ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ウミグモ

うみぐも

ウミグモ綱に属する節足動物のこと。体がほぼ脚だけの奇妙な海洋生物。クモではない。
目次 [非表示]

概要

ウミグモ(海蜘蛛)とは、鋏角亜門のうちウミグモ綱に分類される節足動物のこと。別名皆脚類(かいきゃくるい)・ユメムシ)。学名「Pycnogonida」は「厚い」の意味。英語名は「sea spider」(シースパイダー)。


名前の通り大まかな姿が同じ鋏角類のクモと似ているが、クモ(クモガタ綱クモ目)ではなく、鋏角類の中では近縁でもない。


1,300以上の種が知られ、世界中のに生息する。また、化石は希少だが非常に古い地質時代まで遡り、5億年前のカンブリア紀から既に存在する。


形態

1cmほどの小型種が多いが、深海極地ではを広げて数十cmに達する大型種もいる。


「皆脚」という名に相応しく、小さな胴体に対して脚が極度に発達で全身の大部分を占めるため、脚の塊のような奇妙な姿となる。


4つの小さな単眼を頭部の背面に持ち、ソーセージのように突き出したの先にある。肢は原則として3対の短いもの(鋏肢・触肢・担卵肢)と4対の脚を有し、うち3対の短い肢と第1脚は頭部に、残りの脚は胴部に付く。なお、目や3対の短い肢が退化したり、脚が5-6対に増やしたりする種類もいる。


節足動物として通常、多くの内臓を支えるはずの腹部は短い粒のように退化し、もはや排便の機能しか持たない。しかし古生物の原始的なウミグモの中では、長い腹部やのようなを持つ種類がいた。


クモに連想しやすい名前と姿、かつ体の前後の発達具合が通常の節足動物とは逆さまのためか、しばしば頭部の大きな吻が腹部と思われ、前後逆さまに見間違われることもある。


もはや脚が本体な生理学

姿に劣らず、内部の構造も奇抜である。なんと消化器生殖器のほとんどが脚の中に格納されるなどの呼吸器を持たず、脚の体表から直接にガス交換を行う。小さな胴体の華奢な心臓による血液循環は脚には届かないため、脚(つまり体のほとんど)の血液循環はその中の盲腸の伸縮で果たす

こうしてほとんどの生理活動は脚に任せ、などの神経系を持つ胴体がそのまとめ役となる。


生態

大人しくて華奢な海洋生物である。研究は少ないため、その生態は未だに謎が多い。

普段は海底を緩やかに徘徊し、偶に脚をひらひらさせて泳ぐこともある。肉食性で、吻を使ってイソギンチャクサンゴなどの刺胞動物の体液を吸い取る。寄生性の種もいる。


ウミグモは一体どうやって捕食者から身を守るのか、そしてどんな天敵には捕食されるのか、未だに謎が多い。無防備な姿に反し、捕食される様子がほぼ見かけない。脚が何本も欠けた個体がしばしば見られることから、自切能力があったと思われる。少なくとも一部の種類は、ホルモンで体を不味くしたり、普通なら致命傷である下半身欠損まで再生できるという凄まじい能力を持つ模様。


繁殖は雌雄がくっつけるだけで交尾をせず、脚の付け根の穴から精子を排出して体外受精させる。

見た目の雌雄差はほぼないが、母が産んだ卵塊は父が担卵肢で支えて世話するため、コオイムシ同様抱卵個体は容易に雄であると判別可能。

幼体はプロトニンフォンという玉にハサミと爪が生えたような微生物で、成長(脱皮)に連れて脚を持つ体節を追加し、徐々にウミグモらしい形に変態する。


分類

通常、ウミグモは鋏角類クモサソリカブトガニなどの仲間)として分類されるが、脚と触肢の途中にある担卵肢(頭部の肢6対という鋏角類の原則を破る)・発達した吻・分節した脚の神経(他の鋏角類は脳と融合)など、鋏角類として異質な部分が多いため、実は鋏角類とは別なのではという疑惑もあった。


特に2000年代の遺伝子分析では、ウミグモは鋏角類ではなく、現生節足動物の4大グループ(鋏角類・多足類甲殻類六脚類)よりも起源が古い「第5のグループ」ではないかという説が出ていた。


しかし2010年代以降の遺伝子解析では、従来の分類通りに鋏角類であり、最も起源が古い現生鋏角類という結論で落ち着いた。


節足動物

┗┳━ウミグモ(最も起源が古い現生節足動物説、否定的)

 ┗┳鋏角類

  ┃ ┗┳━ウミグモ(鋏角類説、定説)

  ┃  ┗━カブトガニクモガタ類クモサソリなど)

  ┗┳━多足類ムカデヤスデなど)

   ┗━汎甲殻類甲殻類六脚類


人間との関わり

原則として人間の日常生活とはほぼ無縁であり、特に顕著な利害はなく、一般的な認知度も低い。


ただカイヤドリウミグモという二枚貝寄生する小型種に関しては、2007年で日本東京湾干潟に大発生した結果、寄生されたアサリが大量死して漁業に顕著な被害を与えたことがある。


関連タグ

節足動物 鋏角類

海洋生物 

クモ:名前の由来、似たような別群。

ミズグモ:同じ水生でクモの名が付く8本脚の鋏角類だが、こっちは正真正銘のクモである。

ユウレイグモ ザトウムシ タカアシガニ ミズヒキガニ:同じ8本の長い脚を持つ節足動物、特に後者はしばしばウミグモと混同される。


オニシズクモ:クモ(ミズグモ)モチーフのポケモンだが、体格がウミグモを彷彿とさせる。

フェイスハガー:姿が古生物のウミグモを彷彿とさせる架空生物。

関連記事

親記事

鋏角類 きょうかくるい

兄弟記事

pixivに投稿されたイラスト pixivでイラストを見る

pixivに投稿された小説 pixivで小説を見る

このタグがついたpixivの作品閲覧データ 総閲覧数: 2871

コメント

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました