虫よりも古くから存在し、原始的な節足動物の1群である。なかでもウミサソリは古生代に頂点捕食者として大繁栄したが、進化史の中で次々と衰退し、現生の繁栄した鋏角類はクモやダニなど僅かな系統しかない。

他の節足動物とは大きく異なり、触角と真の顎を持たない。体は以下のパーツからなる：

「頭胸部」と「腹部」（正式の呼称は「前体」と「後体」）という2パーツだけに分かれる。頭胸部には1対の鋏角・1対の触肢・4対の脚という計6対の肢を持つ。

「鋏角類」という名の由来となった本群に特有の肢。由来自体は他の節足動物の触角に当たるが、役割は他の節足動物の大アゴに相当する。

目立てない小さなハサミ型が一般的である。例外はヒヨケムシの巨大な鋏角・クモの牙のように進化した鋏角、などが挙げられる。

昆虫などの真の顎とは別物であるが、分かり易くように説明するため、便宜上「顎」や「上顎」とも呼ばれる。

鋏角と脚の間にある肢。カブトガニとウミサソリの触肢は脚扱いとされるが、クモ綱の仲間とウミグモは様々な役割を果たすため脚と異なる形に特殊化した。

サソリとカニムシのハサミやウデムシの鎌がこの部分に該当する。

歩行用の肢、4対を持つ。カブトガニとウミサソリの触肢は脚扱いとされるため、これらの群では脚が5対として加算する場合もある。

通常、ウミグモという節足動物はこのグループに分類されるが、鋏角類にない担卵肢があり、脚は通常4対であるが5~6対まで備えた種類もあるなど、鋏角類として異質すぎる部分が多く、遺伝子分析による知見も諸説紛々で、鋏角類に属するか、もしくは別系統など、様々な説も出ている。

詳細は該当記述を参照。