概要
木星帝国の対クロスボーンガンダム部隊「死の旋風隊」に配備されたバーンズ・ガーンズバック大尉に誂えられた重モビルスーツ。
トトゥガ(Tortuga)は、スペイン語で亀の意。
本機は重装甲・重火力型の砲撃機として開発されていた物を対クロスボーンガンダム用に転用して開発されており、木星軍のモビルスーツよりも高い攻撃力を有するクロスボーンガンダムの武装を無力化するために徹底的に「防御」に特化している。
特に背部に備えられたビームシールドは本機に搭載された高出力ジェネレーターのを全出力が注れる為戦艦のビーム砲の直撃にも耐えうるとされており、通常のビーム・シールドを容易に切り裂くビーム・ザンバーや木星製のビーム兵器の中でも特に高出力なペズ・バタラのビーム・アックスすらも完全に無力化している。
本体の装甲自体も強固であり、また多重構造を成している本機の装甲内部には「高速硬化ガス」と呼ばれる特殊な物質が封入されている。
格闘戦において装甲が損壊した場合、敵機に対してガスが噴出され、気体から即座に個体に変じるこのガスの性質によって機体の動きが封じられる事になり、その間に本機の武装で敵を撃破する事も可能となっている(ただし、障害物越しの攻撃に対してはこれが逆に足枷となるケースもある)。
武装は両腕のハンマー・ハンドと背部のトゲから放つビーム砲のみ。
ハンマー・ハンドはヘッド部分がドリルのように高速回転する以外はこれといって特殊な機能は有していないが、トトゥガの強大な機体重量と強固な装甲と相まってその威力は高い。
また、ビーム砲に関しても敵に背中を見せる格好になるものの、ビーム・シールドによる防御と相まって隙は少ないとされる。
欠点として自ら攻撃を仕掛ける事が苦手な点と、重装甲機の例に漏れず機動性が劣悪である事が挙げられるが、これは攻撃力に優れるクァバーゼ、機動力に優れるアビジョとの連携によって補われる。また、クロスボーンガンダムがクァバーゼの攻撃レンジ外へ逃げ込んだ際、真っ先にクァバーゼの盾となるのが本機の使命と言える。
劇中では高い防御力を活かしてシーブックやトビアを苦しめたが、その機動力の低さとビームシールドの出力をマザー・バンガードの帆(光の翼を発している為、巨大ビームサーベルと化していた)を折る為に利用され、母艦ジビアを中破させる一助になってしまった事もある。
また、地上におけるクロスボーンガンダムX3との決戦では、大気圏降下用カプセル越しにムラマサ・ブラスターを突き刺され、高速硬化ガスが枷となってカプセルに拘束されてしまう。その隙に肩関節部分から叩き込まれたビームサーベルが機体を貫通し、遂に大破した。
幸いにもコクピット部分の被害は少なく、バーンズは重傷を負いながらも生還した。
バーラ・トトゥガ
木星戦役時に撃墜・地上に放置されていたトトゥガをサナリィが回収し、レストアした機体。
腕部ハンマー・ハンドは二連装ビーム・キャノンに換装され、左肩にはマシン・キャノンが増設されているなど、機体自体の火力を向上させる方向で改修されている。
トトゥガ自体が元々砲撃用に開発されていた事もあり、この改装によってトトゥガの本来の意味で「完成」を見たと言える。
しかし、外装こそトトゥガの流用であるが、木星戦役当時の戦闘によって機体は内部から破壊されていた事もあり、内装はその殆どがサナリィ製のパーツに換装されており、その事から「外見だけ流用した別機体」とも揶揄される。
また、実戦にて装甲が破損しても高速硬質化ガスが噴出する様子が無い事から、装甲内からはガスが抜かれている様子である。
劇中では『鋼鉄の7人』の一員としてギリが搭乗するビギナ・ギナⅡの近接支援を担当したが、木製帝国総統が操るディキトゥスの絶大な性能の前に翻弄され、背部ビームシールドを展開しつつ突撃するも、それを背部装甲ごと握り潰されて大ダメージを受けてしまう。
しかし、ビギナ・ギナⅡがコロニーレーザー砲「シンヴァツ」への特攻を試みた際には持ち前の重装甲を活かして盾となり、最期の瞬間までギリを守り抜きつつ爆散した。