解説
十脚目クモガニ科に属するカニの1種。かつては近似種も4種類ほどいたが、タカアシガニを除いてすべて化石種となっている。カニの中では系統的に古い種で、生きた化石の一つにも数えられる。
最大の特徴は、名前の由来にもなっている長大な脚で、オスで大きいものだと全幅3mに達する。これは現生節足動物の中では世界最大。(重さだとロブスターの方が上回る)
また胴体も大きく、甲羅の幅が30cm・高さが40cmの饅頭型をしている。大型の電子炊飯ジャーぐらいの大きさだと思ってもらえればいい。
その長い脚を左右に張り出し、途中から垂直に突き立てながら、体を浮かせて移動する。
生息域は太平洋沿岸部(岩手〜九州)。日本近海の固有種と思われていたが、1989年に台湾東方沖でも棲息が確認された。
水深150~800mの領域に棲み、特に200m~300mの周辺で繁殖しているが、産卵期には水深50mまで上ってくる。
利用
日本では大正の頃に巻き網漁船の網にかかって発見されるも、肉が水っぽく大味だとして長らく見向きもされてこなかった。
しかし味の再評価がなされ、とくに静岡では駿河湾の名物として、観光客向けに振る舞われるようになった。しかし、漁獲量が減少しており、保護のために水揚げの制限を設ける動きもある。
一方、水族館では大人しい性格と飼育のしやすさ、個体の補充のしやすさ、なによりインパクト絶大な見た目から、目玉展示動物として扱われることが多い。
関連イラスト
……たぶん、こんな感じではないはず(汗)。
インパクトのある見た目から脚の長い多脚メカの比喩にも用いられる。