デスゲイルズ
しのせんぷうたい
『機動戦士クロスボーン・ガンダム』及びその続編の『鋼鉄の7人』に登場した三人組。
木星帝国総統の側近であるプロフェッサー・カラス直属の精鋭部隊で、
「死の旋風隊」と呼ばれた(作中では『死の旋風』に「デスゲイルズ」とルビが振られている。
リーダーはギリ・ガデューカ・アスピス、以下メンバーはローズマリー・ラズベリー、バーンズ・ガーンズバック。
最大の特徴は「VSX(対クロスボーンガンダム)」の名を持つ三機の試作機に搭乗していること。当時の木星帝国には単騎でクロスボーンガンダムに匹敵する性能を持つ機体は造れなかった為、攻撃・防御・攪乱に特化した三機のモビルスーツでガンダムを超越しようと考えたのである。
戦術としてはバーンズのトトゥガが強力なビームシールドによる防御を担当。攪乱担当のローズマリーがアビジョの機動力でガンダムを翻弄し、実弾火器のニードルガンを使ってABCマント(ビーム兵器を無効化するマント)を除去しつつ、装甲にダメージを与えて機動力を奪う。そして攻撃を担当するギリのクァバーゼが、クロスボーンガンダムのビームザンバーより広いリーチを持つ格闘武器「スネークハンド」の「ビームソー」でABCマントもろともガンダムを斬り刻むというもの。
三機は常に自らの得意な間合いから攻撃し、必要以上に接近された場合は躊躇なく逃亡するなど役割に対して忠実に行動する。その為、付け入る隙は殆どない。
その実力・戦術・連携は確かであり、二度に渡ってクロスボーンガンダムX1と搭乗者キンケドゥ・ナウを窮地に陥れた。しかし、特化した能力を持つという事は他の部分が犠牲になっているという事でもあり、各機の弱点(アビジョの攻撃力及びトトゥガの機動力の低さ)を突かれて戦況を覆されてもいる。
また、地球上でトビア・アロナクスが操るクロスボーンガンダムX3と戦闘した際には、慣れない地球の重力とトビアの独創的な戦術に翻弄されて苦戦。連携を乱された結果、X3にアビジョ、トトゥガが続けざまに撃破されてしまう。残るクァバーゼは善戦したものの、乱入してきたX1との戦闘の末、対スネークハンド用に急造された特殊兵器「スクリュー・ウェッブ」を受けて撃破された。
三機は破壊されたがパイロットはいずれも脱出しており、三人はバーンズの提案でそのまま地球で暮らすことになった。
戦後はそれぞれ別の生業を見つけていたが(各人の項目参照)、地球に対するコロニーレーザー攻撃作戦「神の雷計画」を阻止すべく、トビアの要請を受けたバーンズによって再び召集される。
今回はサナリィがMSを用意した為、ローズマリーがアラナ・アビジョ、バーンズがバーラ・トトゥガ、ギリがビギナ・ギナⅡの三機に搭乗。かつての愛機のカスタム機及びその武装を受け継いだ機体とはいえ慣熟飛行もせず出撃することになったが、三人は自在に乗りこなしていた。
かつての古巣である木星帝国との死闘の末、木星帝国皇帝が乗り込むディキトゥスの攻撃で三人の機体は大破。ギリはコロニーレーザーの角度をずらすために特攻を敢行し、バーンズはボロボロの機体でそれを援護したことで二人が戦死してしまう。ローズマリーは辛くも生き残っていたものの、隊としてのデスゲイルズは自然消滅した。
余談だが、『鋼鉄の7人』ではギリの身長が伸びると同時にメカに相当強くなり、ローズマリーがよりセクシーになり、バーンズはもともと筋肉質な体型だったことから、三悪に似たビジュアルになっている(先述の通り、リーダーはギリなのでメンバー構成は異なり、性格も全く別物ではあるのだが)。