高峰隆士
たかみねりゅうじ
演:増田雄一
CV:高木渉(ラジオドラマ「第Qの男 ~QはquestionのQ~」)
チュンソフトのサウンドノベル「街-machi-/街~運命の交差点~」の登場人物。
シナリオ「迷える外人部隊」の主人公である。
このシナリオは全編を通して、隆士の一人称視点で描かれており、「シュレディンガーの手」と対の存在とも言える。
隆士の職業の関係上、TIPはミリタリー色の強いものになっている。
行くアテもなく、生きる目的もなく、確固たる自分もなく、ただひたすらに“迷い”ながら…。
「俺はなぜ帰ってきちまったんだ……」
実家は渋谷区松濤の高級住宅街にある。家電メーカー「ヨツビシ」の重役である父・厚士、愚痴っぽい母・霞、宝石店に務める姉・綾(牛尾政美の想い人)との4人家族。
幼い頃は父親想いの少年だったが、次第に厳格な父親に反抗心を強めていった。子供の頃にいじめられたことをきっかけに柔道、合気道、空手、日本拳法、中国拳法、ボクシング、テコンドーとさまざまな挌闘技を習得。父親の務める家電メーカー「ヨツビシ」が軍事産業に携わっている事を知り、三年前に家を出て日本を離れ、レジョンに入隊した。
入隊後は訓練を受けた後、イラクやザイール(コンゴ民主共和国)、ジブチなどを転戦。初めて人を殺害した時のことがトラウマになり、事あるごとに死にゆく男の顔がフラッシュバックするようになっている。当時、血に染まったまま哄笑する隆士を見て、部隊の仲間は隆士に「Rouge(ルージュ)」というニックネームつけた。
やがて多くの人を手に掛ける内、隆士の胸の中にドス黒い衝動が棲み着くようになった。これが、レジョンからの脱走のきっかけになっている。
軍隊で身につけた一番の得意技は、「ナイフを持った相手の腕を取り、逆に相手の喉笛を掻っ切る」ムーヴ。フランスで3年過ごしたためフランス語で思考する癖もついており、とっさにフランス語が口をついて出ることも多い。
日本でのほぼ唯一と言っていい友人が、空手仲間で高校時代の同級生だった井端和孝。隆士がレジョンに入って音信不通になった後も、いつも隆士のことを非常に気にかけていたらしい。空手では、相手にまっすぐ向かっていく井端に対し、隆士は相手を眩惑するような戦い方を得意としていた。
高校時代の恋人・末永晶子とは仲が良かったのだが、やがて隆士の方から逃げるように別れた。その彼女は今、市川文靖と男女の関係にあるが、恋人関係というわけではないらしい。
428~封鎖された渋谷で~との関連
※以下は重大なネタバレになっています。未プレイの方は閲覧注意。
ネタバレOKな人はスクロールをどうぞ。
隆士は人を殺すことに快楽を感じるようになり、全くのプライベートで3人もの人を殺めてしまった。そんな自分を認めることができず、せっかく見つけた居場所であるレジョンを抜け、逃げだして渋谷に戻ってきたのだった。
「伍長」と呼ばれていたホームレスは、最後まで自分の名を隆士に名乗ることはない。その正体は、実は市川文靖の実父である元大物政治家・海塚正治郎。彼もまた過去にいくつもの取り返しのつかない過ちを犯し、後悔に苛まれ、人付き合いを嫌っていた。似た者同士だったからこそ、隆士は素直に心を開くことができたのだ。