「それでもどうか、聞き届けて欲しい。
無限にも等しい思考の末
わたしが見出した事象を。」
CV:緒方恵美
概要
PSO2のEP1より登場する、物語の核となる女性。
主人公に様々な運命を課し、導いていく。
喋り方や中の人の影響で中性的なイメージを最初は抱きがちだが、
話を進めてみると、白衣の中は意外にスタイルが良く 、そりゃルーサーも
惚れるわな、と納得するほど女性らしい姿をしている。
この項目はファンタシースターオンライン2のエピソード1~3のネタバレを多分に含みます
はじまり
最初に、宇宙に海だけの惑星が産まれた。
ある時、不意に海に「知性」が産まれた。
その「知性」は過去・現在・未来・森羅万象を演算し、総てを識った。
ふれあい
ある時、星の外から知性を持ったヒトが星を訪れた。
そのヒトは星に「シオン」と名前を付けた。
「シオン」はヒトに興味を示し、最初に触れたヒトの姿を象った。
「シオン」が示した知識はそのヒトの興味を惹き、「シオン」もまたヒトに惹かれていた。
そして「シオン」は、観測者をやめた。
あやまち
「シオン」はヒトに自分が自由に動く為の装置を作ってもらい、彼らと共に有ろうとした。
彼らは「シオン」から知識を引き出し、栄華の時を極めた。
この中で彼らは「シオン」から、「フォトン」の扱い方を知り、使いこなしてみせた。
斯くして彼らは自らを「フォトナー」と称し、数多の惑星を掌握した。
やがて彼ら…「フォトナー」は肥大化した組織の管理に「シオン」のコピーを用いようとした。
最初に創られたコピーは性能こそ遜色はなかったものの、制御に難航し
失敗作として亜空間に破棄された。
数多の失敗を経て、「シオン」と同等の性能を持ち制御も可能なコピーが創られた。
…しかし、フォトナーの中に溢れていた負の感情の影響を大きく受け、それは【深遠なる闇】と化した。そしてダーカーを生み出し、全宇宙規模の戦争を引き起こしたのだった。
かくてフォトナー達はフォトンを扱う能力を一人に押し付け、その一人と共に【深遠なる闇】を封印。一人を犠牲にすることでみんなを救った。
誤算があったとすれば、【深遠なる闇】が封印される寸前にダークファルスを産み落としていたこと。フォトンを扱う能力を失っていたフォトナーたちは対抗できず、ボロボロになりながら宇宙を逃げ続けることとなった。一人を犠牲にしたことでみんなが不幸になった瞬間だった。
その後、フォトナーたちは各惑星の原住民たちを拉致し、実験を繰り返し、もっともフォトン適性のある種族を「ヒューマン」とし、「アークス」を生み出した。
「アークス」の礎が出来た後、ほぼ総てのフォトナーは肉体を捨て、「シオン」の海に還った。
ゆがみ
…だが、アークスの中に「シオン」を認識し、その叡知を自らの物にしようとするモノが現れた。
一方「シオン」は独自に【深遠なる闇】の眷属、ダーカーとダークファルスを滅するべくマトイを造り出した。
「シオン」は自分とマトイをルーサーから隠匿しつつ、ダーカー・ダークファルスを打ち倒そうとした。
…が、アークスシップでのダークファルス【若人】の戦闘の後マトイが【深遠なる闇】になりかけ、顕現を阻止するべく自害する(ゲーム本編の世界線ではこの際に時間塑行してきた主人公の強制帰還に巻き込まれ、マトイはタイムリープでゲーム開始時の時間に時間跳躍している)。
これによって、「シオン」の後悔の念は更に深まった。
「ずっとこの日を待っていた」
それから10年後、主人公が惑星ナベリウスでの研修でダーカーの襲撃を生き延び、アークスシップに帰還。
「シオン」は主人公に目をつけ、様々な事象を書き換える為に時間遡行を可能とするマターボードを託す。
そこで力と記憶を失ったマトイと、3つのパーツに分かれた「白錫クラリッサ」の回収・修復をさせた。
「たったひとつのやりかた」
シオンがルーサーに認識され、彼女の叡知をその手につかもうと遂に行動を起こす。
レギアスの絶対令(アビス)の行使により、オラクルの敵として抹殺対象となった主人公とマトイは孤立。しかし、クーナや六芒均衡の偶数番(イーブンナンバー)の協力を得てシオンの中枢…マザーシップのコアに到達。
一足遅く、シオンはルーサーに取り込まれ、ルーサーはアークスを消去しようと絶対令(アビス)を行使。
…が、取り込まれるのはシオンの思惑通り。
ルーサーの動きを止め、最後の依頼として…シオンは自身の殺害を依頼。
「私をその手で…その手で、殺せ。
今この時しか無い。ルーサーがわたしと一つになろうとしているこの時しか、ないのだ。
管制を司る彼が、演算を司るわたしと融合を果たしたこの時ならば
………アークスとの繋がりを断ち切れる。
たとえルーサーの身体が残ろうとも、内にいるわたしが消えれば彼の目的は全て潰える。
……主人公。わたしの識る、最後のアークス。わたしの依頼を、果たしてくれ。」
「バカな……!
バカなことはよせ、シオン!
君が死ねば、すべてが終わる!
オラクルとは、そういうものだ!
君ありきのものだ!」
「だが、このままでは
アークスは死ぬだろう?
そう言う天秤の話ではないよ。」
「くっ、くそっ! やめろシオン!
君を殺すなんて、そんなことをしたら
どうなるのか、わかってるのかぁッ!」
「……今更何を言っている、ルーサー。
未来というものは、どうなるかわからないから……楽しいんじゃないか。」
かくて観測者でありヒトに寄り添った「シオン」は消滅。
…そして、マザーシップの代行者が即座にフォロー。これでもかと煮え湯を飲まされる事となったルーサーはダークファルス【敗者】に変貌した。
「あなたがうまれたそのりゆう」
最後に登場したのは、「白錫クラリッサ」に眠る残留思念として。
【仮面】がダーカー因子をマトイと主人公から吸い上げ、己の身に宿す媒体としてクラリッサを使用。
精神世界で久しぶりに対面、自身でも演算しきれなかった顛末を祝福した。
「【深遠なる闇】はわたしたちが受け取った。これで、彼女は生き、貴方も生きる。
だが【深遠なる闇】もまた消し去ることはできていない。
……やがて、形を取るだろう。
ダークファルスを従え、現れる新たな【深遠なる闇】……
人類の勝つ歴史を、わたしは知らない。
……だが、彼女が救われた歴史もわたしは知らなかった。
主人公。ここからは、貴方次第だ。
全知の先に、進み、新たな歴史を、紡いでくれ。
それが、わたしたちの最後の願いだ。」
「わたしは謝罪する」
……わたしとわたしたちは謝罪する。
識りながらも変えることのできない
この身であることを。
彼女の「謝罪」の意味がアルマの解説にて明らかになった。シオンが謝罪していたのは、他ならぬマトイであった。
マトイは【深遠なる闇】を倒すためにシオンが生み出した存在だが、皮肉にもマトイ自身が【深遠なる闇】になりかけてしまう。シオンならばマトイが生まれる前の時間に干渉して『やり直す』こともできたが、それをやれば当然マトイは消えてしまう。その行為は、マトイの生命を弄ぶことにほからない。
だからシオンは「すべてを識りながらも変えることのできない身」なのだった。
EP5・4章にて
彼女の人間態のモデルらしき女性が、異世界オメガの登場人物「クラリッサ=メンテナー」(cv:伊藤静)として登場している。所属している国は商業国家イス=アルス。
筆頭従属官として【双子】・男にそっくりな筆頭継承者「フロー・アルルカン・デ・イス=アルス」の教育役に就いている。
…なお、イス=アルスは【深遠なる闇】がオメガで産み出したエフィメラによる複製技術を確立させた国家のようだが…。
EP5・5章にて
【双子】・女との戦いの最中にプレイヤーは2回も謎のビジョンを見る。
そのビジョンには、オラクルのフローとフローの専属の研究者であるクラリッサの姿が映っており、フローはクラリッサとの会話の中で「クラリッサが見つけた水がクラリッサの形になった」と話していた。
つまり、最初にシオンと接触したフォトナーとはクラリッサであり、オメガのクラリッサとは過去の彼女がオメガにて再現されたものだったのだ。フローが持つ謎の異能についても「シオンに聞いてみる」と述べているので、これがフォトンを扱う力だったと思われる。