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ウミグモ綱(皆脚綱)に属する節足動物の総称。「皆脚」という名に相応しく、体の殆どの部分がからなる奇妙な動物である。

概要

名前と大まかな姿が似ているが、クモクモガタ綱・クモ目)ではない。小さな胴体に対して極度に発達なの大部分を占めるというアンバランスな容姿をもつ。1cmほどの小型種が多く、深海極地におけると脚を広げて数十cmに達する大型種がある。

頭部は三対の肢(鋏肢・触肢・担卵肢)と4つの小さな目を持ち、口はソーセージのような長いの先にある。胸部は分岐した軸のように脚を備える。脚は通常4対であるが、5~6対を持つ種類も稀にある。なお、頭部の肢と目が二次的に退化していた種類もある。

節足動物として通常、多くの臓器を支えるはずの腹部は短い尻尾のように退化し、もはや排便の機能しか持たない。しかし古生物ウミグモの中では、現生種にない長い腹部や鞭のような尾を持つ種類があった。

クモに連想しやすい名前と姿かつ頭部と腹部の発達具合は通常の節足動物とは逆さまのためか、初見は頭部にある大きな吻が腹部と誤解され、しばしば前後逆さまに見間違いされることもある。

もはや脚が本体

姿に劣らず、内部の構造も奇抜である。なんとほとんどの消化器は脚の中へ差し込み、生殖器まで脚に付く。体が細すぎて呼吸器すら不用で、脚の体表から直接にガス交換を行う。長い脚に対して胴体の心臓による血液運送はあまりにも力不足である為、代わりに脚の中にある腸道の伸縮によって血液循環を果たす
こうしてほとんどの生理活動は脚に任せ、神経系をもつ胴体がそのまとめ役である。

生態

人間に無害、大人しくて華奢な動物である。研究は少ないため、その生態は未だに謎が多い。普段は海底でゆったりと歩き、偶に脚をひらひらさせて泳ぐこともある。肉食性で、記載されたものでは長い吻を使ってイソギンチャクサンゴの体液を吸っていることが分かる。母が産んだ塊は父に渡し、担卵肢でそれを支えて世話する。

ウミグモは一体どうやって捕食者から身を守るのか(もしくはどんな天敵を持っているのか)、未だに謎が多い。無防備な姿に反し、捕食されるシーンはさほど見られない。脚が何本も欠けた個体はしばしば見られることから、自切能力があるではないかと思われる。

分類学の問題児

通常、ウミグモは鋏角類クモサソリカブトガニなどの仲間)として分類されるが、脚と触肢の途中に担卵肢があり(付属肢総数6対という鋏角類の原則を破る)・吻をもち・神経の構造など鋏角類としては異質な部分が多い。

初期の遺伝子分析では様々な結果が出ており、従来の通りに鋏角類であるとされ・或いは現生節足動物の中で最も早期に分岐した系統とされ、節足動物の進化樹のどこに位置すべきか安定しない時期があった。

2010年代以降では従来の分類通りに原始的な鋏角類として落ち着いていた。

節足動物
┗┳━?ウミグモ(最も早期に分岐した節足動物とする説)
 ┗┳鋏角類
  ┃ ┗┳━?ウミグモ(鋏角類に属する説)
  ┃  ┗━真鋏角類(クモ綱ウミサソリカブトガニ
  ┗┳━多足類ムカデヤスデなど)
   ┗━汎甲殻類甲殻類昆虫

関連条目

節足動物 鋏角類
海洋生物
クモ:名前の由来、似たような別群
ザトウムシ タカアシガニ ミズヒキガニ:長脚繋がり、特に後者はしばしばウミグモとして混同される

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