市川文靖
いちかわふみやす
概要
演:ダンカン
CV:八奈見乗児(ラジオドラマ「第Qの男 ~QはquestionのQ~」)
チュンソフトのサウンドノベル「街-machi-/街~運命の交差点~」の登場人物。
このシナリオは全編を通して市川の一人称視点で描かれており、様々な解釈ができる文学的作品。
TIPも文学的、哲学的な内容が濃くなっている。
「シュレディンガーの手」あらすじ
しかし、市川と彼の最高傑作は見えない“敵”によって、散々に弄ばれる。市川は苦悩しながらも“敵”に戦いを挑み、足掻くが、“敵”はそんな市川を嘲笑う。
<B・O・D・Y>と。
人物
靴屋は夢を見たのだろうか……
父親は大臣まで務めた元大物代議士・海塚正治郎。兄・文弘、弟・文丈とはいずれも母親が違う。市川の母親は海塚の妾の1人で、貝塚を恨みながら死んだ。そのため市川自身も父親を憎み、絶縁状態にある。
職業はテレビドラマの脚本のプロットをつくる「プロットライター」で、“傑作”多数。「渡る世間のおしん」や「何曜日のツナたちへ/毎度おすそわけします」など数々のヒット作を世に出している。現在、彼のプロットは、テレビ太陽の局プロデューサー・木嵐袋郎が独占している。
プロットライターとしてのペンネーム「中島哲雄(なかしまてつお)」は愛する母の姓と、母方の祖父の名前を借りたもの。しかし、この名前はテレビ業界に“俗悪”の代名詞として知られている。
一方、本名の「市川文靖」名義では純文学作家として活動しているが、デビュー作「浅草奉行のとるねーど」で「多摩川頓歩賞」というマイナーな文学新人賞をとったきり鳴かず飛ばず。しかし一部には熱狂的なファンがおり、木嵐もその1人。
映像制作会社「象映社」のディレクター・カバ沢猛やプロデューサー・ズル井、大物俳優・デューク浜地や人気女優・香月ミカレなど、俗悪にどっぷりと浸かりきった“テレビ屋”からは“金ヅル”として媚びへつらわれている。しかし、市川自身にとってそんな“テレビ屋”達、そしてそれに応えてしまう「中島哲雄センセイ」は、軽蔑の対象でしか無い。
前衛彫刻家・末永晶子(すえながしょうこ)とは、かつて恋人同士だった。紆余曲折の末に関係そのものは解消しているのだが、市川は今でも晶子のことを心の拠り所にしており、晶子の方もマイペースで市川と付き合い続けている。
“中島哲雄の傑作”が生み出されるようになってから、市川は「靴屋の悪夢」を見るようになった。内容は“靴職人・市川が眠っている間に、粗悪な靴が次々出来上がっていく”という、童話「小人の靴屋」を元にしたもので、非常にグロテスク。この夢を見るようになってから、市川は文学作品が書けなくなった。代わりに、眠っている間に書いた記憶のない俗悪な“傑作”が出来上がるようになった。“傑作”は金になり、望まぬ形で売れっ子作家としての地位を得た。それゆえに、市川は苦悩に陥っている。
精神的にかなり衰弱しており、ちょっとした衝撃を受けただけで精神のバランスを崩してしまう危険な状態にある。そのため、気持ちをどん底から引き上げるためにバーボンを飲み、頭を覚醒させるために泥のように濃いコーヒーやカフェインの錠剤を貪ってタバコ(セブンスター)を何本も吸い、悪夢を見ずに眠るために強力な睡眠薬を常用。薬や嗜好品に頼って現実から逃避することで、辛うじて毎日を生き延びている。
東京大学の出身で、在学中に尾形という友人から「シュレディンガーの猫」について教わったことがある。